岩手町で次世代高度技術の活用により新しい物流インフラの構築を目指した「中山間地域におけるドローン配送」の実証実験を実施

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岩手町(町長:佐々木 光司)と、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下エアロネクスト) 、株式会社NEXT DELIVERY (本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)は、2023年2月16日に、岩手町森のアリーナを起点に、次世代高度技術の活用により新しい物流サービスの構築を目指した「中山間地域におけるドローン配送」の実証実験を実施いたしました。
具体的には、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流*1”SkyHub®“*2の社会実装の検討に向けて実施するもので、実施はNEXT DELIVERYが行いました。
 

出発式にて、写真向かって左より岩手町副町長吉田和彦、岩手町議会議長武田茂、岩手町町長佐々木光司、SHDラストワンマイル推進チーム課長和田悟、エアロネクスト執行役員グローバルCMO伊東奈津子出発式にて、写真向かって左より岩手町副町長吉田和彦、岩手町議会議長武田茂、岩手町町長佐々木光司、SHDラストワンマイル推進チーム課長和田悟、エアロネクスト執行役員グローバルCMO伊東奈津子

一方井小学校に向けて緊急物資やメッセージボードを搭載して飛行するドローンを見守る沼宮内小学校と川口小学校の児童達(森のアリーナ駐車場)一方井小学校に向けて緊急物資やメッセージボードを搭載して飛行するドローンを見守る沼宮内小学校と川口小学校の児童達(森のアリーナ駐車場)

ドローンで配送された一方井小学校からのメッセージボードの入った箱をスタッフから受け取る沼宮内小学校の代表児童(森のアリーナ駐車場)ドローンで配送された一方井小学校からのメッセージボードの入った箱をスタッフから受け取る沼宮内小学校の代表児童(森のアリーナ駐車場)

  • 実証実験概要

1.背景と目的
岩手町は令和2年7月に国からSDGs未来都市に選定され、その推進の一環として「いわてまち地域エネルギーラボ」を実施。令和3年には「岩手町環境・エネルギー戦略構想」の大枠をまとめており、今後それを基盤として「岩手町環境・エネルギー戦略基本計画」の策定を進めて行き又、スマートシティの推進や脱炭素社会の構築、地域課題解決に向けた新たな取り組みを模索しており今回の実証実験へといたりました。
今回の実証実験では、一方井地区にて住民の理解度向上、地域課題の洗い出しを目的として仮設のドローンデポ®とドローンスタンド®を設置して実施いたします。
一方井地区の住民の多くは市街地まで車で買い物に行っており、高齢者率も岩手町全体では39.9%であるのに対し、50%近い地区もあり免許返納が地域課題として浮上しています。今後は買い物難民へ向けての買い物代行サービスの検討も進め、医薬品配送、フードデリバリーの配達代行、共同配送や貨客混載なども組み込み、地域コミュニティ活性化を目指し取り組みを進めてまいります。

2.実施内容
今回の実証では中山間地域での災害時を想定し物資支援及び一方井小学校の児童へのメッセージ配送を行いました。
エアロネクストが開発をした物流専用ドローンAirTruck*3によって森のアリーナから離陸し一方井小学校グラウンドで待つ児童へ届けられました。
ドローンが空から降りて来て商品が届けられた際は、生徒たちから大歓声があがりました。児童からは「ドローンを初めて見たが、思ったより大きくて迫力があった。一方井小学校までを往復してすごい」(川口小学校 4年生)などのコメントがあがりました。
 

実証実験に使用した日本発物流専用ドローン“AirTruck”実証実験に使用した日本発物流専用ドローン“AirTruck”

今回ドローン配送された緊急物資(チョコレート)・医薬品を想定した空箱・メッセージボード・記念バッジ今回ドローン配送された緊急物資(チョコレート)・医薬品を想定した空箱・メッセージボード・記念バッジ

岩手町の未来のために、今後も地域住民への理解促進及び地域課題の解決へ向けドローンをはじめとする次世代高度技術を活用しドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けた検討を進めてまいります。

※本実証実験は、一般社団法人環境普及機構により、令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金交付対象事業(社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業)として採択されています。

(資料)
*1 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指す。

*2  新スマート物流SkyHub®︎
エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。
ドローン配送が組み込まれた、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみで、ドローンデポ®︎を拠点に、SkyHub®アプリをベースにした配達代行、オンデマンド配送、医薬品配送、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送などのサービスを提供する。SkyHub®の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。

*3 物流専用ドローン AirTruck
次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*4により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。試作機は日本各地の実証実験で飛行し日本No.1の飛行実績をもつ。

*4 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

【岩手県岩手町とは】
岩手町は、岩手県のほぼ中央に位置し、日本で唯一の県・郡・町が3つ同じ町です。町内には東北新幹線いわて沼宮内駅があり、東京-いわて沼宮内間は約2時間30分で結ばれています。年間約135億円の農業粗生産額を誇る、県を代表する食料生産地です。1970年(昭和45年)の岩手国体でホッケー競技の会場となったことを契機にホッケーを町技として普及させ、オリンピック選手も輩出しています。また、「石神の丘美術館」を中心として文化振興の分野にも力を入れており、30年間開催されてきた「岩手町国際石彫シンポジウム」で製作された彫刻作品を「岩手町彫刻公園」や町内各所に設置しています。「わたしたちが創る 笑顔がいっぱい いわてまち」を町の将来像として掲げ、2020年には内閣府が選定する「SDGs未来都市」にも選定されました。
*岩手町詳細についてはhttps://www.town.iwate.iwate.jp/をご覧下さい。

【セイノーホールディングス株式会社とは】
セイノーホールディングスは、価値創造型総合物流商社を標榜し、お客様に「時空を超えた価値提供」を目指しています。お客様の繁栄を基軸に、日本全体の効率化を意識したプラットフォームを構築すべく、オープンニュートラルな関係で業界内外において手を取り合い、お客様により良い最適なサービスを提供する「オープン・パブリック・プラットホーム構築(O.P.P.)」を具現化させることをグループの全体戦略としています。ラストワンマイル領域においては、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、貧困家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルO.P.P.の構築を積極的に推進・拡大しています。
*会社概要はhttps://www.seino.co.jp/seino/shd/overall-condition/ をご覧下さい。

【株式会社エアロネクストとは】
IP経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジーは、重力、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITY®。この4D GRAVITY®を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITY®ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の実現のために戦略子会社を設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/company/ をご覧下さい。

【株式会社NEXT DELIVERYとは】
「人生100年時代の空と陸と時間を繋ぐ4D物流™インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る国へ」をビジョンに、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新スマート物流のしくみSkyHub®の実質的な企画運営、全国展開を推進しており、ドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、製造、販売、レンタル及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、地域物流の効率化、活性化に取り組んでいます。
*会社概要は https://nextdelivery.aeronext.co.jp/をご覧下さい。

*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴおよび、「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。 
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

 

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