LeoLabsが航空自衛隊の商用宇宙領域監視契約を受注

この記事は約7分で読めます。
LeoLabsのグローバルな宇宙レーダーネットワークから業界をリードする宇宙衛星やデブリの追跡・衝突回避サービスを提供
2022年5月24日付 — LeoLabs, Inc(本社:米国カリフォルニア州メンロパーク市)は、航空自衛隊向けにデータやサービスを提供する契約を受注いたしました。LeoLabsは、世界最先端の低軌道(LEO)マッピングと宇宙状況認識(SSA)の商用プロバイダです。この契約により航空自衛隊は、現存のものとしては最も多岐にわたる、実用的なLEOの情報にアクセスできるようになりました。このデータは全て、LeoLabsのフェイズドアレイレーダーのグローバルネットワークから出力され、低軌道の衛星や宇宙デブリを追跡します。LeoLabsはLEOデータサービスプラットフォームや一連のトレーニングも提供し、航空自衛隊のオペレータが追跡・監視・衝突回避といった多様なデータおよびツールを活用できるようにいたします。
 

LeoLabsによる19000超の低軌道物体の可視化LeoLabsによる19000超の低軌道物体の可視化

LeoLabs共同創業者でありCEOのダン=セパリーは以下のように述べております。「日本の防衛省と協力する機会を得たことを、深く光栄に思います。LeoLabsは、商用SSA業界では唯一、レーダーインフラから拡張可能なサービスまでをエンドツーエンドで提供するサプライヤであり、変化する脅威や持続可能性といったLEOの課題に対応しております。弊社は、既にLEO域の観測やデータを世界で最も豊富に提供しており、各国政府のSSAネットワークよりも多くのデータを出力しています。また、LEOでの衝突、破砕、軌道変更、新規打上、再突入といった重大イベントに関してタイムリーな情報を提供するために、弊社のセンサーネットワークを世界中に拡大し続けると同時に、分析およびツールの拡張にも急速に投資を拡大しています。こういった能力の全てを航空自衛隊へ提供してまいります。」

 

この契約では、航空自衛隊のLEOでの運用要件を満たすべく、LeoLabsの最先端のツールとデータの組み合わせがサブスクリプションサービスとして提供される予定です。サービス範囲の一例としては以下が挙げられます。

  • LeoLabs Tracking and Monitoring (低軌道追跡および監視サービス)
  • LeoLabs Collision Avoidance (衝突回避サービス)

LeoLabsは、防衛省における宇宙空間認識(SDA)能力を即時に強化するために、これらのサービスやトレーニングを提供します。

本契約は、LeoLabsの国内代理店である伊藤忠商事株式会社の完全子会社、伊藤忠アビエーション株式会社を通じ、航空自衛隊より受注しております。LeoLabsと伊藤忠商事は、今後とも相互のパートナーシップを拡大し、航空自衛隊の成功のために緊密に連携してまいります。

世界最先端の商用SSAプラットフォーム「LeoLabs」の背景:航空自衛隊を含む世界各国の「データ不足」を解決

宇宙における商業および国家安全保障の焦点として低軌道に注目が集まっています。新たなコンステレーションの急速な展開、リモートセンシング撮像からブロードバンド、IoT(モノのインターネット)までも含む革新的なサービスの需要、宇宙ベースのインフラへの何十億ドルもの新規投資が、政府、宇宙機関、規制当局、商業事業者、宇宙保険業者に共有されてきた領域の、根幹を揺るがそうとしています。
 

LeoLabs Kiwi Space Radar (ニュージーランド)LeoLabs Kiwi Space Radar (ニュージーランド)

こうしたかつてない機会を背景として、LEOへの投資と長期的な存続には、2つの課題解決が不可欠となってきています。1つ目は、宇宙デブリがもたらす脅威に対処して、LEOを持続的に発展させる必要があることです。約25万個の危険な宇宙デブリが、国家のレガシーシステムからは追跡されないまま放置されており、衛星コンステレーションに対するリスクの増加に、もはや追いついていけない状態となっています。LEOにおける持続可能性は、事業者だけでなく、防衛当局や規制当局もが、国際的なベストプラクティスを確立し、規格を制定し、行動規範を定義しなければならない課題となっています。

