Opensignal、日本のモバイル・ネットワーク・エクスペリエンスを発表

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Opensignal(本社:英国)は、日本のオペレーターを分析し、比較した、モバイル・ネットワーク・エクスペリエンス(2022年10月)を発表しました。
 

○    主な分析結果

日本最速のダウンロード・スピード・エクスペリエンスはNTTドコモ
NTTドコモが5Gダウンロード・スピード・アワードと総合ダウンロード・スピード・エクスペリエンス・アワードの両方を受賞しました。5Gダウンロード・スピード・スコアは211.6Mbpsで、Opensignalユーザーの平均スピードが200Mbpsを超えたのはNTTドコモのみでした。

楽天が5Gアップロード・スピード・アワードと総合アップロード・スピード・エクスペリエンス・アワードを維持
前回の日本レポートでは、楽天がアップロード・スピード・エクスペリエンス・アワードの両方を受賞しました。
総合エクスペリエンスでは、楽天のスコア16.9Mbpsは、競合他社に接続しているユーザーのアップロード・スピードの2倍近いものでした。5Gアップロード・スピードでは、楽天が27.9Mbpsで2位のSoftBankの20.2Mbpsを上回り、相対的僅差での勝利となりました。

SoftBankとNTTドコモがコンシステント・クオリティ・アワードを共同受賞
ドコモがエクセレント・コンシステント・クオリティ(一貫した素晴らしい品質)アワードを受賞し、これまで共同受賞していたSoftBankを0.4ポイントリードして勝利しました。

最高のマルチプレイヤー・モバイル・ゲーム・エクスペリエンスを享受したのはSoftBankのユーザー
5Gゲーム・エクスペリエンス・アワードと総合ゲーム・エクスペリエンス・アワードの両方を受賞したことで、SoftBankのユーザーは日本一のゲーム・エクスペリエンスを体感しました。
SoftBankのスコアは84.9と79.9で、いずれも「良い (75~85点)」との評価でした。

ビデオ・エクスペリエンスではNTTドコモがSoftBankに並ぶ
SoftBankが完全勝利した前回のレポートから変化し、NTTドコモが差を縮め、両社は62.3〜63.2ポイントの範囲で統計的同点となました。
しかし、5Gビデオ・エクスペリエンス・アワードでは78.6でNTTドコモの75.6を上回り、SoftBankが勝利を維持しました。

4社すべてが受賞し、熾烈な競争を示唆
auは、前回のレポートで受賞を逃した⾳声アプリ・エクスペリエンスと5G利⽤率の共同受賞を2つ新たに獲得しました。しかし、NTTドコモとSoftBankがそれぞれ単独受賞の4賞を獲得し、楽天の単独受賞2つを抑えて最多受賞を記録しています。
NTTドコモの3つの共同受賞、楽天の2つの共同受賞に対して、SoftBankは5つの賞を受賞しているため、合計ではSoftBankが最多の受賞数です。

○    地域別モバイル・ネットワーク・エクスペリエンス

スピード・アワードは、ダウンロード・スピード・エクスペリエンスがNTTドコモ、アップロード・スピード・エクスペリエンスが楽天とオペレーター1社が独占しています。ただし、ビデオ・ストリーミング、マルチプレイヤー・ゲーム、音声アプリ・エクスペリエンス・アワードは、全オペレーターが受賞しています。

NTTドコモは8地域のユーザー平均ダウンロード速度ダウンロード・スピードで完全勝利し、中国地方ではauとSoftBankとの共同受賞となりました。同様に、楽天は6地域でアップロード・スピード・エクスペリエンス・アワードを単独受賞し、中国地方と東北地方ではSoftBankとの共同受賞となりました。

ゲーム・エクスペリエンスでは、国内での受賞と並行してSoftBankは中部地方と近畿地方で単独受賞し、他の地域では地域アワードを共同受賞しました。この部門においては楽天も強く、6地域で共同受賞しました。

