STマイクロエレクトロニクス、産業機器の状態モニタリングに最適なセンサ内AI搭載の高性能振動センサを発表

it
この記事は約6分で読めます。
  • 卓越した広帯域幅と広いダイナミック・レンジを備えた産業グレードの振動センサ

  • センサ内部のインテリジェント・センサ処理ユニット(ISPU 2.0)により、消費電力を抑えつつ信号処理能力とエッジAIの性能を強化

  • 状態モニタリング用に、優れた性能や軽量設計、集積の容易さ、超高精度、および高い電力効率を併せ持つ、圧電センサを代替する初の有力な選択肢

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、高精度、高い信頼性、そして優れた電力効率が求められる産業機器の状態モニタリング向けにインテリジェントな振動センサを発表しました。

STのMEMS(微小電気機械システム:Micro Electro-Mechanical System)技術を採用し、インテリジェント・センサ処理ユニット(ISPU 2.0)を搭載した振動センサ「IIS3DWB10IS」は、センシング素子により近い位置で高度なデジタル信号処理およびAI推論を実現します。また、10kHz以上の周波数に対応し、最大200gの振動と衝撃を測定する堅牢な小型センサであり、高いデジタル精度と使いやすさに加え、過酷な環境にも耐えられる、最大125°Cの広範な動作温度範囲を兼ね備えています。この振動センサにより、装置の稼働時間を延長し、予期せぬダウンタイムを削減するほか、さまざまな産業機器の環境における予知保全機能への対応を可能にします。

さまざまな産業分野において、切断や成形、搬送、冷却といった工程では、回転と振動を伴う機器・装置が使用されていることから、振動解析は状態モニタリングの大部分を占めます。ベアリングの故障を事前に予測するなど、問題の早期検出によって装置の停止を予防することは、自動車やその他の製造業を含むあらゆる分野の企業にとって、生産フロー全体の最適化につながります。

STのアナログ・パワー&ディスクリート・MEMS・センサグループ エグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 MEMSサブグループ ジェネラル・マネージャであるSimone Ferriは、次のようにコメントしています。「STの産業機器向けMEMS振動センサは、ハイエンドアプリケーションに必要とされるダイナミックレンジと帯域幅を備えており、STのセンサ内デジタル処理技術の優位性をさらに強化しています。高速信号処理とAI推論のための新たなハードウェアアクセラレータとともに、ISPU 2.0を集積することにより、遅延や消費電力を抑えながら、装置の摩耗状態の認識精度を高めています。この次世代の状態モニタリングに最適な振動センサは、軽量かつ容易な実装が可能で、超高精度で十分にバッテリ駆動できるほどの電力効率を備えているため、圧電センサを代替する初の有力な選択肢となります。」

Bonfiglioli S.P.A社のCTO(最高技術責任者)であるAndrea Torcelli氏は、次のようにコメントしています。「IIS3DWB10ISは、当社が求める市場や環境に適したユニークな特性を備えています。広いダイナミック・レンジや広帯域幅、優れた温度耐性を備えていることに加え、さらに導入しやすいよう、コスト・パフォーマンスに優れた簡略的な回路設計が可能になるため、既存の圧電センサ技術を置き換えることができます。加えて、ISPU 2.0プロセッサを集積し、複雑な信号処理と高速AI推論をセンシング素子の近くに配置しているため、よりスマートなシステム応答を実現できます。」

リモートでの状態モニタリングリングにより、予知保全や優先順位を付けたメンテナンスを実現できるため、装置の稼働時間と動作効率を改善しながら、予期せぬ故障の発生を防止し、安全性を強化できるようになります。Fortune Business Insights社によると、この技術の世界市場は9%超の年平均成長率を達成し、2032年には50億ドルを超える規模になると見られています*。

*https://www.fortunebusinessinsights.com/machine-condition-monitoring-market-112654

技術情報

 

振動センサ「IIS3DWB10IS」は、広い帯域幅で処理機能を組み込んだ初めてのデジタル・センサです。ハイエンド産業機器の状態モニタリングアプリケーションのニーズに対応した性能を実現しており、圧電センサを代替する有力な選択肢になります。

10kHzを超える振動を正確に測定し、最大200gの広いダイナミックレンジを持ちながら、ノイズフロアは圧電センサに匹敵する、わずか35µg/sqrt(Hz)にとどまります。さらに、IIS3DWB10ISは圧電センサと同等の精度と感度に加えて、小型で消費電力が低く、電気機械設計も簡略化できます。さらに、演算のパーティショニングにおける柔軟性の高さといった、デジタル・センシングの強みも兼ね備えています。

ISPU 2.0(インテリジェント・センサ処理ユニット)は新たなハードウェア・アクセラレータであり、リアルタイムの信号処理とAI処理をエッジ部で実行します。このハードウェア・アクセラレータは、使用頻度の高い機能の処理をさらに高速化し、電力効率を向上します。コアはC言語でのプログラムが可能で、プログラム用とデータ用のRAMを内蔵しています。

サポートしているエコシステムには、標準的な振動モニタリングリングでよく使用されるアルゴリズム(FFTやフィルタリング処理、エンベロープ、速度重大度、異常検出など)のISPUでの実行を支援するソフトウェア・ライブラリが提供されます。

40MIPSおよび40MFLOPSのデジタル信号処理に対応するISPU 2.0は、前世代の最大4倍の処理性能を実現しています。加えて、ISPU 2.0センサ・インタフェースでは、MEMS回路と共に6倍のデータ転送速度を実現します。

IIS3DWB10ISには、2048 x 80bitのFIFOレジスタと高精度の温度センサも搭載されています。

また、堅牢なMEMSベースの設計により、最大125°Cの動作温度範囲に対応しています。IIS3DWB10ISは、STの産業機器向け製品の10年間の長期製品供給保証の対象製品です。

IIS3DWB10ISは、16リードLGAパッケージ(4.5 x 4.5 x 1.5 mm)で提供されます。リードは、ウェッタブル・フランク構造のため、高品質の表面実装組立工程における光学検査を自動化しやすくなっています。2026年7月までに提供が開始される予定で、単価は1000個購入時に約25ドルです。

 

詳細についてはウェブサイトをご覧ください。

 

STマイクロエレクトロニクスについて

STは、約49,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、すべての直接・間接排出(スコープ1および2)、ならびに製品輸送、従業員の出張・通勤による排出(スコープ3の注力分野)におけるカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを進めており、2027年末までに再生可能エネルギーの使用率を100%にする計画です。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。

◆ お客様お問い合わせ先

STマイクロエレクトロニクス(株)

アナログ・MEMS・センサ製品グループ

〒108-6017 東京都港区港南2-15-1

品川インターシティA棟

TEL : 03-5783-8250

タイトルとURLをコピーしました