withコロナ時代となり、おうち時間でのケアも変化が見られるなか、ヘアカラー事情はどうなったか。ユーザーアンケートから紐解きます。
- 1、1年以内にセルフカラーした人は約4割。その理由とは?
「今、髪のカラーリングをしていますか?」という質問をしたところ、全体の約7割が「している」という回答に。
世代別で見てみると、年代が上がるにつれその傾向が強くなり、40代以上では9割の人がカラーリングをしていることが分かりました。白髪などの年齢的な髪悩みも、ヘアカラーをするニーズが高まる一因かもしれません。
また「直近1年でセルフカラーをしたことがありますか?」という質問に対しては、全体の約4割が「セルフカラーをした」という結果に。こちらも年代が上がるにつれて多くなる傾向になり、40代以上では約7割近くが「セルフカラーをした」と回答しました。
「直近1年でセルフカラーをした」と回答した方に、「セルフカラーをした理由」を質問すると、以下のような結果に。
1位(34%)・・・普段からセルフカラー派
2位(23%)・・・その他
3位(17%)・・・普段はヘアサロン派だが、予約が取れず急遽セルフカラーをした
同率4位(13%)・・・
①普段はヘアサロン派だが、気になるアイテム・カラーがあったので試してみた
②部分的にカラーリングしたかったから
2位「その他」の回答としては「コスパがいい」という費用面でセルフカラーをしたという回答が多く見られました。
また4位の「気になるアイテム・カラーがあったので試してみた」という回答した方は、「クチコミがよかったから気になった」という回答もあり、セルフカラーのきっかけがクチコミ起因であったことが分かります。
- 2、髪をきれいに見せたい。”透明感”が今後のヘアカラーのキーワード!?
カラーリングをする理由を聞いたところ、「おしゃれのため」「雰囲気を変えたい」「あか抜けたい」など見た目の変化を求める声が多く見られました。
特に「髪をキレイに見せたい」という回答は、20代以降の年代に多く、「あか抜けたい」という回答は10代に多く見られました。
また、今の髪色と、これからどんなカラーに挑戦したいかを調査。現状は、ブラウン(35%)、次いでブラック(25%)が多いという結果になりました。
ブラック・ブラウンというナチュラルな髪色でいる人のなかには、元々染めていない・染めたくない層と
・秋冬だから落ち着いたカラーにしたい
・一見ブラックだがパープルなどを入れて透明感を出している
などの意見も。定番カラーとも言える、ブラウンやブラックにも季節要因やカラーを工夫してニュアンスを変えていることが読み取れます。
一方「これからしたいカラー」としては、以下のような結果に。
1位(25%)・・・アッシュ系
2位(18%)・・・ブラウン系
3位(15%)・・・ベージュ系
アッシュ系は
・透け感があるカラーであか抜けたいから
・ブラウンに飽きてきたから
・日本人特有の黄味を消したいから
・オシャレに見えるから
・秋冬という季節的に洋服にも合う
ベージュ系では、
・雰囲気をガラリと変えたいから
・韓国アイドルみたいな髪色にしたいから
・色素薄い感じで可愛くなりたいから
・透明感と軽さを出したい
と、人気の高いアッシュ系やベージュ系カラーに共通しているキーワードとして、【透明感】が挙げられます。
近年、ベースメイクやカラーメイクでも【透明感】は注目され続けていますが、ヘアも含めてトータルで「透明感のある」「色素薄い系な」「儚い」印象を叶えたいというユーザーの願望があることが分かりました。
- 3、「色の豊富さ」ではなく「なりたい髪色がある」かがカギに
「セルフカラーアイテムを購入する時にもっとも重視していること」を質問したところ、「ダメージが少ないこと」(26%)に続き、「なりたい髪色があること」(17%)が2位に。
3位に「カラーが豊富であること」(12%)が入っていますが、「カラーが豊富であること」より、「なりたい髪色があること」が上回る結果に。
セルフカラーを選ぶポイントになる「なりたい髪色」の訴求ですが、先述した「挑戦したい髪色」の回答から想定すると、サロンで染めるイメージのあるアッシュ系やベージュ系のニュアンスカラーが、これからも引き続きセルフカラーアイテムで求められることが分かります。
