見逃されやすく、治療率は3%以下*1。犬猫の“変形性関節症”に伴う疼痛緩和に朗報!変形性関節症に伴う痛みを抑える治療薬「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」が国内製造販売承認を取得

この記事は約8分で読めます。
ゾエティス・ジャパン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 加藤 克利)は、犬猫の変形性関節症に伴う疼痛の緩和を目的とする動物用医薬品「ソレンシア(猫用)」と「リブレラ(犬用)」の国内製造販売承認を2022年7月19日に取得いたしましたのでお知らせいたします。
※使用には獣医の処方が必要です。

 

  • 世界初・唯一の作用機序による治療薬が国内初承認。

 「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」は、猫および犬の変形性関節症の痛みにアプローチするものとしては、世界初・唯一の作用機序による治療薬として開発されました。変形性関節症(以下OA)は、関節の正常な軟骨クッションが薄くなることで起こる関節の変性状態です。関節内の骨が互いにこすれ合い、痛みや、時には骨棘の形成や関節内および関節周囲などへの変化を引き起こし、その痛みにより猫や犬の自由な動きを妨げます。また、それにより彼らの長期的な健康と幸福な生活を阻害します。猫は約4割*3がOAの痛みの徴候を示し、犬は高齢犬の2割弱*4でこの症状が見られます。数多くの猫や犬がOAの痛みを感じている一方で、長期的な薬剤使用については副作用が課題となる場面も想定されることから、十分に治療できていませんでした。そのような中、「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」は、注射による投与により経口薬と比べて飼い主の負担を減らし、継続的にOAの痛みを緩和できる新たな治療薬として開発されました。「ソレンシア(猫用)」は米国でも2022年1月にFDA*5で承認され、[A1] 日本でも7月19日に「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」の国内製造販売が承認されました。欧州で[A2] はすでに多くの飼い主の方にご支持いただいており、本治療薬の有効性が示され、必要とされています。今回の国内製造販売承認をきっかけに、OAに悩まされる多くの猫や犬たちの生活の質向上と、飼い主の皆さまとの幸福な生活が実現されることを願っています。

*1 年齢を重ねるごとに一般的な疾患でありながら治療率が猫は約3%、犬は約2%にとどまっている(2021年7月ゾエティス調べ)
*2 神経成長因子(NGF)をターゲットとするモノクローナル抗体製剤
*3 Enomoto M, Mantyh PW, Murrell J, et al. Anti-nerve growth factor monoclonal antibodies for the control of pain in dogs and cats.
*4  Lascelles BDX. Detecting and measuring osteoarthritis pain in young dogs. Proceedings From the 2019 WSAVA Congress Symposium. Zoetis Services LLC. 2019.
*5 米国食品医薬品局

 [A1]USでFDA承認されたのはソレンシアです。リブレラはまだです。文章の構成を修正してください。
 [A2]現在販売されているのはEUでUSではないです。

 

  • 猫や犬の負担を軽減!「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」について

 「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」は動物用医薬品として、世界初・唯一の作用機序による抗NGFモノクローナル抗体製剤です。NGF(神経成長因子)は慢性疼痛に関与するとされ、本剤はNGFと結合することにより、NGFが関与する疼痛シグナル伝達を妨げ、OAに伴う疼痛の緩和を導きます。モノクローナル抗体製剤は非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)と異なる作用機序により、猫や犬の肝臓、腎臓、消化器への負担を最小限に抑える治療薬です。

 

  • 猫や犬や猫の変形性関節症は見逃されがち?!

  変形性関節症(OA)の治療において、多くの場合飼い主は晩年の自然な衰えだと捉え、対応が遅れがちになってしまう状況にあります。一方で、猫では40%(6歳以上になると60%、12歳以上で90%*6 が)、犬では高齢犬の20%(大型犬は小型犬の2倍超)*4がOAによる関節の痛みに悩まされている可能性があるとされ、多くの猫や犬の症状が見逃されてしまっている状況にあると考えられます。

「ソレンシア(猫用)」あるいは「リブレラ(犬用)」を投与された猫あるいは犬は、いずれもOAによる痛みの軽減が確認されています。また、重大な副作用も確認されず、高い忍容性が認められており、継続的に猫や犬のOAの症状を改善します。

*6 Hardie, E.M., 2002. Journal of the American Veterinary Medical Association 220, 628-632.

