一般社団法人Fora、鹿児島県大島郡瀬戸内町と連携し、オンライン探究スクールを開始。「高校生による瀬戸内町の課題解決」を目指す

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一般社団法人Foraは、鹿児島県大島郡瀬戸内町と連携し、「高校生による瀬戸内町の課題解決」を目指すオンライン探究スクール『瀬戸内町まちづくり研究所』を2022年7月より開始しました。本年度は過疎地域の高校魅力化をテーマに、地元の古仁屋高校の生徒と、オンライン参加の全国の大学生や社会人を繋ぎながら、半年間を掛けて提案をまとめます。

 

開始の背景
鹿児島市から約400㎞離れた奄美大島にある鹿児島県立古仁屋高校は、島内最南端に位置する、全校生徒約80名の普通科の小規模高校で、少子高齢化の影響等により生徒数が減少しています。また,中学校卒業と共に町を離れ、他校で寮生活を送りながら学ぶ生徒もおり、地元の鹿児島県瀬戸内町でも、高校魅力化に取り組んできました。 

これまで町をあげて、地元の高校振興を行うべく、地域みらい留学の活用や地域おこし協力隊のコーディネーター配置、地元教育委員会との連携、保護者向けの支援策の充実などを行っており、30名を超える地域みらい留学生の受け入れを行うなどの実績をあげてきました。 

その上で、保護者目線での魅力化だけでなく、生徒目線での高校魅力化、言い換えれば、生徒が「学びたい」と思える古仁屋高校や瀬戸内町での学びを考えて、古仁屋高校で実際に学ぶ生徒たちの目線に立った魅力化施策を、生徒たち自身が主体となって町に提案することを目指したいとの考えがありました。

また古仁屋高校の生徒も、地元を学ぶ機会が少ないことや、地域課題の解決へのチャレンジの機会が少ないこと、県外等の大学生や社会人と話す機会が得づらかった側面があり、地元振興や高校魅力化に関心を寄せつつも、具体的な行動や機会を得られていない現状がありました。

そこで、本事業では、これまで一般社団法人Foraが学校教育で培った探究学習支援の知見や、行政等との事業コーディネートの経験、全国の大学生/大学院生、社会人のネットワークを活かし、半年間のワークショッププログラムを実施しております。Foraが掲げてきた「場づくりで主体性を引き出す」をコンセプトに、瀬戸内町役場や鹿児島県立古仁屋高校とも連携しながら、『瀬戸内町まちづくり研究所』と名称した放課後の課外活動を通して、瀬戸内町の課題解決を推進する生徒達を支援していきます。

 
瀬戸内町まちづくり研究所で行うこと
オンライン探究スクールでは、“瀬戸内町を盛り上げたい!” という生徒達を募集し、今年は,“古仁屋高校の生徒を増やしたい!”という生徒の内発的動機を起点に、半年間かけて学校魅力化に関するアイデアを立案し、他者と関わりながら実践を目指しています。

毎回の授業では、zoomを活用して全国の大学生とオンラインでつなぎ、適宜、大学生の取り組む研究内容やアドバイスに触れる機会を設けるとともに、探究の過程で必要な「課題設定、情報収集、整理分析、まとめ表現」の一連の過程を伝えながら、高校魅力化に向けた課題を生徒たち自らが設定して、試行錯誤を行いながら、探究を進めていくことを支援します。

また、島内に大学のない奄美大島の高校生にとっては、大学生と一緒に多くの時間を共にすること自体が貴重な経験となるため、適宜、大学生の進路選択談なども織り混ぜながら、自分なりの目的意識や動機をもって行動をしていくキャリア教育の側面も合わせて行います。