- 4、セルフカラーのウィークポイントと訴求課題は髪ダメージと染めムラ
最後に「セルフカラーアイテムでもっとも気になる点」を調査したところ、44%の人が「髪が傷みやすいこと」という回答に。前述の購入時に重視していることでも「ダメージが少ないこと」だったことからも、【セルフカラーはダメージが大きい】という固定概念は根強く残っていると言えそうです。
また、36%の人が「染めムラができること」をあげており、セルフカラーではサロンのように均一に染めることが難しく、以前したカラーリングの影響や髪の部位によって、カラーにムラがでてしまうことが悩みのようです。
カラーだけでなく、髪の質感もその人の印象を大きく左右するため、「セルフカラーはダメージが大きい」「染めムラができる」というイメージを払拭する訴求が急務ではないかと考えます。
「ダメージが大きい」というイメージの一方で、セルフカラー剤に同封されているトリートメントについてもユーザーは熱心にチェックしている様子です。
「ヘアトリートメントを単体で売って欲しい」という声が上がったアイテムもあるほどだったことからも、セルフカラー後専用トリートメントや専用オイルなど、「ヘアカラー剤」+「カラー後専用ケアアイテム」のライン販売もニーズが期待できるのではないでしょうか。
- 5、まとめ
1年以内にセルフカラーをした人が4割がおり、カラーのラインアップの豊富さよりも「なりたい髪色」があることが大事という結果からも、メイクアイテム以上にトレンドカラー(のカラー剤)があることが商品を選び決め手となることが分かります。
メイクアップでは、暖色と寒色を混ぜ合わせたようなニュアンスカラーが人気なことからも、髪色にも引き続き”ニュアンスカラー”に注目が集まるようのではないかと推測。
あわせてトレンドの指標になりやすい韓国アイドルの傾向をみると、「まるですっぴん」のようなメイクアップが人気なことから、すっぴんメイクに似合う黒髪、ただしニュアンスがあり透明感を感じさせるカラーは、注目となり得るかもしれません。今の髪色を大きく変化させるのではなく、スタイリング感覚で透明感をプラスする、“ヘアマニキュアのような”ヘアカラー剤という展開も面白いかもしれません。
また今回のアンケート結果から、いまだ「セルフカラーは髪が痛む、染めムラができる」というネガティブなイメージが根深く残っていることが分かりました。
まずはそのマイナスイメージの打破が急務。セルフカラーの品質向上を切り口にした訴求のほかに、先述のようにセルフカラー専用のトリートメントなどの専用アイテムとラインで使うような商品展開も広がる可能性があるのではないでしょうか。
取材協力/髙丘美沙紀
※こちらの内容は、『LIPS labo』のnoteからもご覧いただけます。
https://note.com/lips_labo/n/ncc8db155be38
(過去の調査についても、ぜひ合わせてご覧ください)
- 調査結果詳細
調査方法:アンケート調査
調査期間:2022年10月26日(水)〜11月2日(火)
調査対象:LIPSユーザーである10代〜40代の男女
対象者数:3,039名
- 引用時のお願い
本調査分析を転載ご利用いただく場合は、出典元として下記のような記載お願いいたします。
例:「『LIPS』による調査」「『LIPS』調べ」など
- LIPSについて
2017年1月にサービスをローンチし、2021年には「コスメ・メイクのクチコミ検索アプリダウンロード数No.1」(出典:App Annie 日本国内 iOS & Android、合計:2021年1月〜12月)を記録。2022年5月には累計900万ダウンロードを突破しました。また2022年10月には「なりたい自分を、もっと自由に」のコンセプトを体現するロゴへリデザイン。性別・世代を問わず、メイクや美容を通じて個々人の「幸せ」や「なりたい姿」を自由に追求できるプラットフォームを目指します。メイクやスキンケアに関する商品レビューやユーザー間コミュニケーション、人気ランキング、新商品情報やプレゼント企画など様々な機能やコンテンツを無料で提供しております。
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