■背景
本プロジェクトは、異彩作家が描くアートの美しさそのものへの共感と、障害のある作家とアートのライセンス契約を結び、作家へ持続可能な収益を提供するビジネスモデルを展開する当社に資生堂が共鳴したことからはじまりました。
資生堂の2023年最初のアクションとして、企業使命をアートで表現するプロジェクトが始動。アートを本社に設置することで、社員が企業使命を行動指針として意識できるよう期待しています。
オリジナルアートにはへラルボニー契約作家の小林覚氏を起用。文字と文字を繋げてアートを描くという特性を活かし、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」の文字をアートで表現しています。また、社員に本プロジェクトをより自分ごととして捉えてもらうことを目的に、企業使命への思いを資生堂社員から募り、その言葉を同作品内に落とし込み、一つの作品として仕上げました。
■作家との共同制作
本プロジェクトは、単にへラルボニーがアート作品の制作を請け負い、作家が制作するのではなく、作家と資生堂社員が共同で作り上げたプロジェクトです。
「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」を企業使命に掲げる資生堂は、人は本来、多様であるとの認識のもと、一人ひとりが自分らしい人生を実現できるインクルーシブな社会の実現を目指しており、知的障害のある異彩作家と共にこのプロジェクトを作り上げる当社の姿勢に共感していただきました。
本プロジェクトを通じて、小林覚氏の人柄を伝えたいという思いから、小林覚氏と共に資生堂の本社汐留オフィスへ赴き、制作を手がける資生堂クリエイティブ社員と共に打ち合わせに参加。さらに、制作当日は制作風景をオンラインで中継しながらアート制作をしました。翌日、小林覚氏の自宅に資生堂クリエイティブ社員が訪れ、異彩作家が普段どのようにご家族と過ごしているのか知っていただく機会となりました。
■作家・作品紹介
作品名:「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」
作家:小林 覚氏
在籍:るんびにい美術館(岩手県)
好きな音楽家はビリー・ジョエル、クイーン、井上陽水、スピッツ、THE BOOM。そして散歩が大好き。小林は養護学校中等部の在学中に、日記も作文もすべての文字を独特の形にアレンジして書くようになった。初め学校の先生も何とか直せないかと苦心したが、やがてこれを魅力的な造形表現ととらえることに切り替える。これを転機に、彼の表現は多くの人に喜びを与えるアートとして羽ばたき始めた。
※「障害」という言葉について
株式会社ヘラルボニーでは、「障害」という言葉については多様な価値観があり、それぞれの考えを否定する意図はないことを前提としたうえで、「障害」という表記で統一しています。「害」という漢字を敢えて用いて表現する理由は、社会側に障壁があるという考え方に基づいているためです。
【株式会社資生堂概要】
1872年日本初の民間洋風調剤薬局として東京・銀座で創業し、現在では約120の国と地域で事業を展開しています。企業使命の実現を目指し、性別や年齢、国籍といった属性や考え方の違いに関わらず、個々人の違いをお互いに認め尊重し合い、新しい価値の創造に取り組んでいます。2021年には「インクルーシブ社会」の実現を目指す国際イニシアティブ「The Valuable 500」の考えや活動に賛同し、加盟しました。本業であるビューティービジネスを通じて「人々が幸福を実感できる」サステナブルな社会の実現を目指しています。
会社名:株式会社資生堂
所在地:東京都港区東新橋1-6-2
代表者:代表取締役 会長 CEO 魚谷 雅彦
資生堂 企業情報
https://corp.shiseido.com/jp/
https://corp.shiseido.com/en/
【資生堂クリエイティブ株式会社概要】
資生堂クリエイティブは、1916年創設の資生堂意匠部をオリジンとする、美に専門性を持つクリエイティブコレクティブ。「美の力、クリエイティビティの力を信じ、世界に”感動-kando-“をもたらす」というパーパス実現に向け、資生堂の国内外ブランドを中心に体験デザインを展開している。
会社名:資生堂クリエイティブ株式会社
所在地:東京都港区東新橋1-6-2
代表者:代表取締役 山本 尚美
公式サイト:
https://www.shiseidocreative.com/
https://www.shiseidocreative.com/en/
【株式会社ヘラルボニー概要】
ヘラルボニーは「異彩を、放て。」をミッションに掲げる、福祉実験ユニットです。
国内外の主に知的障害のある作家、福祉施設と契約を結び、2,000点を超える高解像度アートデータの著作権管理を軸とするライセンスビジネスをはじめ、作品をファッションやインテリアなどのプロダクトに落とし込む、アートライフスタイルブランド「HERALBONY」の運営や、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開しています。これらの社会実装を通じて「障害」のイメージ変容と、福祉を起点とした新たな文化の創造を目指します。社名である「ヘラルボニー」は、知的障害のある両代表の兄・松⽥翔太 が7歳の頃⾃由帳に記した謎の⾔葉です。「⼀⾒意味がないと思われるものを世の中に新しい価値として創出したい」という意味を込めています。
会社名:株式会社ヘラルボニー / HERALBONY Co.,Ltd.
所在地:岩手県盛岡市開運橋通2-38
代表者:代表取締役社長 松田 崇弥、代表取締役副社長 松田 文登
公式サイト:
https://www.heralbony.jp
https://www.heralbony.com