この本を手に、未来への健康投資を一緒に考えてみませんか。
本書は日本経済新聞の人気連載「がん社会を診る」(毎週水曜夕刊掲載)をベースに、書き下ろしを加え、編集しました。2022年7月に東大・安田講堂で開かれた養老孟司先生(東京大学名誉教授)の講演のほか、中川先生(写真)、養老先生に東大医学部附属病院の南谷優成先生を加えた3人でのトークセッションの模様も収録しました。
中川先生は、国民のがんリテラシーの向上を目指し,がんになりにくい生活習慣や最新の治療法,企業の取り組みなど,役立つ情報の発信を精力的に続けています。がんは日本人の2人に1人が患う病気ですが、わずかな知識の有無で運命が変わってしまう病気でもあります。長く楽しい人生を送るために、がんの知識を健康の防波堤として、本書を役立ててください。
【書籍概要】
書籍名:「人生を変える健康学 がんを学んで元気に100歳」
著者:中川恵一
東京大学大学院医学系研究科特任教授
厚生労働省がん対策推進企業アクション議長
発行:日経サイエンス
発売:日経BPマーケティング
発売日:2023年6月22日(木)
定価:1760円(10%税込)
判型:四六判
【販売場所】
全国の書店のほか、Amazonからも購入できます
【目次】
まえがき
序章 人生100年時代の健康学
「生きる」ために知っておきたいこと
「がん社会」は成熟国家の必然/「若い」高齢者、就労意識も変化/ヘルスリテラシーが最良の処方箋/3段階の予防策で備えを/中学校や高校のがん教育が本格化/がんリテラシー向上プロジェクト
第1章 思い込みをリセットしよう
がんや健康のこと、誤解していませんか?
思い込み① 「野菜でがん予防、肉はからだに悪い」
思い込み② 「遺伝だから、努力してもムダ」
思い込み③ 「いまさら禁煙しても遅い」
思い込み④ 「酒は百薬の長です」
思い込み⑤ 「日本人のがんと言えば、胃がん」
思い込み⑥ 「大腸がん? 検査陽性は痔のせい」
思い込み⑦ 「仕事を辞めて治療に専念」
思い込み⑧ 「コロナがこわい、検診も自粛」
第2章 がん予防もアナタらしく
自分に必要なチェックポイントを確認
少しずつでも運動の習慣を/映画のワンシーンから歯周病予防/嫌われ者の花粉症にプラス効果/体重計に乗って一喜一憂のススメ/触ってチェック、自分の体に関心を/がんになりにくい眼や耳にも気をつけて/猫に学ぶ生き方/病院嫌いのアナタに
第3章 養老孟司先生とともに
安田講堂での講演会から
【養老孟司先生の特別講演】
15キロ体重が減って、寝てばかり/子ども時代の病院体験/命を真面目に考えると…/歳をとってわかること
【トークセッション】
あるいは過剰診断?/まだやりたいことがあった/人間はそんなに論理的ではない/突き詰めることは善なのか
第4章 ヘルスリテラシーを高めよう
がんを避けるために・がんになったら
生活習慣の「最適化」を図る/住民がん検診が早期発見の第一歩/増殖過程で「個性」を持つがん/膵臓がんが急増、背景に糖尿病/直腸がん治療、生活の質も考慮/40歳未満ではがん患者の8割が女性/子宮頸がんの正しい知識を/がん治療の国際化をめざして/乳がん治療の現在/一人一人に最適な治療法を/働く人を支える放射線治療/保険適用で最善の治療が受けられる/あやしい医療、見破るコツ/第4の柱「免疫チェックポイント阻害薬」/緩和ケアの新常識を共有/放射線と神経ブロックで痛みを緩和/格差が罹患率・受診率に影響/進行がんは経済的にも負担が大きい/がん治療にもAI活用
第5章 リスクの「量」を見きわめる
危険を正しく判断、未来を読む力を
検査の自粛で懸念される進行がん/新型コロナ感染症とがん治療/原発事故と小児甲状腺がん/過剰診断の見直しが必要/韓国の過剰診断問題に学ぶ/トリチウム、人体への影響は?/ALPS処理水、海に放出へ/ウクライナのがん事情/ゼロリスク社会の落とし穴
第6章 「がんの壁」を越えよう
超高齢社会のフロントランナー
「一がん息災」という考え方/坂本龍一氏を襲った直腸がん/経営者の行動が社員を守る/がんでも働ける職場づくり/企業向け個別助言に高い評価/「治す」と「癒やす」で患者を支える/がんも「ピンピンコロリ」型に/80歳までにがんで命を落とさないために
母の入院と養老先生 あとがきに代えて