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株式会社FerroptoCureについて
株式会社FerroptoCureは、慶應義塾大学 遺伝子制御研究部門にて開発した研究成果を元に、東大IPC主催の1stRoundや中小機構FASTAR、GTIE GAPファンド等の支援を通じ、設立された創薬ベンチャーです。がんや神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病など)など様々な疾患において、その発生や悪化に関わるとされているフェロトーシスに注目し、次世代の抗がん薬やその他疾患の治療薬の開発を進めています。
最新の研究により、がんの治療抵抗性においてフェロトーシスの制御が、がんの発生や進展、転移に強く関与することが知られています。特に、がん細胞にしばしば高発現しているシスチン-グルタミン酸交換輸送体のサブユニットxCTは、抗酸化物質である還元型グルタチオンの原料となるシスチンを細胞内に取り込む働きを持ちます。そのため、xCTの阻害によりフェロトーシスを誘導できることが知られており、がん治療の有望な標的の一つであるとされています。私たちはこのメカニズムを標的とした抗がん剤の開発を行い、基礎実験にて有効性の高いデータを得ており、この開発を通じ、がん患者さんに新しい治療法を届けることを目指しています。
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資金調達の目的と今後の展望
FerroptoCureは今回調達した資金を用いて、医療機関と連携し、リードプロジェクトに関する治験の実施、およびその他プロジェクトの非臨床試験を含む開発を推進していきます。
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投資家からのコメント
東京理科大学イノベーション・キャピタル株式会社
共同創業者/代表取締役マネージング・パートナー 片寄裕市
大槻さんが取り組むフェロトーシス誘導によるがん治療に大きな変化を起こす治療アプローチと、他の疾病やヒトだけでなくペットも含む将来の応用可能性を評価し、今回の出資に至りました。
FerroptoCureの皆様が目指す、日常生活や仕事への影響を抑え普段通りの生活をしながら治療できる未来を一日でも早く実現できるよう成長支援を行います。
Diamond Medino Capital株式会社
代表取締役 長谷部光泉
FerroptoCure社に最初に出会った時から、長年磨き続けてきたダイヤの原石のような基礎研究の結晶を、臨床現場の患者様に確実に届けることで、まばゆい輝きのダイヤモンドとして世に送り出したいなと思っていました。我々は、今回のFerroptoCure社の大型シード調達に参画できたことを大変嬉しく思っています。
社名の冒頭にもある”Ferropto”は鉄依存性の細胞死のメカニズムの一つとして注目される『フェロトーシス』であり、癌(ガン)のみならず、心筋梗塞・脳卒中・神経変性疾患などでも関連することが報告されています。『フェロトーシス』を活用した画期的創薬が癌(ガン)を始めとする様々な病気の治療に活用され、世界中の患者様の健康長寿に大きく貢献(”Cure”) する日が早く訪れることを心から願っています。大槻CEOと素晴らしい創業チームの皆様のご活躍をこれからも応援させていただきます。
東京工業大学連携ベンチャーキャピタル
株式会社みらい創造機構 パートナー 長妻祐美子
フェロトーシス研究の第一人者である佐谷先生のご系譜の研究成果の集大成として、同研究を共に進めてきた大槻先生を代表に株式会社FerroptoCureは設立されました。長年にわたる基礎研究と臨床研究のデータに基づき、いよいよ臨床試験に向かうタイミングで弊社も同じ船に乗り、リスクを取って投資支援していくことに意義を感じています。
東京工業大学西山研究室との共同研究は他大学との医工連携のモデルにもなります。今まで再発したり完治が難しかったがん幹細胞や難病への新しい医薬品を、医師や大学研究者ら自らの手で開発し、早期に患者さんへ届けたいというその熱意を支援し、その実現を心より期待しています。
ANRI株式会社
Associate 榊原和洋
「立場はなんでもいい。病気が治ればいい。少しでも多くの人を救うために薬を創りたい。そのために経営の勉強を一からやるのは苦でない。」臨床医→研究医→起業という道を歩まれている大槻さんの口から発された言葉、そこに宿る静かに大きく燃える炎に心動かされました。その熱とフェロトーシス誘導薬という新規のアプローチで、がん患者を幸せにする未来を信じています。ご一緒させていただけるのが楽しみです。
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会社概要
(1)会社名:株式会社FerroptoCure
(2)代表者:代表取締役CEO大槻雄士
(3)所在地:東京都千代田区富士見1丁目 富士見デュープレックスB’s 4F
(4)設立:2022年5月
(5)事業内容:フェロトーシスを標的とした創薬開発
(6)URL:https://ferroptocure.com/