日立が国内で初めてVMware Sovereign Cloud Initiativeに参画

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 株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、日本国内で初めて、VMware, Inc.(以下、VMware)が推進するVMware Sovereign Cloud Initiativeに参画しました。

 Sovereign Cloud(ソブリンクラウド:データ主権クラウド)とは、単一の地域内で提供され、データ保護やその他のセキュリティ要件を満たす信頼性の高いクラウドサービスのことで、Gartner®は、「2022年:クラウド関連で注目したいトレンド」の一つにあげています*1。VMware Sovereign Cloud Initiativeは、プライバシー情報や機密性の高いデータを扱うお客さまに、各国地域のデータ保護やセキュリティに関する要件、法令、規格に適合したクラウドサービスを安心してご利用いただくための取り組みです。
 日立のマネージドクラウドサービス「エンタープライズクラウドサービスG2」が、データの保管場所やデータ主権、データアクセスやセキュリティなどさまざまな項目において、VMware Sovereign Cloud Initiativeが提唱するソブリンクラウドの構成を満たした*2ことで、日立の参画が決定しました。
*1 出典:Gartner プレスリリース、「Gartner、2022年に向けて日本企業が注目すべきクラウド・コンピューティングのトレンドを発表」、2021年11月18日 https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20211118
GARTNERは、Gartner Inc.または関連会社の米国およびその他の国における登録商標およびサービスマークであり、同社の許可に基づいて使用しています。All rights reserved.
*2 エンタープライズクラウドサービスG2とオプションメニューの組み合わせによりソブリンクラウドを実現。
 

■背景
 世界中でDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が加速する中、データの蓄積や利活用が国・企業の競争力や成長力の強化に不可欠な要素になっています。一方で、諸外国では、プライバシーの保護、自国内の産業保護などを目的として、国境を越えるデータ流通を規制するデータレジデンシーに関する法制度の制定・施行が進行しています。データレジデンシーとは、サービス提供に必要なデータはすべて当該国内に存在しなければならないという考え方で、代表的な法令としては、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)が挙げられます*3。
 こうした状況の中で、VMwareは、VMware Sovereign Cloud Initiativeを立ち上げ、各国地域のクラウドベンダーとともに、データ主権とデータレジデンシーを確保することを目的とするVMware Sovereign Cloud Initiativeを推進しています。VMware Sovereign Cloud Initiativeに参画している企業が提供するソブリンクラウドは、各国地域においてデータ活用による新たな価値創出とビジネス成長の追求を支援することができます。
*3 参考:「総務省 情報通信白書平成29年版」
  https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc123120.html

■VMware Sovereign Cloud Initiativeおよび日立の取り組み
 VMware Sovereign Cloud Initiativeでは、参画条件として、ソブリンクラウドの定義にあわせた設計と運用のベストプラクティスをフレームワーク(VMware Sovereign Cloud framework)として4種類に分類し、整理しています。日立は、「エンタープライズクラウドサービスG2」を中心に、そのフレームワークに沿ったソブリンクラウド提供に向けた取り組みを以下の通り、進めています。

            図:VMware Sovereign Cloud frameworkおよび日立の取り組み

(1)データ主権と管轄権の管理
 お客さまのデータは、日立が管理する日本国内のデータセンターに保管され、その運用は日立によって管理され        ています。
(2)データアクセスと整合性
 「VMware Cloud Verified*4」の認定パートナーとして、VMware Cloud Director®、VMware NSX® Data CenterなどVMwareの高度な仮想化テクノロジーを利用し、データアクセスを柔軟かつ効率的に制御・管理することで、お客さまの重要なデータを保護します。
(3)データセキュリティとコンプライアンス
 情報セキュリティに関する国際規格であるISMS(ISO/IEC27001)*5やISO/IEC27017*6の認証を取得しています。また、2021年6月には、日本国内の政府情報システムのためのセキュリティ制度ISMAPのクラウドサービスリストにも登録されており*7、第三者機関による定期的な監査により、高いセキュリティレベルを維持しています。
(4)データ独立性と可搬性
 日立はクラウドサービス間のデータ移行サービスや、アプリケーションをパッケージ化しデータの可搬性を高めるサービスを提供することで、最適なハイブリッドクラウド環境の構築を支援しています。
*4 VMware Cloudを活用したクラウドソリューションを提供するパートナー企業を認定する制度
*5 ISMS(ISO/IEC27001):情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格
*6 ISO/IEC27017:クラウドセキュリティに関する国際規格
*7 お知らせURL:https://www.hitachi.co.jp/cloud/news/2021/info_2107.html?pr0623

■今後について
 日立は、VMware Sovereign Cloud Initiativeに参画したことで、今後も、VMwareとともにデータ主権などの課題への対応に向け、継続的にエンタープライズクラウドサービスG2を中心に信頼性・セキュリティを向上するサービス強化を図っていきます。さらに、お客さまのDX推進における多種多様なニーズにも対応するため、パートナークラウドやプライベートクラウドなど適材適所に活用する「クラウドジャーニーを支援する日立のサービス」*8により、高信頼なクラウド環境の構築・運用を支援していきます。
*8 サービス紹介URL:https://www.hitachi.co.jp/cloud/professionalservice/index.html?pr0623

■関連リンク
エンタープライズクラウドサービスG2
https://www.hitachi.co.jp/cloud/chiebukuro/sovereign/encg2/index.html?pr0623
VMware Sovereign Cloud
https://www.vmware.com/jp/cloud-solutions/sovereign-cloud.html

■商標
・VMwareは、VMware, Inc. またはその子会社の米国およびその他の地域における商標または登録商標です。

■日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。
詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/ )をご覧ください。

■本件に関するお問い合わせ
株式会社日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部 マネージドサービス事業部
お問い合わせフォーム:http://www.hitachi.co.jp/it-pf/inq/NR/
                                                 以上

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