調査結果のポイント
・iPhone 12からiPhone 14の日本の値上げ率はアジアワースト1位。世界では3位
・アメリカのiPhone価格は過去3年間変化なし
・トルコの異常な値上げ率はトルコにおけるビジネス上のリスクの高まりの現れ
本調査ではiPhone 12/13/14シリーズの3世代共通で存在するモデルを調査対象とし、各モデルの最小ストレージ同士を比較する方法で価格の推移を調査しました。必ずしも同一ストレージ容量同士を比較しているわけではない点をご留意ください。
調査対象モデル
(グループ1) iPhone 12 (64GB)、iPhone 13 (128GB)、iPhone 14 (128GB)
(グループ2) iPhone 12 Pro (128GB)、iPhone 13 Pro (128GB)、iPhone 14 Pro (128GB)
(グループ3) iPhone 12 Pro Max (128GB)、iPhone 13 Pro Max (128GB)、iPhone 14 Pro Max (128GB)
調査の結果、世界37か国中最も値上げ率が高かったのはトルコで、158.8%~181.8%もの値上げ率になることがわかりました。iPhone 12シリーズからiPhone 14シリーズのトルコの値上げ額を日本円で換算すると、約8~10万円の値上がりとなります。
2番目に値上げ率が高かったのはハンガリーで、28.6%~31.3%の値上げとなることがわかりました。日本円に換算すると約3~4万円の値上がりとなります。
続いて3番目に値上げ率が高かったのは日本で、値上げ率は26.9%~27.5%という結果になりました。この値上げ率はアジアで最も高い値上げ率で、値上げ額で見ていくとiPhone 12→iPhone 14で+25,420円。iPhone 12 Pro→iPhone 14 Proで+32,320円。iPhone 12 Pro Max→iPhone 14 Pro Maxで+35,220円の値上げとなりました。
iPhone 12シリーズとiPhone14シリーズの間で価格の上昇が見られる国は37か国中29か国に及び、多くの国でiPhoneの値上げが行われていることが確認できました。
また、過去3年で価格が上昇した多くの国において、iPhone 12シリーズからiPhone 13シリーズでは小幅の値上げ、もしくは価格の変動がなかったのに対し、iPhone 13シリーズからiPhone 14シリーズでは大幅な値上げが行われていることが特徴的です。
逆に、3年間を通して価格に全く変化がなかったのはアメリカとシンガポールの2か国のみで、iPhone価格がアップル本社のあるアメリカを基準に決められていることを改めて実感する結果となりました。
各国の価格推移と値上げ率は以下の表をご覧ください。なお、価格はすべて現地通貨価格です。
iPhone 12、iPhone 13、iPhone 14の価格推移
iPhone 12 Pro、iPhone 13 Pro、iPhone 14 Proの価格推移
iPhone 12 Pro Max、iPhone 13 Pro Max、iPhone 14 Pro Maxの価格推移
- 日本のiPhoneは安い?高い?
世界で相対的に見ると1位・2位の安さを争う日本のiPhoneですが、値上げ率で見るとアジアワースト1の値上げ率であり、世界では3番目に高い値上げ率となっています。そして現在、世界的なドル高によって多くの国のiPhone価格が上昇しています。これは、全体が値上がりしたことで日本のiPhone価格の高さが目立ちにくい状況と言えます。実際、基準となるアメリカの価格が過去3年間変化がなかったのに対し、日本では25,420円~35,220円もの値上がりをしています。このように基準国のアメリカと日本の価格の変化を比較すると「日本のiPhoneは高い」という事実が見えてきます。
- トルコの異常な値上げの原因
トルコは以前からiPhoneが高いことで知られており、毎年ブラジルと「iPhoneが最も高い国」の地位を争う国です。長年続く通貨安と各種税負担が大きいことが価格の高さの主な要因となっています。最新のiPhone 14シリーズでの大幅な値上げについてはアップル社がトルコをビジネス上のリスクが高い国として警戒を強めており、リスクを見越した価格設定を行ったことがトルコのiPhone価格が大幅に引き上げられた原因であるとみています。トルコは現在、20年ぶりにインフレ率が80%を超え、深刻な経済危機に直面しています。
- 調査概要
・調査機関:自社調べ
・調査対象:アップル社がオンラインで直販を行っているすべての国 。計37か国。
・調査方法:各国アップルウェブサイトで取得した価格を元に価格推移を調査。
- 本プレスリリース内容の引用・転載について
本プレスリリースの内容を引用する場合は、https://www.nukeni.com/ja が出典であることを明示してください。出典を表示していただければ報道の目的に限り、本プレスリリース内容やデータ、画像の利用方法は自由です。
- Nukeniについて
2019年から人気ガジェット製品の世界の価格比較をウェブサイト上で公開し、世界中の著名なメディアのニュースソースとしてご活用いただいています。ウェブサイトは世界39の通貨で価格比較が可能で、日本語、英語、ドイツ語表示に対応しています。
URL:https://www.nukeni.com/ja
代表:齊藤順平
- お問い合わせ先