「フォレストリバイタライズ産業」共創プロジェクト、エコシステムの実証実験を「ナスコンバレー」にて実施

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100個の新産業の共創を目指す「新産業アクセラレーター」SUNDRED株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:留目 真伸、以下:SUNDRED)は、推進する新産業共創プロジェクトのひとつである「フォレストリバイタライズ産業」が、栃木県那須エリアにある国内最大級のリビングラボ「ナスコンバレー」においてエコシステムの実証実験を実施したことをお知らせします。

SUNDREDは2019年7月の新産業共創スタジオのローンチ以来、21世紀型社会に求められる「新産業」のエコシステムの構築を目指して、複数の新産業共創プロジェクトを推進しています。その1つに、森林資源が持つ価値と森林空間が持つ魅力を最大限に引き出すアイデア群を起点に、森に関わる人を増やし、エコシステム全体に健全な経済循環を生み出すことで、森と人とが共に繁栄する仕組みと文化の共創を目指す「フォレストリバイタライズ産業」があります。2022年4月の活動開始後、森に関わる様々なステークホルダーと対話をする中で得られた価値仮説とソリューション群を踏まえ、このたび、最初の実証実験を実施いたしました。

■実証実験の詳細
「フォレストリバイタライズ産業」のコンセプトは「森に人が関わるほどに、生態系が回復し、人々の心も暮らしも豊かになる価値循環の仕組みづくり」です。このコンセプトにご賛同いただいた多様な事業者(伐採・森林計測・生態系データ・森林空間活用・木工・ブロックチェーン・リゾート等)とともに、各社の提供するサービス / ソリューションを一連の体験としてつなげたプロトタイピングを実施しました。

実施日:2022年10月16日(日)、17日(月)
実施場所:リビングラボ「ナスコンバレー」(藤和那須リゾート株式会社(※1)敷地内)
所在地:栃木県那須郡那須町
実施内容:フォレストリバイタライズ産業のコンセプトに紐づくプロトタイピング

コンセプト1 「森に人が関わるほどに生態系が回復」
森林のデータ化、整備・伐採、生態系データ取得のソリューション連携:

–       レーザー計測器(※2)を用いた森林の計測・データ化
–       初心者でもできる森林の整備・林業家による間伐(※3)
–       いきものコレクションアプリ(※4)による、生息動植物の記録

コンセプト2 「人々の心も暮らしも豊かになる」
デジタル技術とリアルな体験を組み合わせた、森林空間での遊び、木工体験:

–       自分たちで整備した森でのシューティングかくれんぼ(赤外線銃・赤外線受信機を使用したサバイバルゲーム)(※5)、
–       取得した立木データを活かした木工製品のデザイン
–       整備・間伐した生木 / 自然乾燥木を活かしたものづくり(※6)

コンセプト3 価値循環の仕組み
デジタル情報化した物語(ストーリー)を付加することでの体験価値向上:

–      森林や木材への人の関与・つながりの記録など木が歩んできた物語をデジタル情報化し、NFCタグなどを活用して通信端末が木の製品から情報を引き出すことで、木を所有する体験価値向上をデザイン(※7)

実証実験の全体図実証実験の全体図

【以下の事業者様の製品・サービス・サポートを利用】
※1 藤和那須リゾート株式会社 https://www.pure-cottages.jp/
※2 株式会社アドイン研究所 https://www.owl-sys.com/
※3 池田林業株式会社 https://ikerin2017.com
※4 株式会社バイオーム https://biome.co.jp/
※5 株式会社フォレストーリー https://forestory.co.jp/
※6 jizai工房 https://jizaikoubou.com/
※7 TIS株式会社 https://www.tis.co.jp/

