- プロジェクト背景
nakahara-souは、世田谷代田駅徒歩3分の、かつて中原商店街として200店近い商店が並んでいた通りに開業するコンパクト複合施設です。同商店街は戦後の環状七号線の道路計画によってお店の多くが立ち退き、賑わいが消えた状態が続いていましたが、近年、小さなお店や拠点を構える若い人たちが少しずつ増え、新たな動きが生まれはじめているエリアです。
UDSは世田谷代田地域を含む下北線路街*計画の全体構想から参画し、世田谷代田駅前では地域住民の方の声をもとに企画、設計した温泉旅館「由縁別邸 代田」を運営しています。nakahara-souプロジェクトは、その世田谷代田に代々住まわれている土地オーナー様からの「建て替え予定の建物を、地域の人に喜んでもらえ、この地域に再び賑わいと人と人のつながりを生むようなものにできないか」というご相談を受けてスタートしました。
*小田急線「東北沢駅」から「世田谷代田駅」までの地下化に伴う線路跡地の開発によって生まれた新しいエリア
UDSでは携わってきた下北線路街のまちづくりとのつながりを意識しながら、世田谷代田のまちの魅力を高め地域の方に喜んでもらえる店舗とSOHOからなるコンパクト複合施設として、施設の企画および設計に取り組みました。
- 施設特徴
■ 1マイルを豊かに- 日々の暮らしを豊かに彩るお店
地域の暮らしを支えるお店が連なっていたかつての中原商店街の歴史を汲んで、通りに面した1階と地下階は地域の日々の暮らしをより豊かに彩る店舗のフロアとして計画。小規模事業者でもお店をスタートしやすいよう、適度な面積や視認性を意識した区画設定を行いました。
入居店舗や入居者を探していくにあたっては「施設コンセプトに共感してくれる方」を重視し、コンセプトを伝えるための施設ブランディングおよびコミュニケーションツールのデザインもUDSにて行いました。リーシングは「田んぼを耕すようにまちを耕す」ことをコンセプトに空き家再生とまちづくりに取り組むomusubi不動産が担当し、1階にイノベーティブフレンチ「Neki」のシェフ西恭平氏が手がける薪火レストラン「songbook」、地下1階にバーテンダー野村空人氏がプロデュースするカクテル・バー＆スタジオ 「Quarter Room」が開業。SOHO区画にも施設コンセプトや世田谷代田のまちに魅力を感じていただいた方々の入居が決まっています。
1階：songbook
日本橋兜町のイノベーティブフレンチ「Neki」のシェフであり同店にてミシュランガイド東京ビブグルマンも獲得した西恭平氏による薪火レストラン。窯の中でゆらゆらと燃える薪火と西氏セレクトの音楽と共に、薪火で調理した季節野菜やお肉料理、ピッツァイオーロが焼き上げるピッツァを、国内外から厳選したナチュラルワインと共に楽しめます。
営業時間 LUNCH 12:00 -14:30 DINNER 17:00 – 22:00
定休日 月により変動 詳しくは公式インスタグラムにて
席数 13席
Instagram https://www.instagram.com/songbook_tokyo/
地下1階：Quarter Room
バーテンダー野村空人氏のプロデュースによるカクテル・バー＆スタジオ。アートとカクテルの新たな融合をテーマに、クラシックなものから現代アートまで、さまざまなアート作品を独自に再解釈し、メニューに落とし込み再現したカクテルを楽しむことができます。また、ゲストアーティストを迎えてのアート展示も実施予定。バー・エリアの奥には、カクテルメニューの考案・開発や、ボトルドカクテルの製造ができる LABO（ラボ）を併設。その販売エリアとして KIOSK（キオスク）もオープン予定です。
営業時間 8:00 – 24:00
定休日 火、水 ※月により変動。詳しくは公式インスタグラムにて
Instagram https://www.instagram.com/quarter_room_tokyo/
■ 豊かな住環境を最大限に生かした、住む×働く×集まる SOHO
下北沢の賑わいや文化が感じられながらも自然豊かで落ち着いたエリア、という都内でも稀有な立地を生かして、店舗以外の区画にはスタイルに応じて自由度の高い使い方ができるSOHOを計画しました。まちの人とつながりながら、まちに新しい風を吹き込んでもらえる方を呼び込めたら、という思いで企画・設計しています。
SOHO は全５室。屋上の開放感を最大限に生かした専用の屋上テラス付きのメゾネット3室は、大きな窓と吹き抜け空間で空と自然光に満たされる空間です（53.38㎡〜56.12㎡）。１階から地下のメゾネット（72.47㎡）には大きな窓と２カ所のドライエリアを設けて、光や風が通るように。ワンルームタイプも天井高を高くとり、広々と感じられる空間に仕上げました（35.10㎡）。※SOHOは現在満室となっています。
■ まちと空とつながる建築
建物の設計コンセプトは「ひろがりのある生活の積層体」。通り側の面には空と豊かな光を取り込む大きな開口を設け、居心地のよい場所が積層することで建物全体としての表情を生み出すことを目指しました。
1階と地下は外と内をつなぐテラスが縁側のようにまちと人をつなぐイメージで計画。地下フロアは床面レベルを引き上げて１ｍ地上に顔を出したつくりで、光が差し込み、また通りからも地下の様子が伺えるデザインとしています。
【施設概要】
施設名称：nakahara-sou（なかはらそう）
所在地：東京都世⽥⾕区代⽥5丁⽬10-7
グランドオープン ：2023年1月13日（金）
URL：https://nakahara-sou.jp/
アクセス：⼩⽥急線「世⽥⾕代⽥」駅徒歩3分、⼩⽥急線、京王井の頭線「下北沢」駅 徒歩9分、京王井の頭線「新代⽥」駅徒歩5分
構造・規模：鉄筋コンクリート造・地下1階地上３階建て
敷地面積：217.11㎡
建築面積：153.11㎡
延べ床面積：438.32㎡
施設構成：店舗（カクテル・バー＆スタジオ、レストラン）、 住戸（5戸）
事業主・運営管理 ：中原地所株式会社
リーシング： omusubi不動産
企画・設計：UDS株式会社
施工：太平建設株式会社
＜omusubi不動産について＞
DIY賃貸管理戸数日本一*のおこめをつくる不動産屋。2014年より、”顔が見える人と暮らし” を築きたいと、「自給自足できる街をつくろう」をコンセプトに、入居者や街の方々と一緒に田んぼや稲刈りをしながら不動産業を行っています。築60年の社宅をリノベーションした「せんぱく工舎」をはじめとしたシェアアトリエや、松戸市主催の国際フェスティバル「科学と芸術の丘」の運営にも携わっています。2020年4月には、下北沢のBONUS TRACKに2号店を構え、施設全体の管理とコワーキングスペースの運営も行っています。
空き家をつかったまちづくりと田んぼをきっかけにした入居者との暮らしづくりに取り組むことで、自然と一緒に暮らし続けられる未来づくりを目指しています。* 全宅連不動産総研研究員談
http://www.omusubi-estate.com/
＜UDSについて＞
UDS株式会社は、事業性と社会性を実現するしくみ=「システム」で都市を豊かに楽しくすることを目指し、国内外でまちづくりにつながる事業の企画、設計、店舗運営を手がけています。企画から設計、運営までを一連で手がける独自性に基づいたコミュニティが生まれる場づくりを強みとしており、日本のデザインホテルの先駆けとなった「CLASKA」などの不動産リノベーション事業や、子どもの職業体験施設「キッザニア東京」など独自の仕組みをもつ施設の企画、設計、運営において多くの実績を有しています。
http://www.uds-net.co.jp
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