●調査地域: 日本・中国・韓国・香港・インドネシア・シンガポール・タイ・フィリピン・ベトナム・マレーシア
●調査対象: 20~69歳の男女 計3,328名
(日本332名、中国330名、韓国346名、香港329名、インドネシア330名、シンガポール330名、タイ329名、フィリピン330名、ベトナム338名、マレーシア334名)
●調査期間: 2022年10月29日~30日
●調査方法: インターネット調査(クローズド調査)
(※1)パネルとは、モニターの集合体。モニターとは、アンケート協力の承諾を得ている会員一人ひとりのこと。
(※2)「ASIA Cloud Panel」 は、インターネットリサーチサービス「GMOリサーチ・クラウド・パネル」における、アジア地域に特化した消費者パネルの総称。
- 【調査結果のポイント】
・「近い将来もっとも行きたい国」は調査実施9カ国・地域において日本が1位。
・日本独自の伝統文化体験に加え、ポップカルチャー体験や農山漁村体験への興味関心も高い。
・円安効果も伴い旅行客の消費意欲が高まっている今、適切なインバウンド対策の展開が最重要課題。
- 【調査背景】
2022年10月11日、新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和され、1日あたり5万人とされていた日本への入国者数の上限が撤廃(※3)されました。訪日外国人に対するビザ免除措置が再開され、個人での外国人旅行客の入国もおよそ2年半ぶりに解禁となりました。これにより、日本の観光業や小売業に大きな利益をもたらす訪日外国人観光客によるインバウンド消費の回復に期待が高まっています。
そこでGMOリサーチは、高いインバウンド需要を見込める東アジア、ASEAN地域各国の海外旅行への意識を探るため、自社が保有するパネルネットワーク「ASIA Cloud Panel」のうち日本、中国、韓国、香港、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシアの10の国と地域の20~60代のモニターを対象にアンケート調査を実施しました。
(※3)外務省 海外安全ホームページ https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2022C083.html
- 【調査結果】
■近い将来もっとも行きたい国1位は日本
近い将来もっとも行きたい国を聴取したところ、日本以外の9カ国・地域すべてにおいて日本が1位(全体平均21.5%)という結果になった(図1)。日本を選んだ理由について見ていくと、全体では「その国の伝統料理・郷土料理を味わいたい」(20%)、「独自の文化を体験したい」(19.7%)、「観光名所が多い」(16.3%)が上位のほか、「治安が安定している」「出入国制限が解除された」といった回答も見られ、日本の現状を踏まえて訪日旅行を前向きに検討している人がいると考えられる。また国・地域別に見ると、韓国では「友人・知人にすすめられた」、シンガポールや香港では「ウィンターリゾートに行きたい」、自由記述では「アニメ」「円安」といった回答も一部で見られた(図2)。
(図1)近い将来もっとも行きたい国
(図2)日本を選んだ理由
訪日旅行の検討時期に関しては、東アジアでは「2023年3月まで」(22.6%)、「2023年8月まで」(20%)が多い一方で、ASEANでは「未定」(35.1%)、「2024年以降」(19.9%)といった海外旅行に慎重な回答が多く、中国、韓国、香港などの日本に近い国・地域の方が訪日旅行をより現実的に検討していると考えられる(図3)。
(図3)訪日旅行の検討時期
■日本での自然体験や地方都市への関心が高まっている
過去に訪日旅行の経験がある回答者に対して満足度を聴取したところ、全体の60.1%が「非常に満足」と回答した。その回答者が日本滞在中にどのような体験を行ったかを見てみると、「自然・景勝地」(80.2%)、「日本食」(75%)、「歴史的建造物・史跡」(52.7%)の回答が多く、日本独自の体験に魅力や満足度を感じていることが分かる。エリア別に見てみると、東アジアでは「日本食」(75.5%)、ASEANでは「自然・景勝地」(71.7%)が1位、さらに国・地域別に見てみると、韓国とタイでは「温泉」、中国では「日本酒」という回答が多く、史跡や景勝地といった観光同様に、食も日本での独自体験の一つとして認識されていることがうかがえる。
