当社グループの発電所は、開発中も含め全国で6基(2023年1月末現在)の再エネ事業を展開しておりますが、FIT制度からFIP制度への切り替え手続きを行ったのは本件が初となります。
当社は、脱炭素とエネルギーの安定供給の両立を基軸に「脱炭素に向けた新たなイノベーションを起こす」という中期経営計画の重点取組の1つとして、既存設備の安定稼働と効率的運営を掲げ推進しております。
FIP制度は、再生可能エネルギーを主力電源とすることを目的にFIT制度に代わる制度として、国が推進しているものです。2022年4月から運用が始まり、発電事業者には発電計画と発電実績を一致させる責務(以下「計画値同時同量」)が新たに課されます。また、売電先を発電事業者が自ら選ぶ必要があるなど、FIT制度から運用が変わります。
当社は、電力事業における脱炭素ソリューションの拡大のため、トラッキング付FIT非化石証書を活用し、”実質”再エネ化された電気によるCO2フリープランの提供の拡大や、バイオマスをはじめとする国内外での再生可能エネルギーによる発電を推進しております。この度、FIT制度下で運営していた「土佐発電所(運用容量20MW)」をFIP制度への移行認定申請を実施し、経済産業大臣より認定を受けました。
エネルギーの自給率が低い我が国では、今後再生可能エネルギーが主力電源のひとつとして拡大していくことが期待されますが、一方で需要と供給のバランスなど電力市場の状況を踏まえた発電をおこなう自立した電源になることも重要です。当社は、バイオマス発電所としてはいち早くFIP制度を導入し、FIP制度下における運営の実績と経験を積み重ねていきます。本件の取組を通じ、脱炭素へのニーズの高まりに伴う再生可能エネルギーの拡大を推進すると共に、発電事業者としての強みを活かし、自社で発電した再生可能エネルギーを需要家への供給を始めとして、外部売電も視野に入れ、広く世の中に再生可能エネルギーを供給していくことで、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
2.今後の発電事業について
FIT制度認定済みバイオマス発電所のFIP制度への移行は、全国的にもまだ限定的であり、本件は先進的な取組みと考えております。当社は今後も、自立化した再生可能エネルギー事業の早期体制構築を目指してまいります。
脱炭素社会の実現に向け、引き続き事業の拡充を行ってまいります。
3. 今後の見通し
本件による、2023年3月期の当社連結業績に与える影響は軽微です。今後、公表すべき事項が生じた場合には速やかにお知らせいたします。
※1 「フィードインタリフ(Feed-in Tariffs)」の略称。再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオ
マス)で発電した電気を、国が定める固定価格で、電力会社が一定期間で買い取ることを国が約束する制度。
※2 「フィードインプレミアム(Feed-in Premium)」の略称。FIT制度のように固定価格で買い取るのではなく、
再エネ発電事業者が卸市場などで売電したとき、その売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せ
することで再エネ導入を促進するもの
土佐発電所(高知県土佐市)