女性ホルモンと深く関係している基礎体温は、生理周期や排卵のタイミングなどを把握する手段としても有効で、女性にとって重要な健康バロメーターのひとつです。今年の“国際生理の日”は、生理だけでなく基礎体温も正しく知ってほしいという想いから、女性たちが基礎体温についてどこまで知っていて、どのように活用しているのかなどを探りました。
調査では、基礎体温についての認知度・理解度をはじめ、計測にまつわる困りごとや、役立ったシーン、計測経験のある人にしかわからない様々な“基礎体温あるある”が集まりました。
基礎体温とは妊活目的で測るもの、というイメージが強いかもしれませんが、本意識調査をきっかけに一人でも多くの人が基礎体温を正しく理解し、それによって自身の健康管理に役立てられることを願っています。
Q. あなたは「基礎体温」を知っていますか。
まずは、基礎体温自体の認知度をみました。基礎体温とは、生命維持に必要な最小限のエネルギーしか消費していない安静状態にあるときの体温です。つまり寝ている間の体温のことですが、睡眠中に自分で測ることはできないため、朝目覚めて活動する前に測るのが一般的です。
このような基礎体温について知っているかを聞くと「知っている」66.5%、「なんとなく知っている」25.3%と、合計すると9割以上の認知率になりました。
Q. 基礎体温のイメージについて教えてください。(複数回答:上位5つ)
また、基礎体温を知っていると回答した人へ、基礎体温のイメージを問うと、「妊娠希望の人が活用している」72.8%が最も多い回答となり、やはり妊活のイメージが強いようです。
■ 基礎体温を測ったことがない人ほど「月経がきている=排卵している」と誤認?!
Q. 月経がきている状態であれば、排卵していると考えていますか。
次に、女性のカラダに関する基礎知識として月経と排卵の関係性について質問してみました。
実は、排卵していないのに月経のような出血がある「無排卵月経」もあるため、月経がきているから排卵も問題ないと安心できるとは限りません。また、無排卵の状態を放置していると将来不妊の原因になることもあります。
意識調査の結果を見てみると、基礎体温の計測経験によって回答の傾向は異なり、基礎体温を測ったことがある人は、月経がきている状態であれば排卵していると考えている人は50.3%だったのに対して、基礎体温を測ったことがない人は70.6%となりました。
正常に排卵している健康な女性の場合、基礎体温は排卵の前後で低温期と高温期の二相に分かれ、それが一定のサイクルで繰り返されます。排卵をしていればその前後で体温が上昇し、次の月経まで高温期が続くため、基礎体温を測ることは排卵されているかを判断する目安ともなります。月経と排卵の関係を正しく認識している割合が、基礎体温を計測したことのある人の方が高いのは、そのようなカラダのリズムについて、実際に基礎体温を測ることで理解を深めているからなのかもしれませんね。自身のカラダについてより正しく理解し、どのような状態かを把握する第一歩として、生理日管理だけでなく、基礎体温計測も始めてみると良いのではないでしょうか。
■ 基礎体温計測経験者は6割以上。そのうち約4割の人が1年以上計測していると回答。
Q. 実際に専用の体温計を利用して、基礎体温を測ったことがありますか。
では、実際に基礎体温を測ったことがある人はどの程度いるのかを聞いてみると、計測経験のある人は63.7%となりました。
計測継続期間は様々で、「1年以上3年未満」21.6%が最も多く、「3年以上」の回答も16.8%に上りました。合計すると4割弱が1年以上計測を続けていることが分かります。一方で、「1カ月未満」9.0%と、短期間で計測をやめる人が一定数いることが分かります。
■ 舌下or脇下?基礎体温を測ったことがない人はどこまで知っている?正しい計測方法とは。
Q. 基礎体温を専用の体温計で測る際、どこの場所で測るのが正しいと思いますか。 Q. 基礎体温の測るタイミングや測り方として、適切だと思うものを選んでください。
続いて、基礎体温を測ったことがないと回答した人を対象に、基礎体温の計測方法をどのように理解しているか聞いてみました。専用の体温計で、起床直後に寝たままの姿勢で舌下にて計測することが推奨されている基礎体温ですが、「起床時に、そのまま横になって計測」と正しく回答できた人は計測経験者では97.6%だったのに対し、未経験の人の場合は76.4%まで下がりました。また、測る場所としては、正しい選択肢である「舌下」を選んだのは経験者においては93.8%でしたが、未経験者は47.9%と、45ポイント近く差が開く結果となりました。計測したことがない人は、測る場所として「脇下」と回答した割合が30.1%となりましたが、通常の体温計測は脇下で測ることが多いためその違いがわかりにくいのかもしれません。脇下は発汗の影響などにより測定が安定しないことがあるため、基礎体温を測る場合は舌下のなるべく同じ位置で測ることが大切です。