2023年2月には、瀬戸内町の方々に、これまでの取組を紹介し、今後の活動などを発表する予定です。
 

■参加している生徒のコメント
私は「地域の課題解決に取り組んでみようかな」という軽い気持ちでこの活動に参加しました。この活動は大学を志望していたにも関わらず、大学がどのような場所か知らない私にとって、大きな学びになることが数多くありました。私は大学で経営学を学び、将来は社長になろうかなという漠然とした、夢がありました。しかし、町づくり研究所に通ううちに、将来は役場職員として、地域の活性化や古仁屋高校の活性化に携わっていきたいと思うようになりました。そのため、大学では地域学を専攻し、主に地域経済について学び、役場職員として地域活性化に取り組み、ゆくゆくは瀬戸内町長になりたいと思います。また、この活動は大学を志望している人以外でも、基本的な探究の方法などを学ぶことができ、将来の自分に役立つ事が沢山あるので参加して損は無いと思います。今後も町づくり研究所に通い続け、来年の2月にこれまでの取組の成果として私たちがまとめた課題の解決法を発表したいと思います。しかし短期間で解決法を見つけるのは難しいと感じているので、今後も課題解決に取り組んでいきたいと思います。また、大学生や大学院生、社会人の方との交流も出来るので、コミニュティが広がり、自分の世界が広がっていきます。今後が楽しみで仕方ありません。
 

■鹿児島県瀬戸内町「古仁屋高校活性化対策室」
本町は、人口約8,400人の町です。少子高齢化等の影響により、年々地元の古仁屋高校の生徒も減少しつづけています。
今年度、活性化対策室では、初の試みとして、高校生が自ら町の課題を見つけ、自分達にできることを考え、実施していくことを目的として本事業に取り組んでおります。現在は、身近な課題解決として、自分たちの学校の魅力化について学んでいます。探究授業をとおして、少しずつ自分達の意思で動き出してきているのが感じられ、とてもうれしく思います。
今後も、生徒一人ひとりが、自分なりの問いをもち、卒業後の自分がどうありたいか、これからの瀬戸内町はどんな町になって欲しいかについて、学び、本授業で学んだ生徒たちが、いつか、オンラインキャンパスの大学生として、後輩たちに探究授業をしてくれることを期待しています。

■鹿児島県立古仁屋高校 校長 米澤瑞代
平素より本校の教育活動に対しまして、御理解と御協力を賜り感謝申し上げます。本校は瀬戸内町唯一の高等学校として、町に支えられ、共に発展を続けている学校です。本事業は、同町を含む奄美大島の教育資源を活用し、地域社会に関する諸課題の解決に向けて探究的に取り組む活動となり、持続可能な社会の担い手として成長できる貴重な機会であると考えます。また、大学生との交流により、子どもたちが自らの在り方生き方を見つめることを通したキャリア形成にも期待を寄せています。

■一般社団法人Fora 代表理事 藤村 琢己
弊団体では、2016年から高校生のキャリア教育や探究学習の支援を行なってきました。2022年度から導入された総合的な探究の時間に伴い、全国の高校等で地域探究活動などもはじめ、様々な探究学習が実施され始めています。その中でも本事業では、鹿児島県瀬戸内町の自治体等とも正式に連携を行い、生徒たちが学校外の課外活動の一環として、実際した探究活動を行う取り組みで、瀬戸内町役場のご協力のもと町の実際の課題に触れ、解決を目指す機会です。本事業を通して、古仁屋高校の生徒たちが、様々な大学生等の話やインタビュー等で、多様な考え方生き方に触れると共に、生徒たちの真正な学びを実現しながら、生徒たち自身が社会へと参画する一つの契機になればと思います。

▼一般社団法人Fora
一般社団法人Fora(https://fora.or.jp/)は、中学校や高校を対象に「生徒の学び続ける意欲と能力を高めること」を教育目標におき、50校超の学校に対して、探究学習プログラムやキャリア教育を実施しています。これまで3万人を超える高校生にプログラム提供を行ってきたほか、企業等との高校生向けのワークショップ新規開発、学校教育へのコンサルティングなどを行っています。とりわけ、2022年から本格的に導入される探究学習の実施に先駆け、2018年から先行支援を行なっており 、本格化する探究学習に向けたカリキュラム検討、教材提供、授業実施等の支援を行っています。

自治体向け
一般社団法人Foraでは、2020年より自治体と協働したプログラムを提供しております。「場づくりで主体性を引き出す」をコンセプトに、高校生向けの「オンライン探究スクール」や「キャリア教育ワークショップ」、一般向けの「教育フェス」を実施しております。詳しくはホームページをご覧ください
https://fora.or.jp/municipality/

本リリースのお問い合わせ
一般社団法人Fora
東京都中央区日本橋室町1-13-1 DKノア4F
TEL:03-6822-4100
Email:info@fora.or.jp(担当:藤村、伊藤)
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