ベーリンガーインゲルハイム、特発性肺線維症を対象としたBI1015550 の第III相臨床試験で患者登録を開始

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  • 全世界でFIBRONEER™第III相臨床試験プログラムを開始し、特発性肺線維症(IPF)およびその他の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(ILDs)の治療薬候補として開発中の新規ホスホジエステラーゼ4B(PDE4B)阻害剤BI 1015550の評価を行います。
  • 本プログラムは、40を超える国々で実施する予定です。
  • 米国食品医薬品局(FDA)は、BI 1015550を特発性肺線維症の治療薬としてオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定しました。

2022年10月26日、ドイツ・インゲルハイムおよび米国・コネチカット州リッジフィールド – ベーリンガーインゲルハイムは、開発中のホスホジエステラーゼ4B(PDE4B)阻害剤BI 1015550について特発性肺線維症(IPF)患者を対象とする国際共同第III相試験FIBRONEER™-IPFに、最初の患者さんが登録されたことを発表しました。この試験は、FIBRONEER™グローバルプログラムの一部として行う2つの第III相試験(FIBRONEER™-IPFとFIBRONEER™-ILD )の1つで、これらの試験は、特発性肺線維症(IPF)とその他の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(ILDs)をそれぞれ対象として行われます。

南カリフォルニア大学ロサンゼルス校ケック医学校の臨床医学教授で、本試験の治験調整医師であるToby Maher先生( M.D., Ph.D)は、次のように述べています。「特発性肺線維症をはじめとする進行性線維化を伴う間質性肺疾患には、現行の治療薬を補完し、疾患の進行を遅らせるのではなく止めることも期待できる新たな治療薬が必要です。第II相試験で得られた肯定的な結果をもとに検討を進め、本剤の長期有効性、安全性と忍容性の理解がさらに進むことを期待しています」

特発性肺線維症は、進行性線維化を伴う間質性肺疾患のなかでも最も患者数の多い疾患で、労作時の息切れ、長引く空咳、胸部不快感、疲労感や虚弱などの症状を伴います。肺線維症を引き起こすおそれのある肺疾患は200種類以上あります。肺線維症は、肺組織に不可逆的な損傷が生じる状態で、呼吸機能や生活の質(QOL)に悪影響を及ぼし、命に関わることもあります。

ベーリンガーインゲルハイムの肺線維症領域担当のディレクターでシニアクリニカルプログラムリーダーのDonald Zoz(M.D.)は次のように述べています。 「私たちは、肺線維症領域におけるグローバルリーダーとして、病勢進行を遅らせる以上の成果を目指しており、いつかこの消耗性慢性疾患の治癒をもたらす医薬品をお届けしたいと考えています。今回の最初の患者さんの登録は、この次世代の治療薬を必要とする方々に一刻も早くお届けするための重要な一歩となります」

米国医薬品局(FDA)は希少疾患の予防、診断または治療を目的とした医薬品または生物学的医薬品をオーファンドラッグに指定しており、肺線維症患者さんにおける高いアンメットニーズを満たす取り組みに力を入れています。

FIBRONEER™ について
FIBRONEER™プログラムには、第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験であるFIBRONEER™-IPF (NCT05321069)とFIBRONEER™-ILD (NCT05321082)が含まれます。それぞれ特発性肺線維症(IPF)とその他の進行性線維化を伴う間質性肺炎(ILDs)を対象として、治験薬を52週間以上投与し、BI 1015550の有効性、安全性と忍容性を評価する試験です。

両試験とも、52週時の努力肺活量(FVC)のベースラインからの変化量を主要評価項目とします。主な副次的評価項目は、試験期間中に複合エンドポイントとして設定したIPF/ILDの初回急性増悪、呼吸疾患による入院(初回)、または死亡が生じるまでの、いずれかの発生までの期間としました。また、患者さんの報告によるアウトカムも副次評価項目としました。

両試験の計画は、外部専門家委員会、医療従事者、介護者や患者さんの意見をもとに作成し、患者さんのニーズを最も良い形で満たす内容としました。

FIBRONEER™ 臨床試験プログラムに関する詳細は、ClinicalTrials.govをご覧ください。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、今日そして次世代にわたり、暮らしを変革する画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型のバイオ製薬企業のリーディンクカンパニーとして、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態により長期的視野を維持しています。医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、52,000人以上の社員が世界130ヵ国以上の市場で事業を展開しています。
 
詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)

当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が10 月26 日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください。

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