■ 基礎体温計測は難しい?「測り忘れ」「面倒」などの理由で経験者の6割が途中で断念…。
Q. 基礎体温を計測するにあたり、困った・難しいと感じたことはありますか。
ここからは、基礎体温計測の経験者を対象に、計測にあたり困った・難しいと感じたことがあるかをたずねると、「ある」62.3%となり、具体的な困りごとの1位は「測るタイミング」73.9%でした。基礎体温は、起床後身体を起こす前に計測することが推奨されているため、忙しい朝というタイミングが計測の壁になっているのかもしれません。
Q. 基礎体温を継続して計測することを断念してしまったという経験はありますか。
また、基礎体温計測の経験者のうち、継続的な計測を断念してしまった経験がある人は61.4%にのぼり、その理由としては「測り忘れが続いたから」53.8%が最も多く、次に「毎朝、同じ時間に測るのが面倒だったから」47.5%が続きました。さらに、「基礎体温が二相にわかれないから」12.4%の声も少なくありません。正常な基礎体温※1は、個人差もありますが、月経初日から排卵までの約2週間が低温期となり、排卵が起こると低温期より0.3~0.5℃基礎体温が上昇する高温期に入ります。毎朝計測の時間がずれてしまったり、計測前までに活動してしまったりなどの理由で低温期と高温期がきれいに二相にわかれないこともあり、それが計測の断念につながっているケースもあるのかもしれません。
計測を断念した経験はそのほかにも自由回答で様々寄せられたため、一部を紹介します。
≪基礎体温計測を断念した経緯や理由≫
★朝、忘れることが多い。動いてから測ってはダメみたいなイメージで三日坊主。
★学生時代生理痛が重く基礎体温を測るよう言われたが毎朝測れず結局病院にも通わず過ごしてしまった。
★妊娠したことで測ることをやめたというのもあるが、 妊活中、体温が上がった下がったで期待したり落ち込んだり一喜一憂してしまい、測ることがストレスになってしまった。
★仕事がシフト制で就寝時間や起床時間にばらつきがあるため定時の計測が困難。
★枕元に用意していてもなかなか習慣がつかず、毎朝忘れて起き上がってしまう日が続いたり、計測してもくっきり分かりやすくグラフに表れなかったから。
★ちゃんとした測り方や測る時間帯などが理解できず、二相に分かれなかったので、測り方があっているのか分からなくなりやってて意味あるのかな?と投げやりになってしまった。起床時に測るのも起きてすぐなのか?それとも何分後かに測っても大丈夫なのか?など細いことを分からないので不安になって辞めた。
自由回答からも、毎朝同じ時間に測ることや二相に分かれないことがストレスになってしまっていることが分かります。計測を続けるには、あまり神経質になりすぎないことも大切なのかもしれません。普段と起床時間や体調が違う日があれば、それを基礎体温の数字とともにメモしておくと振り返りに役立ちますし、オムロンヘルスケアの婦人用電子体温計は平均10秒で測れ、『ルナルナ 体温ノート』のアプリに自動転送してくるので、このように時間や手間を削減できるデジタルツールの活用なども計測時の負担を軽減してくれるためおすすめです。
■ 計測経験者の約8割から「測って良かった」の声!意外にも妊活ではない理由が1位に!?
Q. 基礎体温の計測したことでよかったと思うことはありますか。
このように計測を断念してしまう人も少なくない基礎体温計ですが、計測したことでよかったと思うことはあるかと聞くと、「ある」79.2%と、約8割の人が基礎体温計測にポジティブな面を感じている結果になりました。
Q. 良かったと思うことを教えてください。(複数回答)
良かったと思う理由の1位は「生理日や生理周期をより精度高く知ることができるようになった」67.6%で、2位は「体調の変化が起こるタイミングがよりわかりやすくなった」47.9%でした。
前述にもあるように、基礎体温のイメージとして7割以上の人が「妊娠希望の人が活用している」と回答していましたが、基礎体温計測のメリットとしては、意外にも妊活ではなく普段の体調管理に役立つという意見が上位にあがりました。これらは基礎体温を計測したことのある人にしかわからない、自分にどのような気づきがあったかというリアルな実感が込められているように思います。
■ 経験者が語る、基礎体温計測を継続する秘訣とは…!