また、近い将来日本に行く予定がある・行きたいと思っていると回答した人を対象に、今後日本を訪れたらどんな体験をしたいかという質問に対しては、全体で「日本食を楽しむ」(64.7%)、「自然・景勝地の観光」(58.3%)、「四季を体感(桜、紅葉、雪など)」(57.1%)、「温泉」(48.2%)、「ショッピング」(44.2%)が上位5位となった。6位以降のアクティビティは国・地域によって差があり、中国、香港、ベトナムでは「日本のポップカルチャー」「アニメ」、インドネシア、フィリピンでは「テーマパーク」への関心が高い結果となった。また、ASEANの国々では「農山漁村体験」「ウィンタースポーツ」を選択した回答者が多く、都市だけでなく地方滞在への興味関心も高まっていると考えられる(図4)。
(図4)訪日旅行時に体験したいこと
訪日旅行の滞在日数に関しては、全体での平均は9.89日間。エリア別で見ると、東アジアは平均7.48日間に対し、ASEANは11.10日間と比較的長く滞在したい意向がうかがえる。また、希望する滞在スタイルは周遊旅行(32.4%)と都市滞在(25.9%)の人気が高く、一都市だけでなくいろいろなエリアを見て回りたいと考えていることが推測される。
■円安の後押しで消費意欲にも高まりが見られる
急激な円安が進んでいる現在の状況下で日本での消費意欲を聴取したところ、中国、韓国、香港、シンガポール、ベトナムでは半数以上が「消費意欲が高い」(非常に高い・やや高いを合算)と回答。また、訪日旅行時の消費予算(渡航費・宿泊費を除く)に関しては、全体では「20万円~30万円未満」(23.4%)がもっとも多く、続いて「10万円~15万円未満」「15万円~20万円未満」(同率18.1%)が多い一方、中国(47.1%)やシンガポール(54.4%)は「30万円以上」(30万円~50万円未満、50万円以上を合算)の回答が約半数を占める結果となった(図5)。
(図5)訪日旅行時の消費予算
- 【総論】
今回の調査で、円安も追い風となり日本への訪日関心が高く消費意向も高いことがうかがえる結果が見えてきました。日本食や自然、景勝地の観光は日本を訪れる強い要因となっており、さらに日本のカルチャーとして根付いたアニメやテーマパークなどエンターテインメントへの需要もうかがえる結果となりました。
また、観光地については東京、大阪、京都といったゴールデンルートは引き続き安定して人気がありますが、今後は地方都市の観光資源や魅力を積極的にアピールして認知度向上を図るとともに、多言語化などの受け入れ体制の整備を促進し、いかに日本ファンを増やしてリピーターを獲得していけるかがインバウンド成功の鍵となるとGMOリサーチは考えます。
- 【GMOリサーチ株式会社について】
GMOリサーチは「想いを、世界に」をフィロソフィーに掲げ、企業と生活者の関係の再構築を実現する、新しいマーケティング・ソリューション・プラットフォームを普及させる事業を展開しております。
アジア16の国と地域で、約5,235万人(※4)の消費者にインターネットリサーチが可能なパネルネットワーク「ASIA Cloud Panel」のネットワークを活用して、日本のみならず世界各国の企業から調査依頼を受けています。
(※4)2022年10月末時点。
以上
【本件に関するお問い合わせ先】
●GMOリサーチ株式会社
事業開発本部/営業開発部 北澤
TEL:090-7214‐8641
E-mail:shingo.kitazawa@gmo-research.jp
【GMOリサーチ株式会社】 (URL:https://gmo-research.jp/)
会社名 GMOリサーチ株式会社 (東証グロース 証券コード:3695)
所在地 東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー
代表者 代表取締役社長 細川 慎一
事業内容 ■インターネットリサーチ事業
資本金 2億9,903万円
【GMOインターネットグループ株式会社】 (URL:https://www.gmo.jp/)
会社名 GMOインターネットグループ株式会社 (東証プライム 証券コード:9449)
所在地 東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー
代表者 代表取締役グループ代表 熊谷 正寿
事業内容 ■インターネットインフラ事業 ■インターネット広告・メディア事業
■インターネット金融事業 ■暗号資産事業
資本金 50億円
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