【背景】
2020/4/7~5/25に第一回緊急事態宣言が発出されてから、約3年が経過しようとしています。コロナ禍を経て、旅行業界を中心に「安い、近い、短い」の「安・近・短」がトレンドとなっています。また、社会活動においてもテレワークやオンラインイベントが浸透してきましたが、こうした社会変化のなか、保険加入はどのように捉えられているのか、調査を実施しました。
調査期間は2022年12月22日から23日の2日間で、全国の20歳から59歳の男女を対象に、インターネットリサーチを実施し、483名の有効回答を集計しました。
【調査結果のサマリー】
- 保険加入の際に重視するポイントの第一位は「安心感」49.5%、第二位は「保険料の手頃さ」43.7%
- 30代女性の9割は、自宅に営業職員を招くことに抵抗がある。
- 営業職員を自宅に招いて保険に加入している人でも、半数以上は営業職員を自宅に招くことに抵抗を感じている。
- 実際にインターネット・郵送で保険加入した理由の第一は「保険料の手頃さ」と「自宅にいながら加入できる」が共に30.6%
- 保険加入にかかる時間は「4時間未満」との回答が75%以上
- 保険加入は「安心・安価」「身近」「短時間」を重視する方向に向かう
■保険加入の際に重視するポイントはなんですか?
保険に加入する際に重視するポイントとして、全体では、「安心感」と回答する方が最多で49.5%、次いで「保険料の手頃さ」43.7%となりました。
これに対し、インターネット・郵送経由での保険加入者のみで集計した場合は、「保険料の手頃さ」を選んだ人が一番多く(回答数69)、非対面で加入する場合には重視するポイントが異なる結果となりました(グラフ1)。
■営業職員を自宅に上げることに抵抗はありますか?
営業職員が自宅に来てくれることで、慣れている自宅で保険相談ができる安心感や、時間を取って、出向かなくても自宅に来てくれるので助かるなどのメリットを感じる方がいる一方、営業職員を自宅に招くことに抵抗がある方もいるようです。調査の結果、全体の7割弱が自宅に上げることに抵抗がある、または、多少あると回答しています(グラフ2)。
さらに、年代別にみると、30代の約8割が営業職員を自宅に上げることに抵抗がある、または、多少あると回答しており、特に30代女性においては、9割近くが営業職員を自宅に上げることに抵抗がある、または、多少あると回答しています(グラフ3a,b)。
■実際に保険加入した人に加入の経路とその理由をうかがいました
保険加入者の加入経路は、来店・営業職員を合わせた対面での加入が約6割、保険会社公式サイトでのダイレクト、保険比較サイト、郵送で手続きを行う紙通販を合わせたインターネット・郵送での加入が約3割でした(グラフ4)。
加入経路別のチャネル選択理由は、対面型チャネルの加入者は、営業職員であれば、「自宅に来てもらえる」、来店であれば「近所に保険ショップがあったから」と物理的な近さや身近さを理由とした方が最も多い結果となりました(グラフ5)。
一方で、自宅に訪問した営業職員から加入している方でも半数以上は、営業職員を自宅に招くことに抵抗がある、または、多少あると回答しており、さらに、「自宅に来てもらえるから」を理由に上げている方についても4割強は営業職員を自宅に招くことに「全く抵抗がないわけではない」ことも分かりました(グラフ6)。このことから、自宅に営業職員を招くことに多少の抵抗はあるものの、それ以上のメリットを感じている方が一定数いることが読み取れます。
他方、インターネット・郵送で保険加入した理由の最多は「保険料の手頃さ」と「自宅にいながら加入できる」(共に30.6%)でした。さらに、インターネット経由での加入に限ると「オンラインで加入できる商品だったから」もほぼ同数が理由として選ばれました(グラフ7)。このことから、外出や営業職員を自宅に招く必要がなく、保険料に関する関心が強く、ご自身のニーズが明確な方がインターネット経由での加入を選択し、オンライン加入に至っているとも言えそうです。
■保険加入にかかった時間はどれくらいですか?