Q. 継続して計測できている理由について教えてください。(自由回答)
最後に、基礎体温計測を断念したことがないと回答した人へ継続できている理由を聞いてみました。自由回答では、基礎体温が自分にとって生活習慣の一部になっていたり、妊娠へのモチベーションになっていたり、数字を確認するのが楽しかったりと、継続できる理由が様々寄せられたので、その一部を紹介します。
≪基礎体温を測り続けられる理由≫
★習慣化してつけてない日が気持ち悪いと感じるようになった。
★ある程度の時間のずれはしょうがないので、完璧にやろうとしなければできる。また、妊娠希望の時とは違い、生理日把握のために最近はなっているので、体温の降下のみ注意していたのでそれほどシビアに利用していなかったから。
★自分の性格を考えて、ルール化したから。産婦人科医から「2、3日測れなくても継続した結果のほうが大事」とお話があってそこまでプレッシャーに感じなくなったから。
★毎朝、旦那が基礎体温計を渡してくれる。
★オムロンを使用しており、アプリとそのまま連動できるため、記録がとても楽です。
★習慣化できた。グラフで可視化できるのが面白い。
★妊娠へのモチベーション。生理がいつくるか分かるので便利。
★自分の病気やホルモンバランス、不妊症なので自分の体を知るために また、病院で提出する事があるから。
★婦人科の診療だけでは分からない体の変化や不調のサインを見逃したくないから。体温計にアラーム機能が付いているから。
≪対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座 院長 対馬ルリ子先生からのコメント≫
基礎体温の計測経験がある人ほど月経と排卵の関係を正しく認識しているという結果は興味深く、やはり女性のカラダについて深く理解するためにも基礎体温は重要ということを改めて感じました。
また、基礎体温を計測したことのある人の実に8割がメリットを感じているという声は、これまで計測をためらっていた女性にとっても励みになるでしょう。
毎朝決まった時間に測るということにハードルを感じている人もいるかもしれませんが、基礎体温を継続的に記録することで、生理周期のパターンや排卵の有無など、女性ホルモンの動きがわかってきますので、多少条件が異なってしまう日があったとしても気にしすぎず、無理のない範囲で続けて欲しいと思います。計測方法やグラフの見方などが不安な場合は、ぜひ婦人科に相談してみて下さい。
今回の意識調査から、改めて基礎体温が女性のカラダを知るための重要なアプローチであることが分かりました。生理日管理に加えて、健康に関する大切な情報が詰まっている基礎体温の計測も実施し、体調管理に役立てて欲しいと思います。そこから、生理によるカラダやココロの揺らぎとうまく付き合うヒントが見つかるかもしれません。
毎朝の継続的な計測には苦労する人も多いようですが、計測にメリットを感じている人が大多数だったことからも、自由回答で寄せられた計測を続けられるコツを参考に、一人でも多くの人が自分なりの基礎体温との向き合い方が見つけられると嬉しく思います。
今回の“国際生理の日”では、『ルナルナ』内にて、基礎体温に関する情報をまとめたコラムページ(https://pc.lnln.jp/article/mtihp-0004330.html)を公開中です。基礎体温についての知識や正しい計測方法なども確認できるため、基礎体温について考えるきっかけとして、ぜひサイトを訪れてみてください。
調査実施時期:2022年8月5日(金)~2022年8月9日(火)
調査方法および人数:『ルナルナ』、『ルナルナ ベビー』にて調査 有効回答数:3,317名の女性
※1:厚生労働省 女性の健康推進室 ヘルスケアラボhttps://w-health.jp/fetation/temperature/ より
※参考:オムロン式美人 https://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/
サイト名:ルナルナ®
概要:ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートする健康情報サービス
<無料コース>生理日予測を始めとする、女性のカラダとココロの健康管理サービス。過去の生理日から生理日・排卵日を予測し、日々の体調変化をお知らせします。
<ベーシックコース>デリケートな女性のカラダとココロの健康情報サービス。生理日管理に加えて、あなたにあったカラダやお肌、ココロの状態を365日サポートします。
<ファミリーコース/プレミアムコース>妊活から妊娠・出産までを独自の予測ロジックやアドバイスでサポートするサービス。妊娠しやすいタイミングを「仲良し日」としてお知らせし、妊活を手厚くサポートします。
課金額(税込):ベーシックコース:月額198円、ファミリーコース:月額330円、プレミアムコース:月額 400円
アクセス方法:『ルナルナ』で検索
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