2022年度の市場規模が過去最大を記録するなど、日本でもフェアトレードが着実な広まりを見せる中、全国の高校・大学等では多くの学生がフェアトレードの商品販売や啓発に取り組んでいます。こうした学生たちが年に1回全国から集まり、互いに交流したりフェアトレードについての学びを深めたりする合宿型ワークショップが、「フェアトレード学生サミット」(以下、サミット)です。2004年に始まって以来、熊本や名古屋などで開催を重ね、今年で20回目を迎えます。
今年のサミットのテーマは”Discover & Communicate”です。背景には、多くの学生がフェアトレード活動に取り組む中で感じる「フェアトレードを伝えることの難しさ」があります。フェアトレードは、その仕組みの奥深さや複雑さゆえ、一言で本質を表現することは簡単ではありません。そうした難しさを乗り越えるため、①フェアトレードをさまざまな角度から捉え直し、フェアトレードの“いちばんイイところ”を参加者それぞれが発見すること(= Discover)、②フェアトレードの”いちばんイイところ”をキャッチコピーに落とし込み、他者に伝えられる形にすること(= Communicate)の2つを軸に、フェアトレードの魅力を自分の言葉で他者に伝えられるようになるための講義やワークショップを展開します。
今回のサミットには、フェアトレードやサステナビリティに関心を持って活動する学生が、全国13都道府県から30名集まります。サミットでフェアトレードの魅力を伝える力を獲得した学生たちが、各地の所属団体等に帰って活動を続けることで、フェアトレードの価値や仕組みを理解した上で購買に繋げられる生活者を増やすことを目指しています。
報道関係の皆様におかれましてはご多用中と存じますが、万障お繰り合わせの上ご取材賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
【イベント概要】
日時:2023年8月29日(火)〜31日(木)
会場:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟5F 研修室513
…東京都渋谷区代々木神園町3-1
主催:第20回フェアトレード学生サミット実行委員会
共催:FTSN JAPAN
協力:actcoin(ソーシャルアクションカンパニー株式会社)、KIGI、一般社団法人NEWHERO、認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン
公式サイト:https://20th-ftsn-summit.studio.site/
【写真】前回開催時の様子
【主なプログラム】
ゲストレクチャー|29日 15:55〜16:40
FLJ事務局長・潮崎真惟子が、フェアトレードが世界各地の生産者に与えているインパクトについて、具体的な事例を交えながら解説します。参加者はフェアトレードがアプローチする課題の幅広さを知ることで、フェアトレードに対する多様な視点を獲得し、翌日のワークショップに備えます。
クロストーク|29日 16:45〜17:30
えしかる屋プロデューサー・稲葉哲治氏、エシカルコーディネーター・久米彩花氏をゲストに迎え、フェアトレードを広めるために求められる姿勢や情報発信のコツなどについてお話しいただきます。参加者からの質問をリアルタイムで取り入れながら、インタラクティブなディスカッションを行います。
コピーライティングワークショップ|30日 13:00〜16:00
ドキュメンタリスト・高島太士氏から、広告の視点を踏まえたコピーライティングの考え方をワークショップ形式で学びます。参加者はグループに分かれ、模造紙や付箋を囲んで考えを整理しながら、フェアトレードの魅力を一言で表すキャッチコピー作りに挑戦します。
フェアトレード交流パーティー|30日 18:00〜20:00
サステナブルレストラン「KIGI」にて、色鮮やかなフェアトレード食材を利用した立食交流パーティーを開催します。本プログラムでは、サミット参加者以外の一般参加者も受け入れ、フェアトレードに携わる人同士の世代を超えた交流の場を提供します。
(会場:KIGI 東京都千代田区永田町2-10-2 アパホテルプライド国会議事堂前1F)
発表・講評会|31日 10:00〜12:00
ワークショップを経て制作したキャッチコピーを3日間の成果として全員の前で発表します。発表に対するフィードバックをゲストから受けるほか、国際フェアトレード認証ライセンシー企業の担当者と参加者の意見交換の時間を設ける予定です。
【ゲスト】
稲葉哲治(えしかる屋プロデューサー/鎌倉エシカルラボ共同代表)
民間企業にて新規事業やNPO協働等を担当後、2012年よりエシカル・サステナブル・D&Iを軸に活動。エシカル商品のセレクトショップ「えしかる屋」プロデューサーや、鎌倉市のフェアトレードタウン認定を目指す「鎌倉エシカルラボ」共同代表を務める。
久米彩花(エシカルコーディネーター/モデル)
幼少期から環境問題や途上国の貧困に関心を持ち、大学在籍中にイギリス・ドイツにてエシカルファッションの最前線の経営・マーケティング戦略を学ぶ。現在はフリーランスとしてエシカル領域の事業企画、メディアディレクター、モデルなど幅広く活動する。
高島太士(ドキュメンタリスト/一般社団法人NEWHERO代表理事)
ソーシャルグッドに特化した広告映像を手がけ、国内外の広告祭での受賞多数。代表作はP&Gパンパース「ママも1歳、おめでとう。」など。広告で培った表現手法やアイデアを社会課題解決の分野に応用し、クリエーター目線からの課題解決に取り組む。
潮崎真惟子(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長)
大手コンサルティングファームを経て、2021年より現職を務める。過去最大規模のフェアトレードキャンペーン「ミリオンアクションキャンペーン」を主導。コンサルタントとしては人権デュー・ディリジェンス、サステナビリティ戦略、政策立案などを多数担当。