■実証実験を通じて確認できたこと
森林や木材に関するサービス / ソリューションを提供している事業者であっても提供しているサービスの領域が異なると、一同に集まってエコシステムとしての価値を考えたり、「繋がったソリューション」のプロトタイピングを行ったりする機会は多くありません。特に、経済価値・生態系価値・文化的価値や、最新のデジタル技術による生産性向上とリアルな体験による五感への働きかけ等、異なる切り口をまたいで新たな価値創出を検討するのは、会議室やオンラインでのディスカッションだけではなかなか困難です。
今回の実証実験では、「森林のデータ化と整備」「森林空間・木材を活用したレクリエーション」「木材の価値向上」に関連する各社のソリューションを繋げて、一連の体験として実現するプロトタイピング、仮説検証を行いました。各社のメンバーが「繋がったソリューション」の全体像を構想し、実際に体験しながら他社のサービスについて理解を深め、対話を行っていくことで、異なる価値軸を融合したエコシステムを構築し、全体としての価値を高め、社会が求める上位の目的(パーパス)であるフォレストリバイタライズ産業のビジョンの実現に近づいていくことが可能であることが確認できました。
衣食住に関わる素材の提供元として、人間の様々な活動の場として、生態系の源流として、森林の新たな価値を創出し、持続的に発展させていくイメージの解像度が高まり、「フォレストリバイタライズ産業」のエコシステムの仮説が一層精緻なものに進展しています。

■フォレストリバイタライズ産業共創プロジェクトの今後の展望
森林資源が持つ価値と森林空間が持つ魅力を最大限に引き出すアイデア群を起点に、森に関わる人を増やし、エコシステム全体に健全な経済循環を生み出すことで、森と人とが共に繁栄する仕組みと文化の共創を目指す「フォレストリバイタライズ産業」のビジョンに基づき、企業・地域の森林資源を活かした価値創出、情報集積と価値循環のプラットフォームの設計など、さらに検討を進めます。また、森林整備とレクリエーション、生態系学習のパッケージ化等、早期に事業化可能なソリューションの事業化・社会実装をあわせて進めていきます。
「フォレストリバイタライズ産業」共創プロジェクトでは引き続き、トリガー事業の共創に取り組む企業や、各種プログラム開発において連携する事業者など、コンセプトに賛同いただける方々を募集しています。

フォレストリバイタライズ産業
URL:https://www.industry-up.com/015-forest-revitalize

■SUNDREDの新産業共創プロジェクト
SUNDREDでは2019年7月の新産業共創スタジオのローンチ以来、「ユビキタスヘルスケア産業」「フィッシュファーム産業」「ハピネスキャピタル産業」等の約12個の新産業プロジェクトを推進中です。その最大の特徴は個社単独での新規事業の開発ではなく、社会起点での新産業の共創を推進していくことで結果として各社の事業機会・投資機会の創出を進めていくというコンセプトにあります。社会起点の目的を多様な社会人との対話の中から共創し、駆動目標となるエコシステム仮説に落とし込み、エコシステム構築の中核となる事業(トリガー事業)を創出し成長を加速していくことで、エコシステム構築を進めていきます。アカデミアの知見とプロジェクトの実践を融合させた「新産業共創プロセス」、目的志向で行動する社会人「インタープレナー」のネットワーク、各所で推進されているイノベーション活動を集約して社会実装を進める「リビングラボ」の開発・運営を通じて、新しいパラダイムに求められる新産業の創出・社会実装を加速しています。

■これからの社会を牽引する「インタープレナー」について
SUNDREDはこれからの社会を牽引する人材として「インタープレナー」の開発に取り組んでいます。インタープレナーとは、組織の枠を超えて社会起点で発想し、オープンでフラットな対話を通じて目的を共創し、仲間とリソースを集めてプロジェクトを進め、目的を達成していく「社会人」のことです。全てのセクターに顕在・潜在している「インタープレナー」達が、新しい時代の価値創造の仕組みを理解し、自らの生き方について考え、動き出していくことによって新産業の共創が加速されると考えています。
SUNDREDのインタープレナー・コミュニティは、大企業、中小企業、スタートアップ、政府系公務員、自治体職員、大学研究者、医療者、教育者、プロフェッショナル、学生など各セクターからインタープレナー約1,500人が参集・参画し、新産業のテーマや「実現すべき未来」について継続的に対話を行っています。昨年度は経済産業省関東経済産業局と共同で「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」を推進し、「インタープレナー(越境人材)」の育成についての政策提言を実施し、今後も益々加速させていきます。

インタープレナー
https://www.interpreneur.jp/

■会社紹介
企業名:SUNDRED株式会社
設立  :2017年3月設立
代表者:留目 真伸
本社  :東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー
オフィス :東京都港区北青山3-6-7 青山パラシオタワー11階
事業内容:100個の新産業の共創を目指す「新産業アクセラレーター」。「新産業共創スタジオ」を運営し、エコシステムのデザインを起点に成長領域にリソースを集約し、新産業を共創していく 。
URL  :https://sundred.co.jp

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