 

  • 日本大学 生物資源科学部 獣医学科 枝村一弥 教授より コメント

日本大学 生物資源科学部 獣医学科獣医外科学研究室 教授
枝村一弥(Edamura Kazuya)
1999年日本大学農獣医学部獣医学科卒。2003年東京大学大学院農学生命科学研究科修了。博士(獣医学)。同年助手として日本大学生物資源科学部に赴任。2021年から現職。主な研究分野は獣医外科、運動器疾患、再生医療。小動物外科専門医(2012年資格取得)。動物再生医療推進協議会副理事長。動物のいたみ研究会会長。日本獣医麻酔外科学会理事。静岡県出身。

 変形性関節症(osteoarthritis; OA)は痛みを伴う疾患で、近年の報告によると、犬の約20~25%、猫の約60~90%にOAが存在することが明らかになっています。しかし、日本では海外とくらべてOAの治療率は非常に低く、動物の痛みを見過ごしているケースが多いのが現状です。特に猫のOAは犬と比べて臨床徴候が分かりにくいため、飼い主さんが気付かないことも多い疾患です。しかしOAに伴う痛みを放置すると、犬や猫の日常動作が制限されるだけではなく、OAが更に悪化する恐れがあるため、早期に痛みを和らげ身体機能を維持・改善することがOA治療の成功の鍵となります。

 これまで、犬猫のOAにおける疼痛管理には非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)が用いられてきましたが、とりわけ猫においては有害事象を生じるリスクが少なくなく、また、毎日の経口投与に苦労されている飼い主さんも少なくありません。

 そのような中、新たな疼痛管理の薬剤として開発された、フルネベトマブ(猫用 製品名;ソレンシア)、ベジンベトマブ(犬用 製品名;リブレラ)を有効成分とした抗体薬に大きな期待が寄せられています。両剤はNSAIDsとは作用機序が異なるため、肝・腎・胃腸疾患がある動物にも投与が出来ることに加え、月1回の皮下投与で疼痛を管理することが出来るため、有効性・安全性・利便性の面から非常に注目されている新薬です。私自身「動物のいたみ研究会」の会長として、動物の痛みからの解放を使命として獣医療に取り組んでおります。犬猫の疼痛管理に新たな選択肢が増えることをとても楽しみにしております。

 

  • ゾエティス・ジャパン 代表取締役社長 加藤克利コメント

 関節炎、そしてその痛みに悩まされている犬や猫は日本において多いものの、飼い主様がその痛みに気づかずに放置されているケースが非常に多いのが現状です。

 革新的な変形性関節症に伴う痛みの治療薬である「ソレンシア」と「リブレラ」の登場により、はじめて治療可能となるケースが多いと想定しており、本剤を一日も早く獣医師、飼い主様、そして痛みに苦しむ犬と猫にお届けできるよう、全力で取り組みたいと考えています。

 本剤により、飼い主様にとって大切な犬と猫が関節の痛みにとらわれずに本来の送りたい生活(お散歩を楽しみたい、キャットタワーの上段に登りたいなど)をエンジョイしていただければ、嬉しく思います。

 ゾエティス・ジャパンは薬を販売するのみならず、飼い主様への疾病啓発を通して関節炎への理解を深め、診断率を高める活動を行うと同時に、動物医薬品業界のリーダーとしてさらに社会に貢献できるよう、引き続き会社を上げて取り組んでまいります。

 

  • 製品情報

・製品名:リブレラ5/10/15/20/30、ソレンシア
・製品特徴:犬猫の変形性関節症に伴う疼痛の緩和。皮下投与。
・提供ルート(販路):動物病院への販売

 

  • 会社概要

ゾエティスは、動物用医薬品、ワクチン及び診断検査を対象とした研究、開発、製造 及び販売を中心に事業を行い、遺伝子検査やバイオデバイス及びさまざまなサービスを提供する、世界で最大のアニマルヘルスカンパニーです。

※ゾエティス・ジャパンのニュースリリースは、当社関連の情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。当社の製品および開発品を推奨するものではなく、医薬品の宣伝や広告を目的とするものではありません。
 

タイトルとURLをコピーしました