NTT ArtTechnologyは文化芸術のデジタル化を通じた地方創生に、2020年12月の設立当初より取り組んでいます。2022年3月に大田区様が所蔵する川瀬巴水の作品10点を、協業パートナーである株式会社アルステクネ(代表取締役社長:久保田 巖)と共に、同社が保有する特許技術「三次元質感画像処理技術(DTIP)」を駆使し、超高精細デジタルリマスター化を行いました。
今回、川瀬巴水作品の高精細作品データを活用し、大田区立郷土博物館で開催される「特集展示」第1期(2023年1月7日~2月5日)「川瀬巴水 名作とDigital作品」への展示協力を行います。
これまで、傷みやすいなどの理由により、至近距離の鑑賞は難しく、また高解像度デジタル化においても素材や絵筆の微細な凹凸の質感まではなかなか再現することはできませんでした。高精細デジタルデータ(デジタルリマスターデータ)を活用した今回の展示では、作品に近寄って細部までじっくりとご鑑賞いただくことや、作品の絵筆のタッチや微細な凹凸、素材の微細な立体質感までの再現が可能となります。
本展示を通して、より多くの方々に川瀬巴水作品の魅力をお届けするとともに、大田区様の文化振興に貢献してまいります。
*川瀬巴水について
川瀬巴水(1883-1957年)は大田区内に長く居住し活躍した版画家です。生まれ故郷である東京をはじめ日本全国、さらには朝鮮半島にまで足を延ばし、描いた詩情豊かな作品は600点を超えるといわれています。本展示では以下の10作品を、デジタルリマスターデータを活用した展示形式にてご鑑賞いただきます。
川瀬巴水の作品は葛飾北斎、歌川廣重の作品よりも使用している色数が平均して多く、鮮明かつ複雑な色合いが特徴です。デジタルリマスターデータでは夕景のグラデーションや闇夜にたたずむ月明かりなどの繊細な表現をつぶさに再現しています。
① 「芝増上寺」『東京二十景』(大正14年作)
② 「千束池」『東京二十景』(昭和3年作)
③ 「矢口」『東京二十景』(昭和3年作)
④ 「馬込の月」『東京二十景』(昭和5年作)
⑤ 「池上本門寺」(昭和6年1月作)
⑥ 「山中湖の暁」(昭和6年8月写)
⑦ 「森ヶ﨑の夕陽」(昭和7年1月作)
⑧ 「京都清水寺」『日本風景集 第二輯 関西篇』(昭和8年11月作)
⑨ 「西伊豆木負」(昭和12年6月)
⑩ 「平泉金色堂」絶筆(昭和32年作)
*大田区立郷土博物館での特集展示について
展示タイトル:大田区立郷土博物館特集展示『川瀬巴水×高橋松亭 伝統と革新』
開催期間 :2023年1月7日(土)~2023年2月5日(日)(第1期「川瀬巴水 名作とDigital作品」「花のあ
る風景(前期)」)
2023年2月7日(土)~2023年3月5日(日)(第2期「川瀬巴水カレンダー展」「花のある風
景 (後期」)」)
会場 :大田区立郷土博物館常設展示室 馬込文士村コーナー
東京都大田区南馬込5-11-13
2. 展示協力内容(第1期)
Ⅰ巨大アートパネル(1作品)
高さ約1.6m、幅約1mまで拡大した「芝増上寺」の巨大アートパネルを展示します。表現の細部まで復原した
デジタルリマスターデータを活用することにより、大きく拡大しても原画の質感を損なうことなく再現してい
ます。
Ⅱマスターレプリカの展示(全10作品)
原画とみまごうほどの作品再現性を有するデジタルリマスターデータを出力した「マスターレプリカ」を展示
します。
Ⅲフローティングギガビューワーの展示(全10作品)
デジタルリマスターデータを活用し、自由に拡大して細部までご鑑賞いただけます。繊細な表現と技法、色彩
の妙や和紙の質感など、多彩に繰り広げられる川瀬巴水の世界をお愉しみください。
*Ⅰの巨大アートパネルとⅡのマスターレプリカの内2作品については、第2期展示でも延長して展示予定です。
3. 今後の展開
今回の取り組みを通じて得られる知見を活かし、文化芸術のデジタル化を通じた地方創生に関わるモデルの一つとして、大田区をはじめとした地域の郷土教育や文化振興につながるサービスを検討してまいります。
4. お問い合わせ先
詳細は弊社営業担当者にお問い合わせください。
また、下記サービスホームページのお問い合わせフォームにおいてもお問い合わせを受け付けております。
https://www.ntt-arttechnology.com/contact/