覚書の締結にあたっては、当社と同じく単段式の宇宙往還機の開発を目指すSpace Transit株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:野田智裕)も交えた3社契約としています。高頻度往還型宇宙飛行システムの実現は一社だけで完遂することが困難なため、当社は様々な企業や大学などと連携して検討を加速していく方針を定めており、既にSpace Transit株式会社との間では共同検討に取り組んできたところです。
本共創活動により、単段式の完全再使用型宇宙往還機(SSTO; Single Stage To Orbit)の実現に必要な技術課題の洗い出し、抜本的な低コスト化や有人宇宙輸送技術の検討を行った上で、二地点間高速輸送(P2P; Point to Point)や宇宙旅行などの将来あるべき宇宙輸送サービスの提供を始めとした事業計画や技術課題の検討を加速させていきます。
■「革新的将来宇宙輸送システム研究開発プログラム」における高頻度往還飛行型宇宙輸送システムに係る事業コンセプト共創の実施に関する覚書について
(1)覚書締結の目的
民間ミッションである旅客飛行を伴う宇宙旅行や二地点間高速輸送等の将来の大型市場確保を目指した宇宙輸送システムの実現に向けた取組を促進する事を目的として、共創活動を円滑に実施するため、実施内容を定義し、関係者の役割・義務を定める。
(2)共創活動のテーマ
高頻度往還型宇宙輸送システムの実現に向けた検討
(3)共創活動の目的
1.宇宙輸送システムに関して事業意思のある企業各社の事業アイデア(ビジネスモデル)の実現に向け、システムのコンセプトを含む技術検討の促進
2.技術検討により識別された、重要な技術課題のJAXAの「技術ロードマップ」への反映
3.宇宙輸送システムによる事業の実現に向けた、民間主導でのビジネスモデル及び宇宙輸送システムの検討と、JAXAが支援する重要な技術課題に関する研究開発を、一体となって進める取組の促進
(4)共創活動の内容
1.宇宙旅行や二地点間高速輸送等の市場を対象とした高頻度な往還飛行を行う宇宙輸送システムによる「事業アイデア(ビジネスモデル)」の検討・詳細化
2.事業アイデア(ビジネスモデル)の実現に向けた「宇宙輸送システムコンセプト」に関する技術検討・詳細化
3.事業アイデア(ビジネスモデル)を踏まえた宇宙輸送システムの実現に必要な技術の識別と、新たに研究開発が必要な技術課題の識別・検討
4.民間主導で開発される「宇宙輸送システム」及びJAXA主体で検討を進める「基幹ロケット発展型宇宙輸送システム」との間に共通する「技術課題」の識別
5.事業アイデア(ビジネスモデル)における事業者の事業範囲及び他の企業等との連携を含む事業実施体制の検討
(5)共創活動の期間:本覚書締結日から2023年3月31日まで
(6)事業者が行う取組
1.「事業アイデア(ビジネスモデル)」、「宇宙輸送システムコンセプト」、「技術課題」等の検討及び具体化
2.上記事業を実現するために必要なJAXAの支援事項の整理
3.共創活動に関する成果のとりまとめ
(7)JAXAが行う取組
1.事業者による事業アイデア等の検討及び具体化の支援
2.事業者によるJAXAの支援事項の整理結果に基づく対応の検討と支援の実施
3.共創活動に関する成果のとりまとめ支援
以上
■法人概要
法人名 将来宇宙輸送システム株式会社
英語名 Innovative Space Carrier Inc.
代表者 代表取締役 畑田康二郎
本社住所 東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル3階KaleidoWorks
オフィス 東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング5階
設立日 2022年5月2日
資本金 310,000,000円(資本準備金を含む)
事業内容 革新的な宇宙輸送システムの事業化に向けた企画検討
URL https://www.innovative-space-carrier.co.jp/
■提携会社の概要
法人名 Space Transit 株式会社
英語名 Space Transit Inc.
代表者 代表取締役 野田智裕
本社 東京都千代田区六番町15番2号
設立日 2021年9月
資本金 1000万円
事業内容 新・水素ロケットエンジンによる単段式の宇宙往還機(ロケット)の開発等
URL https://space-transit.com