ノルデステ、静岡県⽴⼤学とNMNによる筋⾁量減少抑制効果ならびに生活習慣病の改善効果を検証する共同研究を開始

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株式会社ノルデステと静岡県⽴⼤学⾷品栄養科学部は、加齢による筋肉量減少ならびに生活習慣病に対するNMNの効果とそのメカニズムの解明を目指す共同試験を実施いたします。

【ノルデステ 静岡県⽴⼤学⾷品栄養科学部 共同研究に関して】
静岡県⽴⼤学⾷品栄養科学部 細岡哲也准教授と伊美友紀⼦助教は、加齢による筋⾁量減少のメカニズムに関する研究を通して、⾼齢者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)*の向上に寄与する研究に取り組んでいます。また同時に、肥満の脂肪組織において認められる変化に着目し、肥満が原因となる糖尿病などの生活習慣病に対する新しい治療法・予防法の開発を目標とした研究を進めています。この度、弊社と共同で筋肉量減少ならびに生活習慣病に対するNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)の効果とそのメカニズムの解明を目指す共同試験を実施いたします。
*QOL(クオリティ・オブ・ライフ):日本語では生活の質と訳され、生活の満足度や生きがいを意味します。高齢者では健康を保ち、自立して日常生活を送ることもQOLの維持に関係します。
 

【研究背景】
加齢に伴い筋肉が減少すると、運動能力が低下するだけでなく、さまざまな病気にかかりやすくなり、寿命の短縮に繋がることが最近の研究により明らかになってきました。加齢に伴う筋⾁量の減少と運動能力の低下はサルコペニアと呼ばれ、高齢化が進む我が国において大きな問題となっています。しかしながら、サルコペニアのメカニズムについては不明な点が多く、有効な予防法や治療法も確立されていません。

また一方で、世界的に増加傾向を認める肥満が、医学的・社会的に大きな問題となっています。肥満は、体脂肪量が増加した状態ですが、肥満の脂肪組織においては量だけでなく質の変化が生じることが示されています。そしてこのような脂肪組織の量と質の変化が糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の原因として重要と考えられていますが、その詳しいメカニズムについては不明です。

【研究内容】
細岡准教授らは、筋肉の培養細胞をNMNで処理すると、筋肉の構成タンパクが増加し、筋肉細胞のサイズが増加することを見出しました。本共同研究では、筋肉量が減少した高齢マウスにNMNを投与し、筋肉量や筋力に対するNMNの効果を検証し、そのメカニズムの解明を目指します。

同時に細岡准教授らは、NMNが、脂肪の培養細胞において、脂肪の量と質の両方の変化をもたらす可能性のあるタンパクの量を変化させることを見出しました。そこで、本共同研究では、肥満マウスの脂肪組織において認められる量と質の異常に対するNMNの効果を検証するとともに、脂肪組織の量と質の変化が糖尿病などの生活習慣病を改善させるかどうか検討します。

以上の通り、サルコペニアと生活習慣病に対するNMNの有効性とメカニズムを検証する本共同研究は、⾼齢者のQOL向上と生活習慣病改善に大きく貢献するものと期待されます。
 

 

【ノルデステのNMNに関して​】
ノルデステは、国内生産・高純度のNMN粉末を提供。さまざまな医療機関や研究機関で用いられるアカデミッククオリティの原材料を通じて、健康と医療の未来に貢献します。

■ 研究責任者プロフィール
細岡 哲也(Tetsuya Hosooka, M.D., Ph.D.)
静岡県立大学食品栄養科学部栄養生命科学科 栄養生理学研究室 准教授
神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学 客員准教授(兼任)

・経歴:
1994年 徳島大学 医学部医学科 卒業
1994年 須磨赤十字病院、神戸労災病院にて内科研修
1997年 神戸医療センター 内科
2002年 神戸大学大学院医学研究科(内科学専攻)博士課程修了(医学博士)
2007年  神戸大学大学院医学系研究科 糖尿病・内分泌内科 COE研究員
2008年  ハーバード大学ベスイスラエルメディカルセンター(Barbara Kahn教授) 博士研究員
2010年  神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学 特命助教、特定助教、助教
2019年 神戸大学医学部附属病院 内科学講座 講師
2019年 神戸大学大学院医学研究科 先進代謝疾患治療開発学 特命准教授
2021年 現職

・研究分野:
代謝学、栄養学、糖尿病学

■ 組織概要
株式会社ノルデステ
本社:東京都足立区関原3-5-8
丸の内オフィス:東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビル2F
設立:1984年12月
代表取締役:阿部朋孝
資本金: 1,000万円
URL:https://www.nordeste.co.jp/

静岡県立大学食品栄養科学部栄養生命科学科 栄養生理学研究室
ー脂肪細胞の科学により代謝性疾患に挑むー
過栄養や運動不足などの生活習慣は、脂肪組織の量を増大させるだけでなく、脂肪組織において質的な大きな変化を生じさせます。この結果、脂肪組織が機能不全に陥ることで糖尿病や脂質異常症、非アルコール性脂肪性肝疾患を含むさまざまな代謝性疾患が形成されると考えられています。脂肪組織を構成する脂肪細胞には、エネルギーの貯蔵とアディポカインの分泌を担う白色脂肪細胞に加え、熱産生によりエネルギー消費を担う褐色脂肪細胞、寒冷などの刺激によって誘導されるベージュ脂肪細胞が存在します。当研究室では、脂肪細胞特異的遺伝子ノックアウトマウスやオミックス解析など幅広い解析手法を用いて、脂肪細胞による代謝調節とその破綻による代謝性疾患発症のメカニズムを解明し、栄養学的な視点から新たな予防・治療法を開発することを目指しています。

 
 
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