データクリーンルームとは、個人のプライバシーを保護しつつ、複数事業者のデータを掛け合わせて活用する環境です。現時点では、Cookieに依存しないマーケティングデータ基盤構築手法としてデジタルマーケティング領域を中心に活用が模索されています。また今後は、データ活用をしたいさまざまな業界でも応用できると期待されています。
AutoPrivacyは、Acompanyが複数のパートナー企業との実証実験を経て培ってきた、秘密計算や連合学習などのプライバシーテックと法律の知見を組み合わせ、すべてのデータが使えるデータクリーンルームを提供していきます。
■データクリーンルームの動向
データクリーンルームとは、個人のプライバシーを保護しつつ、複数事業者間のデータを掛け合わせて活用する環境です。
昨今、データを活用した新規事業の創造やデータトリブン経営に注目が集まっています。一方で、世界的にGDPR(一般データ保護規則)や個人情報保護法といった規制が強化されつつあります。このような状況を解決する手段として、データクリーンルームが今、注目を集めています。
Gartnerのデジタル広告のハイプ・サイクル(2022年)※1によれば、データクリーンルームは注目すべき技術トピックとして取り上げられています。海外をはじめとしたさまざまな企業もこのデータクリーンルームは注目しており、2022年にはAWSが未加工データを共有せずにパートナーとコラボレーションできるサービスとして『AWS Clean Room』を発表。国内外、数々のデータクリーンルームサービスが公開されています。
またIAB(Interactive Advertising Bureau)によれば、2023年までに年間10億ドル以上をメディアに費やす広告主の80%が、データクリーンルームを利用するようになる※2との予測を出しています。
※1:Gartner Identifies Four Emerging Technologies Expected to Have Transformational Impact on Digital Advertising(https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2022-08-03-gartner-identifies-four-emerging-technologies-expected-to-have-transformational-impact-on-digital-advertising)より引用
※2:IAB State of Data 2023(https://www.iab.com/wp-content/uploads/2023/01/IAB_State_of_Data_2023.pdf)より引用
■AutoPrivacyが提供するデータクリーンルームは、すべてのデータが使える
AutoPrivacyは、Acompanyが複数のパートナー企業との実証実験を経て培ってきた、秘密計算や連合学習などのプライバシーテックと法律の知見を組み合わせ、すべてのデータが使えるデータクリーンルームを提供することができます。
例えば、自動車会社が自社のデータと動画配信サイトのデータを活用して、動画配信サイトで広告キャンペーン「自動車×動画サイトコラボキャンペーン」を打っていくことになったとします。
従来であれば、利用するデータ自体の形がバラバラであったり、使えるデータに限りがあったり、データベースから要件を整えて必要なデータを取得してくる必要があったりなど、法律と技術双方の知見が必要でした。
一方でAutoPrivacyは、自動車会社が保有している「いつ」「どんな人が」「どこで」「どのような車を購入しているのか」などのデータと、動画配信サイト会社が保有している「いつ」「どんな人が」「どんな動画を見てるのか」「どこから流入しているのか」などの動画配信サイトのデータを、個人情報保護法に準拠したプライバシーテックを用いてコラボレーション。どのセグメント(ユーザー群)にいる人が、どのような傾向にあるのかを分析することが可能です。
図1のケースの場合は、「ゴルフレッスン動画を見ている人が大型車を購入する傾向が高い」ことがわかりました。
■AutoPrivacyの特徴
AutoPrivacyが提供するデータクリーンルームは、Acompanyが培ってきた秘密計算や連合学習などのプライバシーテックによるプライバシー保護と、複数事業者間のデータ連携を実現する環境です。
ここからAutoPrivacyは、「データクリーンルームの構築が簡単にできる」「個人情報保護法に対応した法律スキームが利用可能」「プライバシーテックの知識がなくてもデータ分析が可能」の3つの特徴を保有しています。
1.データクリーンルームの構築が簡単にできる
データクリーンルームの構築は、セットアップが複雑であり、構築・管理コストが膨大という課題を抱えていました。ここからAutoPrivacyは、複数事業者間でのデータクリーンルームを構築するために必要なデータ処理基盤の構築や権限管理を簡単に行えるような柔軟なアーキテクチャの設計を進めてきました。
AutoPrivacyを利用すれば、データクリーンルームの構築に必要なセットアップを簡単に行うことが可能です。
2. 個人情報保護法に対応した法律スキームが利用可能
PwCによれば、2022年個人情報保護法施行の際の対応の阻害要因として「人材が不足している」が、経営層クラスで29%、管理職クラスで49%と、そのほかの阻害要因と比べ大幅に問題視されていました※3。
一方Acompanyは、顧問として個人情報保護法の専門家である弁護士をお迎えし※4、社内でも法律チームを組成をしています。ここからAcompanyは、最新の個人情報保護法の動向に則したデータクリーンルーム構築を実現することが可能です。
※3:PwC 2022年4月施行 改正個人情報保護法への企業の対応状況(第2回調査)~改正法対応への課題(https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/personal-information-protection-law2.html)より引用
※4:Acompany プライバシーテックスタートアップAcompany、顧問弁護士に個人情報保護法の専門家ひかり総合法律事務所パートナー弁護士の板倉陽一郎氏が就任(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000046917.html)より引用
3. プライバシーテックの知識がなくてもデータ分析が可能
Acompanyでは、2020年10月にプライバシーテックの一つである秘密計算のエンジンの公開をきっかけに、プライバシーテックの実用化に向けた開発を続けてきました。
これらの知見を活かし、秘密計算だけではなく連合学習やk-匿名化といったさまざまなプライバシーテックを実装しました。ここからAutoPrivacyでは、組み入れたデータ分析処理のパイプラインが構築でき、簡単に分析が可能です。
Acompany HP:https://acompany.tech/
■今後の展開
今後AutoPrivacyは、個人が当たり前にプライバシーが守られる社会の実現を目指すとともに、企業が保有する多様なデータを繋げ、ビジネスインパクトの最大化を支援していきます。
■プライバシーテックとは
プライバシーテックとは、個人のプライバシーを保護するための技術です。現代において、パーソナルデータが企業などにより大量に保有されている中、個人に対して安全なデータの保全や利活用が必要となってきています。このような課題を解決するため、プライバシーテックが開発されました。例えば、データを暗号化したまま高度な分析が可能な「秘密計算」や、元のデータから類似データを生成する「合成データ」、また個人の特定を困難にする「k-匿名化」といった技術があります。
プライバシーテック研究所:https://acompany.tech/privacytechlab/
■会社概要
社名 :株式会社Acompany
代表者 :代表取締役CEO 高橋亮祐
所在地 :愛知県名古屋市西区那古野2丁目14番1号なごのキャンパス2-13
設立 :2018年6月
ミッション:プライバシーテックで社会課題を解決する
事業内容:プライバシーテックサービス「AutoPrivacy」の開発・提供、コンサルティング
■本件に対するお問い合わせ
お問い合わせフォーム、もしくは下記メールアドレスからお問い合わせください。
お問い合わせフォーム:https://acompany.tech/contact/
連絡先:pr@acompany-ac.com