国立印刷局による本学での特別講義の開催は、彫刻技法で2回実施しておりますが、セキュリティデザインでの特別講義は、美術系大学では初めてのことです。
この特別講義で学生は、国立印刷局が製造するお札(日本銀行券)やパスポート、切手、官報など最先端の印刷技術についての概要や、特にセキュリティデザインに必要な知識や偽造防止技術を盛り込んだデザイン作成、そのデザイン作成の進め方を中心にセキュリティデザインにおける工芸官の超絶知識を学びます。
-
概要
国立印刷局が製造する製品のセキュリティデザインについて、お札の歴史、変遷を振り返りながら現在に至る過程を学んでいただきます。
また、国民の皆さま方が普段からご使用される証券製品についてもお札の伝統技術をデジタル技術に活用・展開したセキュリティデザイン及び偽造防止技術についても紹介いたします。この講義は、国立印刷局の工芸官がどの様にセキュリティデザイン制作を進めているかを知ることができる特別講義です。
国民経済に不可欠なインフラストラクチャーの1つであるお札の製品設計を担っている国立印刷局工芸官の高いデザイン力を知ることができる今回の特別講義は、デザインを勉強している学生たちの将来のキャリアについての可能性と選択肢を広める絶好の機会となります。更に、一つの製品は、デザインだけでコンプリートするのではなく、様々なデザイナーが個の持つベストな力を発揮してセキュリティ製品が生まれることを知ることができます。
また、工芸官による特別講義は、セキュリティ製品に対する国民の信頼を維持するために必要な情報として、国立印刷局が長年培ってきた工芸官の高い知識を国民の皆さんに知って頂くことを目的とした、社会貢献活動の一環でもあります。
-
担当教員 油絵学科グラフィックアーツ専攻 高浜利也教授のコメント
国立印刷局工芸官による超絶的な手わざの極致ともいえるエングレーヴィング彫刻によって描出された画像が、印刷を経て最終的にお札(日本銀行券)や各種証明書として世に出るまでの過程では、私たちの想像をはるかに超えたレベルでアナログ、デジタルの技術が複雑に絡み合いながら作業が進んでいきます。その現場ではファインアートやデザインといった美術大学での2つの領域の学びにおける重なりや滲みから生まれるクリエイティビティと同様に、常に伝統と革新が融合する新しい様式、機能を備えた製品が生み出されてきました。
本学において 3回目となる国立印刷局による特別講義では偽造防止技術が付与された印刷物の設計としての「セキュリティデザイン」という領域についてご紹介いただきます。今回の講師は本学版画専攻(現グラフィックアーツ専攻)卒業生でもある工芸官にご担当していただきます。受講する学生それぞれの専門領域としての学びはもちろん、今後のキャリアデザインを考えていく一助になればと期待しています。
-
取材のポイント
これまであまり外部に出ることのなかった国立印刷局のセキュリティデザインを担当するデザイナーについて、講義の様子を取材できます。通常はメディアに顔を出さない工芸官*が、実際に学生へ向けてその知識や知見の一端を説明しながら解説する講義は、令和6年度上期発行予定の新しい日本銀行券が流通した際にも、報道用資料映像として使用できるシーンが撮影できます。
当日は、国立印刷局理事、銀行券部長が本学学長と意見交換会が行われる予定です。
-
取材対応
□取材を行う場合は事前申し込みが必要です。また、申し込み各社に対して事前レク(資料配布あり)を行いますので、あらかじめご承知おき願います。
□申込先:武蔵野美術大学 広報チーム koho@musabi.ac.jp / 042-342-6038
□事前レク
日時:6月23日(金)12:50 – 13:15
場所:1号館 3階 中会議室
*正門守衛室にて受付の上、12:40までに事前レク会場(1号館 3階 中会議室)へお越しください。
*展示場における作品の撮影は、禁止とさせていただきます。
*工芸官の顔の撮影には一部制限がかかります。
*特別講義は授業として行いますので、進行を中断するような取材撮影はご遠慮いただけますようお願いい
たします。
-
開催詳細
□日時:2023年6月23日(金) 1号館 1階 103講義室
13:20 – 14:20 特別講義「印刷局のセキュリティデザインについて」(質疑応答含む)
□受講対象:本学学生
□場所:武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス(東京都小平市小川町1-736)
□アクセス:
西武国分寺線「鷹の台」駅下車徒歩18分。
JR中央線「国分寺」駅より西武バス「武蔵野美術大学」行乗車25分「武蔵野美術大学正門」下車すぐ。
JR中央線「立川」駅より立川バス「武蔵野美術大学」行乗車25分「武蔵野美術大学」下車すぐ。
-
前回の特別講義(彫刻技術)の様子(2023年4月実施)
-
本件に関するお問い合わせ先
武蔵野美術大学 大学企画グループ 広報チーム
(取材のお問い合わせはこちらにお願いいたします)
E-mail:koho@musabi.ac.jp
〈工芸官に関するお問い合わせ先〉
国立印刷局広報官室
Tel.03-3587-4211/E-mail:proffice@npb.go.jp