S|Style展に選抜された、創造性とデザイン性を両立させながら社会や環境にも責任あるものづくりに努める新進気鋭の10ブランドは、Kering MILが設定した厳正なサステナビリティに関する基準のもと、最先端かつ環境負荷の低いデザインと製造工程について徹底した指導を受け、新しいルックを創り上げました。その中で、衣服の再利用とアップサイクルを取り入れながら洗練されたニットウェアで高い評価を受けるイタリアのブランド「Cavia」は、Brewed Protein繊維で作られた限定ニットトップスとパンツを製作し、会期中のブースでの展示、および6月14日に開催された会場内でのファッションショーにて発表しました。
この限定コレクションは、イタリア·フィレンツェで6月28日から30日に開催される糸やニット素材の展示会「Pitti Filati (ピッティ·フィラーティ)」の当社ブースにて展示され、Caviaの創設者でファッション&グラフィックデザイナーのMartina Boero(マルティナ・ボエロ)氏も来場し、Brewed Protein繊維を使用して新たな衣服を作った体験やデザイナー視点での素材の魅力等についてお話いただく予定です。
今回、Kering MILに注目素材の一つとして採用いただき、このような世界的なチーム、ブランド、機会を通じて、当社素材の可能性、魅力をまた新たにお伝えできたことを大変光栄に思うと同時に、より多くのデザイナー、ブランドの方々へ、そしてその先にいるさらに多くの皆様へお届けできるよう、今後も素材の開発、生産、普及に一層努めて参ります。
<写真クレジット>
S|STYLE. project curator & stylist: Giorgia Cantarini @giorgiacantarini
Photographer: Acielle @styledumonde
Model: Filippo @castingfirenze
Stylist assistant: Andrea Signori @signorigram, Federica Mele @federicaapples
MUA & hair: @Hairstudios
Special thanks to Istituto Marangoni Firenze students: Martina Lucchesi, Chiara Boari, Elena
Murratzu, Elisa Cresci, Serena Giani, Giorgio Scarpellini, Cecilia Olivieri @istitutomarangoni_firenze
<参考>
Brewed Protein™(ブリュードプロテイン™)素材
Spiberが開発する、植物由来のバイオマスを原材料に使用した微生物の発酵(ブリューイング)プロセスにより生産される構造タンパク質素材。Brewed Protein™ポリマーを紡糸したBrewed Protein™繊維は、シルクのような光沢と繊細さを持つフィラメント糸、さらに上質でなめらかな肌触りのカシミヤや嵩高性に優れたウールのような紡績糸にも加工することができます。同繊維の生産規模が拡大していくと、当社が初期的な注力分野としているアパレル産業向けのテキスタイル用途において、例えば、高級獣毛でありながら、様々な環境リスクを指摘されているカシミヤ繊維と比較した場合には、温室効果ガスの排出量の大幅な縮小と土地や水の使用量の削減が、また、Brewed Protein™繊維自体は生分解性を有するため、最終製品の設計によっては石油由来製品によるマイクロプラ スチック排出の課題解決への貢献が見込めるなど、従来の動物由来、植物由来の素材や、石油由来の合成素材に代わるソリューションを提供することができる次世代の素材として期待が寄せられています。
Spiberのサステナビリティ·ウェブページ:https://spiber.inc/sustainability/
Spiber株式会社
(取締役兼代表執行役:関山和秀、本社:山形県鶴岡市覚岸寺字水上 234-1)
2007 年 9 月に創業した、構造タンパク質素材「Brewed Protein™」を開発する、山形県鶴岡市に拠点を置くバイオベ ンチャー。現在、タイ·ラヨン県にて、Spiber 初となる量産プラントで Brewed Protein™ポリマーの生産を開始し、段階的に生産量を拡大しています。また米国·アイオワ州にて協業先のADM社と新たに量産体制を構築しており、立ち上げに向け準備を進めております。
Spiber website:https://spiber.inc/
Cavia
イタリアンファッションのクリエイティビティと地球へのコミットメントを融合させたブランド。創設者兼ファッション&グラフィックデザイナーのMartina Boero氏は、メイド·イン·イタリーの信頼性、想像力、クラフツマンシップの発信を目指し、手掛けるニット製品は手間をかけた伝統的な工程で作られています。そして、リサイクルされた衣服や生地によるものづくりを基本とし、廃棄物を極力避けるべく受注生産型のスキームを採用するなど、社会や環境への影響に常に意識を向けています。生地からラベルに至るまで、限りある資源を有効に活用しながら、新たな美しさを追求するCaviaは、世界のファッションシーンから注目を集めています。
Cavia website:https://www.yourcavia.com/
Kering Material Innovation Lab
2013年、ケリング傘下ブランドのデザインチームがサステナブルな素材について理解を深められるようなサステナブルな生地を収集したライブラリーとしての機能、そして複雑なサプライチェーンを変革する牽引役として、ミラノに設立された研究所。サプライヤーも含め、トレーサビリティの向上や、環境に与える負荷が少ないサステナブルかつ革新的な素材の調達に取り組んでいます。MILは特にコットン、シルク、カシミア、ビスコース、ポリエステルに注目しており、MILは傘下のブランドと主要サプライヤーに製品開発においてより持続可能な選択をする方法、そしてその理解に役立つリソース、ツール、新しいソリューション等を提供しています。MILのデータベースはサプライヤーとその生地に独自の参照方法を採用しており、生地は綿密な審査の対象として、外部基準、認証、およびMIL独自のEP&L手法に基づくツールの両方に照らして評価されています。