ケアマネジャーによる爪白癬の啓発施策の成果~啓発チラシを配布したケアマネジャー1人あたり1.2人の利用者・家族が医師に相談、うち81%が爪白癬と診断~

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介護支援専門員(ケアマネジャー、以下ケアマネ)向けの会員制ウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」を運営する株式会社インターネットインフィニティー(本社所在地:東京都品川区、代表取締役社長:別宮 圭一、以下「インターネットインフィニティー」)は、製薬・医療機器メーカーに対して地域包括ケアシステム時代に対応する新たなマーケティング支援を提供する事業を展開しています。

科研製薬株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:堀内 裕之、以下「科研製薬」)は「一人でも多くの方に笑顔を取りもどしていただくために、優れた医薬品の提供を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる。」ことを企業理念とし、インターネットインフィニティーは「リアル×WEBヘルスケアサービスで健康寿命を延伸する」ことをミッションとしており、要支援・要介護高齢者の方々の「足の健康を守りたい」という点で両社の願いが重なりました。そこで今回、足の健康を守るためのプロジェクトを企画・実施いたしました。

当プロジェクトでは、介護従事者に足のアセスメントや適切なケア、受診勧奨の大切さを啓発することを目指しました。それを実現するために「ケアマネジメント・オンライン」を通じて、爪の健康に関するケアマネ向け啓発記事(全4回)を配信するとともに、爪白癬の啓発チラシ(下図)をケアマネに提供し、利用者・家族に渡していただきました。その結果、チラシを配布したケアマネ1人あたり1.2人の利用者・家族が医師に相談し、その81%が爪白癬と診断され、新たに治療につなげることができました。

ケアマネを介した受診勧奨を促進するためには、まずケアマネに医療知識の学習や意欲を高める機会を設けた後に、実際に利用者や家族への声かけがしやすくなるようなツールを用意することが重要だと我々は考えています。

今回のプロジェクトでは、まず「ケアマネジメント・オンライン」にケアマネ向けの爪白癬の解説記事を配信(全4回、2022年6~7月)しました。その記事を読んでくださったケアマネのうち、爪の健康について利用者・家族に周知したい方を募集しました。

そして、この募集に応じてくださったケアマネ885人に爪白癬の啓発チラシを30枚ずつ配送しました。チラシを受け取ったケアマネには、次回以降の自宅訪問の際に利用者や家族にチラシを手渡し、それ以降の訪問時に受診や治療開始の有無を確認するように依頼しました。

その後、効果検証のために、チラシを送付したケアマネに対してアンケート調査を実施しました。回答したのは513人で、そのうち回答に不備のなかった398人を解析対象としました。チラシの配布状況に関する結果を下表に示します。

チラシ配布率

398人に各30枚送付したので、チラシの枚数は合計11940枚でした。

配布枚数は全体で6322枚(53%)でした。

利用者・家族への配布率

利用者・家族に配布されたチラシの枚数は3108枚(26%)でした。

他のケアマネへの配布率

2192枚(18%)は他のケアマネに配布されました。

※当施策に参加したケアマネは、同僚のケアマネにチラシを分配したと考えられます

(居宅介護援事業所には平均3名のケアマネが在籍)。

介護サービス事業省への配布率

1022枚(9%)はデイサービスなど他の介護サービス事業所に配布されました。

※チラシに「足の爪の健康を保つ方法」が掲載されていたため、実際にケアを担当する介護従事者にも周知する目的で流用された、もしくは入浴介助などで足の爪を見る機会の多い介護従事者への確認依頼の目的などが考えられます。

また、ケアマネ398人を通じて利用者・家族に配布された3108枚のチラシがどのような効果をもたらしたかを下記に示します。

チラシに興味を持ってくれた利用者・家族の数

1327人(複数の設問からの推計値)

ケアマネが利用者の足や爪をアセスメントし、爪の変色・変形が見られた人の数

1696人

爪について皮膚科医やかかりつけ医に相談した人の数

466人

医師に相談した後に爪白癬の診断がついた人の数

375人

爪白癬の塗り薬が新たに処方された人の数

336人

爪白癬の飲み薬が新たに処方された人の数

111人

このことから、チラシを配布したケアマネ1人あたり1.2人の利用者・家族が爪について相談したことが明らかとなりました。また、そのうち81%という高い割合で爪白癬の診断がなされています。これは、爪白癬啓発チラシに爪の実物写真を掲載していたために爪白癬に気付きやすかったからと推察されます。加えて、介護現場には数多くの爪白癬の患者さんが残されていることの証左の一つでもあるかもしれません。

なお、爪白癬の塗り薬と飲み薬が処方された人数の合計(447人)が、今回爪白癬の診断が付いた人数(375人)よりも多い理由としては、併用療法が選択された可能性や、以前から爪白癬が指摘されていた、もしくは治療を中断していた人がカウントされていなかった可能性が考えられます。

以上のように、高齢者に多く、診断・治療を受けている割合が少ないと考えられる爪白癬のような疾患については、ケアマネへの教育および啓発資材の提供によって、未受診・未治療の患者さんを医療につなげられるのではないかと期待できる結果が得られました。

要支援・要介護の高齢者は皆、いわゆる「寝たきり」であると誤解されがちですが、実際には周囲の助けを借りながら、外出したり、社会活動や趣味などを続けたりして、生きがいを持って生活されています。ADLやQOLの低下を防ぎ、できるだけ長く住み慣れた地域・家で暮らせるようにするために、介護と医療の連携はより一層推進されるべきだと考えます。

我々は地域包括ケアシステム時代にマッチしたマーケティングに関して、ご要望や課題に応じて個別にソリューションを提案させていただいております。ご興味がある方はお気軽に下記までご連絡ください。

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【インターネットインフィニティーについて】

全国のケアマネジャー10万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」(https://www.caremanagement.jp/)、全国にリハビリ型デイサービス「レコードブック」(https://www.recordbook.jp/)を展開するなど、健康寿命の延伸に向け、様々なヘルスケアサービスを運営。 介護関係者や介護家族を対象とした調査や、疾患啓発、勉強会の集客支援、資材制作などの情報発信サポートを承っており、製薬会社や医療機器メーカーの皆様にご活用いただいております。

【科研製薬について】

科研製薬は、「一人でも多くの方に笑顔を取りもどしていただくために、優れた医薬品の提供を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる。」を企業理念とし、1948 年の設立以来、医療ニーズに即した医療用医薬品の研究開発を行っています。近年は、皮膚科、整形外科におけるプレゼンスを高めており、自社創薬品であり、国内で初めての外用の爪白癬症治療剤である「クレナフィン」は、グローバル製品として成長を続けています。

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