LEOの長期的な存続に不可欠な2つ目の課題は、LEOを安全かつ開かれた軌道域に保つことです。民間宇宙企業や宇宙開発参入国の数が増え続けるにつれ、開かれた宇宙環境を脅かすあらゆる事象を追跡し、透明化する必要性が生じてきます。

LeoLabsのCEOであるダン=セパリーは、以下のように述べております。「LEOにおける持続可能性と安全性の両方の脅威に対処するための唯一最大の課題は、『データ不足』を解決することです。これは日本だけでなく、すべての宇宙開発参入国に言えることです。LEOにある軌道上アセットの数は昨年2倍になり、今年も2倍になり、今後5年間で25倍になると予想されています。LeoLabsは、現在すでにLEOのデータを世界でもっとも豊富に提供する企業であると同時に、弊社レーダーネットワークを拡大することで、唯一無二の立場を築き、このリードを拡大しています。現在のネットワークは、アラスカ州、テキサス州、ニュージーランド、コスタリカに設置された6台のレーダーで構成されています。今年末までには、オーストラリアと大西洋のアゾレス諸島にさらに4台のレーダーを追加する予定です。この後も弊社ネットワークは更に発展してまいります。」

更にセパリーは次のようにも述べています。「各国政府が過去に構築した従来型 SSA インフラやセンサーには、増大する新たなレベルのLEO 活動を追跡するための拡張性はありませんし、経済的かつタイムリーな方法で新たなレベルに対処する道筋もありません。単一のレーダーでは、迅速な再観測や高精度の追跡といった要求に追いつくことはできないのです。『常時接続型』のデータストリームを提供するレーダーセンサーの大規模分散型ネットワークこそが、十分なカバレッジと即応性の高い能力を提供する唯一の方法なのです。LeoLabsの商用インフラが、この『データ不足』を解決するのに、現実的でスケーラブルな唯一の方法です。今回のご契約により、航空自衛隊でも、このソリューションをご活用いただけるようになりました。」

LeoLabsについて  (www.leolabs.space)

LeoLabsは、シリコンバレーのパイオニア的研究機関であるSRI Internationalのスピンアウトとして2016年に設立された、低軌道マッピングとSSAデータアクセスを提供するベンチャー企業です。LeoLabsのサービスには、衝突防止、リスク評価、コンステレーション監視、商用SSAなどが挙げられます。LeoLabs は、現在、低軌道における世代的変革を推進する規制当局・宇宙機関、商業衛星事業者、防衛機関、科学・学術機関にサービスを提供しています。LeoLabsのコアテクノロジーの1つが、LEOにあるデブリや衛星を追跡する、特許出願中のグローバルなフェーズドアレイレーダーネットワークです。このネットワークから出力された観測データは、LeoLabsのマッピングおよびSSAソフトウェアプラットフォームの基礎となっており、タイムリーで正確な軌道および状況データを提供いたします。LeoLabsは、日本のウエルインベストメントをはじめとする世界的に著名な投資会社からご支援いただいております。

LeoLabs プレスコンタクト: 
メアリー=デビンチェンジ(Mary Devincenzi)
Steele Alloy Communications
mary@steele-alloy.com 
+1 408-761-4285

伊藤忠商事について

伊藤忠商事の歴史は、1858年、創業者の伊藤忠兵衛が麻布の貿易を始めたことに始まります。以来160年以上にわたり、伊藤忠商事は進化と成長を続けてきました。世界62カ国に約100の拠点を持ち、繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融など様々な商品の国内取引、輸出入取引、国内外での事業投資などを行う「総合商社」のリーディングカンパニーとして、日本国内のみならず海外でも事業を展開しています。伊藤忠商事は、中期経営計画「Brand New Deal 2023」において、『「SDGs」への貢献・取組強化』を基本方針として掲げています。業界をリードするSSAソリューションプロバイダーとのパートナーシップを通じて、伊藤忠商事は宇宙のサステナビリティに貢献していきます。

タイトルとURLをコピーしました