日本全国でビデオ・エクスペリエンスにおける熾烈な競争が繰り広げられています。今回全国ではNTTドコモとSoftBankが共同受賞しましたが、地方ではSoftBankのみが近畿地方で単独勝利を果たしました。

しかしそれ以外の地域では、NTTドコモがSoftBankと地域アワードを共同受賞しています。

利⽤率における地域別受賞数が最も多かったのはNTTドコモでした。

NTTドコモはすべての地域で単独勝利、もしくは共同勝利となりました。関東では単独優勝です。

近畿・九州・東北地方ではSoftBankとの共同受賞でした。

SoftBankは北海道と関東を除く全地域で利用率を共同受賞しました。auは4地域で共同受賞していますが、新規参入オペレーターである楽天が共同受賞したのはわずか2地域 (北海道と四国) でした。

○    Opensignal 分析担当バイスプレジデント、イアン・フォッグ(Ian Fogg)によるコメント

Opensignalのグローバル5Gエクスペリエンス比較では、日本が再び高い評価となりました。
Opensignal 5Gグローバル・モバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・アワード2022で日本のオペレーターは5Gゲーム・エクスペリエンスの5Gグローバル・リーダー・アワードおよび5Gグローバル・ライジング・スター・アワード10社に入賞しました。

総務省は、日本の5Gエクスペリエンスの向上を目指しています。その目標は2024年3月末までに5Gの人口カバー率98%を達成することです。さらに重要なのは、データ消費量の増加に伴い、日本は5Gサービスに利用できる周波数帯増を目標に掲げていることです。その最初の計画ステップとして、2022年に2.3GHz帯の周波数を新たに割り当てて、2025年に他の互換性のある帯域に3倍の割り当てを行う予定です。

5Gに関する国際協力も活発です。日本の団体は5Gに関してEUおよび米国との連携を強化し、インドとも連携についての意見を交換しています。またスマートフォン向け衛星通信への関心が高まっています。これは来たるべき5Gの標準規格であるRelease 17の一部であるため、情報通信研究機構 (NICT) と欧州宇宙機関 (ESA) は日本-欧州間の直接接続を提供しようと、衛星接続の別の使用法を検証してきたのです。

オペレーターは、5Gのカバレッジ目標に向けて、5Gの利用可能範囲を拡大し続けています。
KDDI のauは2024年3月までに5G人口カバー率95%達成を目標にしています。NTTドコモもauと同じく2024年3月の人口カバー率90%超を目標に対応を続けていますが、瞬速5Gネットワークはすでに50%を超えているとのことです。4月にSoftBankはその5Gサービスが人口比90%に達したと発表しました。新規参入オペレーターである楽天は自社で4Gインフラの整備を進め、auへのローミング依存度を下げつつ5Gサービスの構築も同時に進めています。楽天は2023年12月までに4G基地局数を60,000局以上の拡大を目標に掲げると同時に、2月時点で4,000局だった5G基地局数を2022年8月には12,000局まで拡大しました。

日本におけるモバイル・ネットワーク・エクスペリエンスに関するこの最新レポートでは、オペレーターの立場に変化が見られました。NTTドコモが台頭しました。前回のレポートでは受賞のなかったauが、共同受賞で2つの賞を獲得しました。しかしアップロード・スピード・アワードではいずれも楽天がキープし、受賞数最多は今回もSoftBankでした。全体としてこれらの結果はモバイル・エクスペリエンスを正確に測定するためにさまざまな方法を複数検討することが重要である日本市場の競争の激しさを示しています。

注:内容は、英語版の翻訳です。日本語との内容に不整合がある場合、英語版が優先されます。

関連資料:
日本の交通拠点における5Gの体感:山手線と国際空港
https://www.opensignal.com/2022/10/20/ri-ben-nojiao-tong-ju-dian-niokeru5gnoti-gan-shan-shou-xian-toguo-ji-kong-gang
 
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