発表のポイント
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臨床診断検査や創薬研究をフルマネージドなバイオインフォマティクスワークフローで加速するHIPAAおよびISMAP準拠のサービス「AWS HealthOmics」をAWS東京リージョンで一般提供開始。データを国内のAWSデータセンターに保管したまま、世界最先端の解析環境を利用可能に
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日本国内で拡張性の高いゲノム解析処理をフルマネージドで実行しながら、AWSのAIサービスを活用したデータ解釈や創薬研究が可能に
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エーザイ株式会社がAWS HealthOmicsの検証を開始。ゲノム解析の高速化や複雑なワークフロー管理の効率化に期待
Amazon Web Services(AWS)は本日、AWS東京リージョンにおいてAWS HealthOmicsの一般提供を開始したことを発表しました。AWS HealthOmicsは、米国の医療情報保護法(HIPAA)および日本の政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)に準拠し、フルマネージドなバイオインフォマティクス(*1)ワークフローを通じて臨床診断検査や創薬研究を加速するサービスです。東京リージョンでの提供開始により、日本の研究者、臨床検査に携わる医療機関は、ITインフラの構築・運用を行うことなく、セキュリティとコンプライアンスが組み込まれた拡張性の高いバイオインフォマティクス処理を実行できるようになります。
日本では毎年約100万人が新たにがんと診断されており(*2)、1981年以来、がんによる死亡が最多となっています(*3)。また、国が指定する難病348疾病の患者数は合計で約110万人に達し(*4)、その多くは現在もなお有効な治療法が確立されていません。患者一人ひとりのゲノム(人間の全遺伝情報)データを解析して疾患の原因を特定する「ゲノム医療」は、こうした課題を克服する道筋として期待されています。日本政府は2023年の「ゲノム医療推進法」施行後、バイオバンク・ネットワークジャパンが保有する60万人分の⾼品質で多様な試料・情報の利活⽤促進を進めているほか、2026年3月には「日本ゲノム医療推進機構」を発足し、年間7,000人規模、将来的には10万人超の全ゲノムデータ収集・解析と創薬への利活用体制の整備を本格化させています。
これまでの遺伝子パネル検査が全ゲノムの約1.5%を対象としていたのに対し、全ゲノム解析では残りの大部分も含めた網羅的な分析が可能になる一方、扱うデータ量は飛躍的に増大する見込みです。こうしたなか、セキュアなワークフローの実行と高速な解析を両立し、研究者がインフラの運用管理ではなく研究そのものに注力できる環境の構築が喫緊の課題となっています。
AIサービスとの連携でゲノム研究を加速
AWS HealthOmicsのAWS東京リージョンでの一般提供開始により、日本の研究者や臨床検査に携わる医療機関は、サーバーやストレージの管理ではなく、研究そのものに集中することが可能となります。さらに、弾力的にスケールするフルマネージドなバイオインフォマティクス ワークフローの実行を可能とし、Amazon SageMakerやAmazon BedrockなどAWSのAIサービスとシームレスに連携できるため、ゲノムデータの解釈にAIを活用したり、AIエージェントによる解析ワークフローの自動化を組み合わることで、創薬研究や個別化医療の実現を加速できます。
主な特長は以下のとおりです。
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フルマネージドなワークフロー: 業界標準のバイオインフォマティクスワークフロー言語(WDL、Nextflow、CWL)に対応し、ITインフラの構築や運用は不要。研究者は複雑なゲノム解析パイプラインを即座に実行可能。解析実行ボリュームに応じて弾力的に拡張
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AI統合: ワークフロー内からAmazon SageMakerやAmazon BedrockのAPIを呼び出し、AIによるデータ解釈、バリアント解析、AIエージェントによるプロセス自動化が可能
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セキュリティとコンプライアンスの組み込み:ゲノムデータを暗号化して保存し、誰がアクセスできるかを厳密に管理。HIPAAに適格、およびISMAPにも準拠
グローバルでは、スイスの大手製薬企業であるRoche、米国の最先端遺伝子検査企業であるNatera、英国政府のゲノム解析機関であるGenomics Englandなど、ゲノミクス分野を代表する企業・機関がAWS HealthOmicsを活用しています。
AWSの日本におけるヘルスケア・ライフサイエンスへの取り組み
AWSは10年以上にわたり、ヘルスケア・ライフサイエンス業界において、セキュアなクラウドインフラを提供してきました。日本では、2025年10月に戦略的ビジョン「Journey for 2030 データがつながる、価値を生む」を発表し、医療機関・製薬企業・研究機関・行政など多様な組織がデータを連携させ、より良い患者体験を実現するための取り組みを推進しています。
また、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(3省2ガイドライン)に準拠した利用リファレンスの公開、医薬品製造における品質管理基準(GxP)への対応に関するテクニカルペーパーの提供、医療・製薬業界向けAIツール群「HealthData x Agent」の無料提供など、日本の医療・製薬業界に根差した活動も進めてきました。
さらに、AWSは2022年までの1兆5,100億円に加え、2024年1月から2027年にかけて日本に2兆2,600億円(149.6億米ドル)のクラウドインフラ投資を行うことを発表しており、日本のデジタルトランスフォーメーション推進に長期的にコミットしています。
エーザイ株式会社で、創薬データプラットフォームを推進するヒューマンバイオロジークリエーションハブ インテグレイティッドデータサイエンス ヒューマンバイオロジーデータエコシステム部長 高橋 健太郎氏は、次のようにコメントしています。「創薬研究において、ゲノムデータとオミクス等生体情報を組み合わせた統合解析は、新たな治療標的の発見に不可欠です。また、ゲノム情報に基づく個別化医療と創薬の連携はますます重要になっています。エーザイは2023年にAWS HealthOmicsの検証を行い、創薬研究に必要なゲノム解析等とAWSのサービスの連携が有効であると考えています。このたびの東京リージョンでのAWS HealthOmicsの提供開始により、日本国内のデータ保管要件を満たしながら、グローバル水準のゲノム解析基盤を活用した創薬イノベーションを加速できることを嬉しく思います」
Amazon Web Services ヘルスケアAI・ライフサイエンス担当バイスプレジデントのRajiv Chopra(ラジーヴ・チョプラ)は、次のように述べています。「テクノロジーは、日本のゲノム医療を変革しつつあります。AWS HealthOmicsの東京リージョンでの一般提供開始により、日本のヘルスケア・ライフサイエンス業界のお客様は、臨床診断から創薬、集団ゲノミクスに至る大規模なバイオインフォマティクス処理を、拡張性の高いコンピューティング能力、セキュリティ、そしてデータレジデンシーを備えた環境で実行できるようになります。AWSは今後も、日本のヘルスケア・ライフサイエンス業界のお客様やパートナー様と緊密に連携し、テクノロジーとイノベーションを通じて日本の医療と健康の未来に貢献してまいります」
AWS HealthOmicsの詳細については、AWS HealthOmicsの製品ページをご覧ください。
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*1 バイオインフォマティクス(生命情報科学)とは、ゲノムをはじめとする膨大な生体データを情報科学の手法で解析し、疾患メカニズムの解明や創薬標的の発見を支える研究分野です。
*2 国立がん研究センター:https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
*3 厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai25/dl/gaikyouR7.pdf
*4 難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/5354
AWSについて
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