福岡県田川市でコミュニティ通貨「まちのコイン(コール)」10月14日から導入開始

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株式会社カヤック(本社:神奈川県鎌倉市、代表取締役 CEO:柳澤⼤輔)が提供するコミュニティ通貨(電⼦地域通貨)サービス「まちのコイン」が、福岡県田川市に2022年10月14日(金)より導入されることをお知らせします。日本有数の「炭都」として栄えた田川市は現在、人口減少や少子高齢化、新型コロナウイルス感染症の長期化などにより、地域活動の減少や地域のつながりの希薄化といった、地域社会の持続可能性への懸念が高まっています。そこで、地域と人、人と人をつなげる「まちのコイン」の循環を通じて、地域内のコミュニケーションや活動を活性化するとともに、誰もが住みやすいまちに向けて、定住者も、移住者も、一人ひとりが自己実現できるコミュニティの形成を目指します。

 

  • 目的

1 地域コミュニティの活性化
明治から昭和にかけて、炭坑で働くべく全国から多くの人が集まり賑わった田川市のコミュニティは、特に横のつながりが強く「情」に熱い特徴がありました。「川筋気質(かわすじかたぎ)」とも呼ばれるこの気質は、後の世代にも受け継がれ、これまで地域の相互扶助や家族同士の助け合いなど様々な場面で支え合いが機能してきました。しかし、人口減少、少子高齢化の急激な進行や、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、祭りやイベント、地域活動などの開催や交流機会が減少し、コミュニティの希薄化が懸念されています。さらに、市外の人が帰省・観光に訪れる機会も減り、交流・関係人口も落ち込んでいます。そこで、「まちのコイン」を介して、地域の伝統行事や、まちおこし、地域の美化活動やフードロス削減等のSDGsを目的とした活動などの参加や興味を促すことで、まちに愛着を感じ、自分たちの地域のため、未来のために行動する人やコミュニティが増えることを目指しています。

2 移住・定住の促進
田川市では近年、転入者より転出者が上回ることが続き、特に若い世代の転出超過が顕著です(*1)。そのような状況にあっても、現在の生活環境を維持発展させ、住民一人ひとりが自らにあった暮らし方を実現できるよう、田川市は「移住・定住」を重点施策として位置付けた上で、誰もが住みやすい、暮らしやすいまちに向けて取り組んでいます。移住者が「まちのコイン」を介して、田川市内のこれまで関わりのなかったローカルなお店や人、団体と気軽につながるれる機会の創出が可能です。都市部とは異なる田川固有の魅力を見出し、年齢や職種、出身などを超えた交流を促します。多様なバックグラウンドを持つ主体がそれぞれの垣根を越えたつながりを深め、まちを「共創」できる地域の姿になることを期待しています。

*1 出典:第6次田川市総合計画
 https://www.joho.tagawa.fukuoka.jp/kiji0037157/3_7157_26204_up_gew52iy1.pdf
 

  • 参考:田川市の人口推移

田川市は、かつて国内最大級の産炭量を誇る「筑豊炭田」の中でも最大規模の炭坑を有する「炭都」として栄えました。盆踊りの定番、「炭坑節」発祥の地としても有名です。明治から昭和初期にかけて日本の近代化を支えてきましたが、国のエネルギー政策の転換による炭坑の閉山に伴い、昭和40年代半ばにかけて急激な人口減少が生じ、現在に至るまで緩やかに続いています(*2)。

*2 出典:第2期田川市未来創生総合戦略
 https://www.joho.tagawa.fukuoka.jp/kiji0037303/3_7303_23312_up_w5vzikbc.pdf
 

  • テーマ「炭(すみ)から住(すみ)まで深堀りしたくなるまち」 通貨名「コール」

 

コミュニティ通貨サービス「まちのコイン」は、地域ごとにそれぞれ異なるテーマと通貨名を持っています。テーマにある2つの「すみ」は、「炭」で田川の歴史を、「住」で田川の現在を表し、田川の魅力を市内外の多くの人に隅々まで深掘りしてもらいたいとの想いが込められています。また、「深堀り」とは、炭坑節でも「掘って掘って」と唄われているように、田川に馴染みのある言葉で、つながりが「深くなる」こと、「たくさん」の繋がりが見つかることの2つの意味がかけられています。アイコンは田川市のシンボルである二本煙突と石炭をイメージし、通貨名の「コール」は、石炭(COAL)と、住民同士がコール(CALL)=呼び合う(つながり合う)ことを願ってつけられました。

「コール」のサービスは下記のような、テーマに沿った体験を提供していきます。

<例>
「もらう」

スポット名:株式会社 佐野疊屋
「職人さんのお手伝いをして1000コールもらおう」


「つかう」
スポット名:月咲SEED
「300コールで炭坑節の踊り方を教えます!」

 

