当社のグリーン鋼材「JGreeX™」(※1)について、このたびNYKバルク・プロジェクト株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長・社長執行役員:須田雅志)、 商船三井ドライバルク株式会社(本社: 東京都港区、代表取締役社長:菊地和彦)、東興海運株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:井髙建介)、川崎汽船株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:明珍幸一)、川崎近海汽船株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:久下豊)、第一中央汽船株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:黒澤正治)、第一中央近海株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:太田耕之輔)、およびイースタン・カーライナー株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:長手繫)の8社が新規で建造を予定しているドライバルク船(※2)に採用されることが決定しました。また、海運会社と共に社会全体のCO₂削減に貢献する新たなビジネスモデルを世界に先駆けて構築しました。なお、今回建造に使用する鋼材(※3)は全て、製造プロセスにおけるCO₂排出量を実質ゼロとした「JGreeX™」を使用する予定であり、グリーン鋼材のみを使用した船舶は世界初となります。
カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みが世界的に加速する中、国際海運の分野でも、CO₂排出量削減に向けた取り組みが求められています。 CO₂排出量が大幅に削減された鋼材を船舶に使用することへのニーズは高いものの、これまで、そのコスト負担に関するビジネスモデルが確立されていませんでした。
今回構築したビジネスモデルにおいては、海運各社、船主より造船会社に対して、使用する鋼材は「JGreeX™」を指定、CO₂削減コストについては、賛同いただいたサプライチェーン関係者の皆さまによって広く負担されます。当社も荷主の1社としてこのビジネスモデルを賛同するとともに、さらにその先のお客様にも同様に賛同いただけるようお願いし、CO₂削減価値をサプライチェーン全体で負担する社会分配モデル(図1) を実現します。 今回の取り組みはカーボンニュートラル社会の実現に向けたサステナブルなビジネスモデルの先駆けとなると考えております。
なお、今年度においては、NYKバルク・プロジェクト、商船三井ドライバルク、東興海運3社が建造を予定している4隻(2024年9月~2025年1月就航予定)向けに造船会社である尾道造船株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:中部隆)、檜垣造船株式会社(本社:愛媛県今治市、代表取締役社長:檜垣宏彰)2社に、「JGreeX™」を計14,000トン程度納入予定です。
当社は、今後もさまざまな低炭素化技術や省エネ・高効率化技術の適用拡大により、CO₂排出量のさらなる削減を実現するとともに、「JGreeX™」の販売拡大により、社会全体の脱炭素化に貢献してまいります。
※1:当社のCO₂排出削減技術により創出した削減量を「マスバランス方式(※4)」を適用して任意の鋼材に割り当てることで、鉄鋼製造プロセスにおけるCO₂排出量を大幅に削減した鉄鋼製品
※2:乾貨物を大量に輸送する貨物船
※3:造船会社が直接購入する鋼材
※4:一般社団法人日本鉄鋼連盟「マスバランス法を適用したグリーンスチールのCO2排出原単位の算定方法に関するガイドライン」に準じ、製品製造プロセス全体のCO2排出量の削減における環境価値を一部の鉄鋼製品に集約しCO₂排出原単位の低い鉄鋼製品とみなすこと。