保険を選び始めてから加入手続き完了までの所用時間は「4時間未満」との回答が75%以上を占め(グラフ8)、加入経路による大きな違いはありませんでした。
また、加入経路別の「保険加入までに、保険について自分で調べる時間」は、「営業職員→来店型→インターネット・郵送」の順番で、より多くの時間をかける傾向がみられます(グラフ9)。
営業職員から入る場合には全く調べず加入する人が約4割にも上っている一方、インターネット・郵送経由では加入者の約半数が2時間以上調べてから加入するなど、「営業職員→来店型→インターネット・郵送」の順番で、より能動的に保険について調べる傾向にあると言えます。
また、「保険加入までに保険について自分で調べた時間の割合」を男女別にみると、女性は「全く調べない」か「2時間未満」で済ませた人が同数(回答数51)となっており、女性の7割弱を占める一方、男性は、2時間~6時間調べる割合が6割弱を占め、女性よりも調べる人が多いことが読み取れます。(グラフ10)
さらに年代別に分けると、男性は若い世代ほど調べる人の割合が増えており、20代男性の9割弱が調べてから加入していることが分かりました。また、女性の場合も若い世代ほど調べる傾向にあると言えそうです。(グラフ11a,b)
■総括「低コストで納得感のある保険選びを」
調べる時間を確保し、能動的に分析した上で自発的に保険を選択する層、つまり「金融リテラシーが高いと考えられる層」が「営業職員→来店型→インターネット・郵送」の順番に増えている傾向が読み取れます。今後、インターネット上で保険の情報整備が進み、金融教育により保険加入者の金融リテラシーが高くなれば、来店やインターネット経由での保険加入者が増えると言えそうです。
一方、「営業職員→来店型→インターネット・郵送」の順番で、「時間的なコストが増加する」とも言えるため、「選択のコスト」に見合う「保険選びによる納得感」が重要となりそうです。「来店型」「インターネット経由」の「保険選びに使う時間も含めたコスト」が低減され、より短時間で十分な情報が得られれば、これらのチャネルをより積極的に選択する動機づけになると考えられます。
現在、コロナ禍もあり生活環境のデジタル化が加速度的に進んでいます。インターネットを通じた保険に関する情報整備が進み、金融教育の強化により、加入者の金融リテラシー向上を後押しすることで、今後、自分でより能動的に保険選びをする人が増えることが予想されます。その結果、オンラインでの保険加入の増加が見込まれますが、この時に重要となるのが、時間を含めた保険選びの「コスト(負担)」です。
「安心・安価」「身近」「短時間」に、より少ないコストで納得感のある保険選びが求められていると言えるでしょう。
◆本調査へのコメント(東京女子大学 現代教養学部 特任教授 長谷川 克之様)
本調査は保険加入意識調査として大変興味深いものである。本調査の貴重な示唆として、まず、加入チャネルにおけるインターネットの重要性がある。ネット申込は全体の23.2%を占め、厳密には比較できないものの、コロナ禍以前、或いは感染初期の各種調査よりも一段と高い結果が得られている。本調査が明らかにした営業職員の自宅訪問への抵抗感にも鑑みれば、ネット申込の伸び代は大きいといえる。
次に、加入時の決定要因である。非対面加入では「保険料の手頃さ」が一番重視されているが、「わかりやすさ」、「安心感」、「信頼感」も重要なポイントとされる。消費者が価格オンリーではないことも確認された。
加えて、非対面加入では対面加入に比べ多くの時間を割いていることもわかった。営業職員のお任せやセールスによらず、自分のペースで納得行くまで調査する加入者の姿がうかがえる。多様化する消費者ニーズに沿った保険販売が求められているといえよう。
【調査概要】
- 調査名:保険加入に関するアンケート調査
- 調査主体:自社調べ
- 調査対象:全国の20歳から59歳の男女
- 調査期間:2022年12月22日から23日の2日間
- 調査方法:インターネットリサーチ
対象者:属性詳細
年代 | 男性 | 女性 | 総計 |
20歳~29歳 | 60 | 60 | 120 |
30歳~39歳 | 60 | 61 | 121 |
40歳~49歳 | 60 | 60 | 120 |
50歳~59歳 | 61 | 61 | 122 |
総計 | 241 | 242 | 483 |
質問ごとの調査結果詳細はこちら:https://konohoken.com/insurance/reports/13384/
本リリースのPDFはこちら:https://files.microcms-assets.io/assets/f84aa30f91624818a0311521de70d1bb/1564b928473b49f4b3a265c22e88c07b/20230201_insurance_report_SFL.pdf
関連URL:https://konohoken.com/news/reports-20230201/
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会社名: Sasuke Financial Lab株式会社 ( https://sasukefinlab.com/ )
本社所在地: 東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル2階 FINOLAB内
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