市場競争が国内からグローバルな舞台へ展開している現代社会において、大企業と比べてリソースが限られている中小企業にとって、少子高齢化、過疎化・都市の人口集中などの変化に対応しながら良好な経営を保つことは容易ではありません。市場での優位性を確立するためには、DX推進による可視化経営を実現し、正確な経営状況を知った上で最適な意思決定を行う必要があります。 しかし、DX人材・GX人材が社内におらず、推進ができないというケースが多く、そういった背景から、今回は中小企業の成長の鍵となる、企業1社1社に寄り添う伴走支援について、採用する理由と効果に関する実態を調査いたしました。
【調査結果サマリー】 ①中小企業経営者の77.0%がDX、62.0%がGXの取り組みを高めたいと回答! しかし、半数以上が伴走支援を受けていないことが判明 伴走支援を受けていない理由は、「必要性を感じないから」が最も多い結果に 中小企業経営者が伴走支援の必要性を十分に理解できていないことが明らかに
②伴走支援を受けている中小企業経営者の目的1位は売上拡大 DX推進は半数以下、GX推進は約2割に留まることが判明! DX・GXを推進したい一方、伴走支援は受けていない結果に
③伴走支援を受けている中小企業経営者のうち、 DX推進は71.4%、GX推進は60.5%が効果を実感していると回答 伴走支援の活用・未活用でDX・GX推進に大きな差が生まれる可能性も |
本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。
【アンケート概要】
・調査主体 :フォーバル GDXリサーチ研究所
・調査期間 :2023年8月21日~9月15日
・調査対象者 :全国の中小企業経営者
・調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数 :552人
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①中小企業経営者の77.0%がDX、62.0%がGXの取り組みを高めたいと回答!
しかし、半数以上が伴走支援を受けていないことが判明
伴走支援を受けていない理由は、「必要性を感じないから」が最も多い結果に
中小企業経営者が伴走支援の必要性を十分に理解できていないことが明らかに
Q1.あなたは、DX・GXの取り組みを今よりも高めたいと思いますか。
552人の中小企業経営者にDX・GXの取り組みを今より高めたいか伺ったところ、DXの取り組みについては77.0%、GXの取り組みについてはを62.0%が今よりも高めたいと回答しました。
DX・GXの取り組みを高めたいという意識を持った中小企業経営者が多くいることが判明しました。
Q2.あなたの会社では、伴走支援を受けていますか。
552人の中小企業経営者に第三者(地域の商工団体や士業、金融機関、コンサルティング会社など)が継続的に対話を重ね、課題設定や課題解決の支援を行う伴走支援を受けているか調査したところ、「過去に受けたことがあるが、現在は受けていない」が9.8%、「過去に受けたことはなく、現在も受けていない」が53.1%の結果となりました。DX・GXを推進したい(Q1)にもかかわらず、伴走支援を受けている企業は少ないと分かります。
Q3. 伴走支援を現在受けていない理由は何ですか。
Q2で伴走支援を「過去に受けたことはなく、現在も受けていない」「過去に受けたことがあるが、現在は受けていない」と回答した方に理由を聞いたところ、「必要性を感じないから」が46.7%で最も多い結果となりました。
以上から、中小企業経営者が、DX・GXを推進したい(Q1)一方、伴走支援の必要性が十分に理解されていないことが明らかになりました。
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②伴走支援を受けている中小企業経営者の目的1位は売上拡大
DX推進は半数以下、GX推進は約2割に留まることが判明!
DX・GXを推進したい一方、伴走支援は受けていない結果に
Q4.あなたの会社で、伴走支援を受けている目的をお答えください。
Q2で伴走支援を「受けている」と回答した方にその目的を伺ったところ、「売上拡大」が1位となり、53.2%でした。「DX推進」は47.8%、「GX推進」は21.0%の回答割合ととなり、DX・GXを推進したい企業が多い(Q1)一方、伴走支援の目的をDX・GX推進としている企業は半数以下の割合となりました。
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③伴走支援を受けている中小企業経営者のうち、
DX推進は71.4%、GX推進は60.5%が効果を実感していると回答
伴走支援の活用・未活用でDX・GX推進に大きな差が生まれる可能性も
Q5. 伴走支援による効果について、項目ごとに教えてください。
中小企業経営者が売上拡大やDX推進、経営ビジョンと戦略の策定などを目的に伴走支援を受けていることが判明しましたが(Q4)、どの程度効果を感じられているのでしょうか。
今回の調査では、各項目において効果を感じたと回答した割合は、「とても効果が出ている」「ある程度効果が出ている」合わせて、DX推進は71.4%、GX推進は60.5%の人が効果を感じていると判明しました。
以上から、伴走支援を活用している企業としていない企業ではDX・GX推進に大きな差が生まれる可能性も考えられます。
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【有識者のコメント】中小企業のDX推進について
フォーバル GDXリサーチ研究所所長
平良 学(たいら・まなぶ)
■経歴
1992年、株式会社フォーバルに入社。
その後営業部長を経験。2001年からは九州支店に所属し、赤字経営の立て直し、コンサル事業の立ち上げに成功。以降アライアンス事業の事業責任者を全うする。
現在は、全国のコンサル事業の全体統括や「ブルーレポート」の統括、国・行政との連携を行う事業の責任者を務める。
数々のメディア掲載実績を持ち、中小企業経営者を対象とした経営塾の講師、DXを始めとするウェビナーにも数多く登壇している。
■本調査リリースについてコメント
今回の調査で約半分の経営者は伴走支援を活用していない状況であることが分かり、自社のみで経営改善に取り組む、という姿勢の経営者が少なくない状況かと思います。一方で、外部の専門家による伴走支援を上手に活用している企業や経営者は知見やノウハウが積み上がり、経営改善を図れているケースが多いと感じます。
経営改善を行っていくためにどのような手段を活用するか、それには正解はありません。経営者が考える最善の方法を選択すればよいかと思いますが、特に大手企業と比べ経営リソースが多くない中小企業が自社だけで何もかも行うのは難しい部分があることは事実かと思います。自社だけで難しい場合は外部の専門家を頼ることや、活用することも1つの経営判断だと考えます。
最後に、外部の専門家に的確なアドバイスをもらったり支援してもらったりするためには、自社の状況や経営リソース等の情報が可視化されてる必要があります。データや数字がない状態で改善はできないためです。自社の経営リソースの可視化、必要に応じた専門家の活用、この2点が中小企業にとって必要性が高いと当所は考えています。
■フォーバル GDXリサーチ研究所とは
日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。
フォーバル GDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。