本邦初!「摂食障害(拒食症・過食症)歯科外来」の開設

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大津光寛(当協会理事・歯科医)が所属する日本歯科大学附属病院に本邦で初めて、2023年4月1日より、摂食障害患者向けの歯科外来が開設されます。

このたび、一般社団法人日本摂食障害協会(所在地:東京都千代田区、理事長:鈴木眞理)の理事である大津光寛(当協会理事・歯科医)が所属する日本歯科大学附属病院に本邦で初めて、2023年4月1日より、摂食障害患者向けの歯科外来が開設されます。 

摂食障害(拒食症(神経性やせ症)・過食症)の患者は歯が溶けたり、虫歯になったりと口の中にトラブルが起きやすいことがわかっています。またそれらは摂食障害の症状である食べ吐きなどの食習慣の変化が原因ということもわかっています。そのため、摂食障害患者の歯科治療は患者ごとの食習慣(症状)を考えて、治療・予防をしていくことが大切です。特に食べ吐きがある場合は、できるだけ歯を削らずに歯を守っていくことも必要になります。

また、歯科治療を通じて、摂食障害治療未受診患者、ドロップアウト症例に対しては医科受診の機会を探りながら、積極的に受診を薦め、必要であれば適当な医療機関へ紹介するなど、新しい受診体制の構築も期待できます。このような治療には歯科医療者自身が摂食障害という病気、そして患者をよく理解しているということがとても重要になります。摂食障害患者がより良い環境で、歯科治療を受けられるように準備をして参ります。

■日本歯科大学附属病院
〒102-8158 東京都千代田区富士見2-3-16 電話.03-3261-5511(代表)

日本歯科大学附属病院ホームページ
http://dent-hosp.ndu.ac.jp/nduhosp/index.html

日本歯科大学附属病院(歯科外来について)
http://dent-hosp.ndu.ac.jp/nduhosp/section/special/7_63dc89a91cd77/index.html

■摂食障害について
摂食障害とは心理的な原因で食の異常をきたす疾患で、異常にやせている拒食症(神経性やせ症)と過食発作を繰り返す過食症があります。患者の95%が女性で、性差が大きい疾患です。一方、過食症の有病率は拒食症(神経性やせ症)の5~10倍と報告されており、今や摂食障害はありふれた病気です。特に、拒食症(神経性やせ症)の死亡率は6~11%で、精神科疾患の中でも、若年者の疾患としても異常に高いと言えます。成長期に発症すると身長が伸びず、初潮が遅れます。無月経と不妊症、骨粗鬆症、歯の喪失は後遺症になります。過食症はうつ病などの精神科的合併症を伴いやすく、両者とも適切な治療が行われないと慢性化しやすく、就労できないまま、医療福祉費の高騰を招きます。学校のクラブ活動やスポーツ選手などでは、さらに高率に極端なダイエットや過食嘔吐が見られ、低栄養からくる骨粗鬆症と無月経は女性特有のスポーツ障害といわれています。また、昨今のコロナ禍においては、小学校、中学年から発症が見られ、低年齢化傾向があり問題となっています。

■日本摂食障害協会(JAED)について
当協会は、摂食障害の治療と予防の増進に寄与することを目的とし、摂食障害患者及び患者ご家族の支援、摂食障害の啓発活動・予防活動、摂食障害に関する調査研究・発表などの活動を行っている団体です。理事8名を中心に、特別顧問4名、参与43名、フェロー13名で作られた組織で、摂食障害の治療に長年携わってきた心療内科、内科、精神科医、小児科、婦人科、臨床心理士、管理栄養士など専門家からなり、全国的に活動をしています。

一般社団法人日本摂食障害協会ホームページ
https://www.jafed.jp/

■日本摂食障害協会「学生部」について
摂食障害は心身共に深刻な影響を与え、誰でもがなりうる病気です。すべての人に食と健康に対する正しい知識を啓発し、摂食障害になりにくい社会の実現を目指したい。特に未来を担う同世代の若年者の健康を自分たちで守りたい!と声をあげてくれた、当事者の学生たちが中心となった「学生部」を立ち上げました。

当事者の学生だからできる、当事者やご家族に寄り添ったイベント企画や、協会の公式Instagramを学生が主体となって運用を開始します。学生目線で発信するメッセージと、医療者の専門家集団である協会だからこそできる、摂食障害の正しい知識、新しい情報発信を行います。新しい若い力で、さらにパワーアップをして活動をして参ります。

【日本摂食障害協会 公式Instagram】 official_jaed
https://www.instagram.com/official_jaed/

■講習会の開催
「摂食障害(拒食症(神経性やせ症)・過食症)歯科外来」開設に合わせ、当事者、ご家族向け講習会を開催します。1部では、当協会の大津光寛理事に「摂食障害と歯のトラブル〜う蝕・酸蝕予防と歯科治療〜」をテーマに、歯に関する治療・予防についてお話をします。今回は当事者、ご家族の目線で学生から専門家にインタビュー形式で色々質問をしていきます。

<概要>
【日程】2023年3月19日(日)10:00~12:00@オンライン
【費用】無料
【定員】80名
【対象】当事者、ご家族、歯科関係者など

【登壇者】
・鈴木 眞理:跡見学園女子大学 心理学部 臨床心理学科 特任教授 当協会理事長
・大津 光寛:日本歯科大学附属病院 心療歯科診療センター 准教授 当協会理事
・当協会学生部

【応募・詳細】
https://www.jafed.jp/free-seminar/
 

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