  • 田川市 「まちのコイン(コール)」 概要
開始時期 2022年10月14日(金) 利用地域:福岡県田川市内
利用方法 「まちのコイン」アプリをAppStoreまたはGoogle Playからダウンロード、
地域選択で「田川市」を選択
通貨名 「コール」
URL https://coin.machino.co/regions/tagawa

 

参考資料
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コミュニティ通貨サービス「まちのコイン」の利用方法と特長
 

「まちのコイン」はひと・まち・地球にうれしい体験で地域をつなげるコミュニティ通貨(電子地域通貨)サービスです。本通貨を活用することで、 地域内外の人のつながりをつくり、 良好な地域コミュニティ形成が期待できます。「まちのコイン」は、2019年9月に神奈川県「SDGsつながりポイント事業」で採択されて以来、福岡県八女市などこれまでに20の地域(*3)で活用されています。
鎌倉に本社を置く当社は、地域固有の魅力を資本と捉えた「鎌倉資本主義」という考えを発信しています。「まちのコイン」は、「地域社会資本」である地域のコミュニティとの繋がりを促進する、仲間づくりのためのコミュニティ通貨です。人と人とが繋がることで、その地域をもっと好きになり、地域の社会課題の解決や地域経済の活性に貢献することを目指します。

*3 2022年9月現在、神奈川県小田原市・鎌倉市・厚木市・日吉エリア、たまプラーザ地区、東京都下北沢エリア、秋葉原エリア、池袋エリア、長野県上田市、大阪府八尾市、香川県多度津町、高知県高知市、岡山県新庄村、鳥取県智頭町、福岡県八女市、沖縄県石垣市、新潟県燕三条エリア、滋賀県の18地域で導入中。東京都大塚エリア、長野県佐久市は終了

【仕組み】
「まちのコイン」アプリをダウンロードし、QRコードを介して、ユーザーがポイントを獲得、利用できます。ユーザーは地域活動などに参加するとポイントを獲得し、獲得したポイントは加盟店等で利用することができます。

*円に換金することはできません。田川市では90日で利用できなくなります。

【特長】
1.まちの個性や課題に合わせた体験設計

 

少子高齢化や自然環境の保護、移住関係人口の促進やまちの賑わい創出など。そのまちの個性や課題に合わせて、コインを獲得したり利用したりする体験チケットを考え、設定することができます。例えば、海の環境を守りたいまちでは「ビーチクリーンに参加する体験」を提供するなどです。

2.地域内外の人をつなげ、関係人口創出に寄与
地域以外の人でも利用可能です。地域内外の人が一緒に地域活動に参加したり、地域外の人が地元のお店を利用したりすることで、関係人口の創出にも繋がります。

3.ゲーム感覚でSDGsの自分ごと化を促進
 

参加頻度でボーナスポイントが付与されたり、ポイントが増えるとレベルアップしたりと、ゲームのように楽しみながら、自然と地域活動に参加する機会を創出します。後からまちのコインの「活動履歴」をみることで、自分の
行動がどのSDGsのゴールにつながっているか振り返ることもでき、SDGsの自分ごともつながります。

4.経済活動の活性化
「まちのコイン」は地域のお店など「スポット」にユーザーが訪問してつかうサービスです。「お金で買えないうれしい体験」を通して、店主とユーザーとの距離が縮まり、常連やファンにつながるという効果の他、来店機会が増えることで法定通貨の消費行動自体も促し、結果として経済効果が期待できます。

5.持続可能な仕組み
IT時代・スマホ時代の電子通貨なので、以前からある紙の地域通貨よりも比較的低コストでの運営が可能です。また、法定通貨への換金性がないため、原資も不要です。コインには有効期限が定められており、一定期間使わないでいると回収され、再度まちの中に再配布され循環する仕組みも、持続可能な運営につながる大きな特長のひとつです。
 

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株式会社カヤック
https://www.kayac.com/
固定概念にとらわれない発想力・企画力、形にしていく技術力を強みに、ゲームアプリや広告・Webサイト制作を始め、コミュニティ通貨、移住・関係人口促進など最新テクノロジーとアイデアを掛け合わせた新しい体験をユーザーに提供しています。社員の9割がデザイナーやプログラマーなどのクリエイター人材で「つくる人を増やす」を経営理念に多様性を生かしたユニークな人事制度や経営を行なっています。

設立 2005年1月21日
代表者 代表取締役 柳澤大輔 貝畑政徳 久場智喜
所在地 神奈川県鎌倉市御成町11-8
事業内容 日本的面白コンテンツ事業
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