日本で古来より親しまれてきた岐阜・多治見の美濃焼は陶器の国内生産量一位の産地として、その文化を支えて来ました。日本一の生産量を誇る産地であるからこそ、日本一リサイクルできる地域である必要があるのではないか。窯元の晋山窯ヤマツとその想いを共有し、生まれたリサイクル土のライン「ground」。その「ground」ラインから、リサイクル土の表情をより魅力的に表現するために成土メーカーと話し合い、原料である土の配合から改めあえて不均等な美しさを全面に押し出した「crunch」というシリーズが誕生し、この度そのcrunchから花瓶・vaseを発表いたしました。
- Story ストーリー
150年目の疑問
美濃焼の産地である、岐阜県土岐市の窯元「晋山窯ヤマツ株式会社」は、茶器づくり一筋で150周年を迎えました。ここで作った製品が、様々な国や地域の食卓やお店で使われていることが、なによりの喜びだと考えています。
ただ日本一の生産量を誇る美濃焼が、産地としてできることは他にもあるのではないかとknotのデザイナー・花澤啓太と話し合い、やはり生産量を誇るなら、リサイクル量も日本一を誇りたいと結論づけました。
土から見直す
成土メーカーが独自で作っているリサイクル土を使った「ground」というラインが誕生しました。その仕上がりは普段使われている陶土と表情は全く遜色ありません。
ただ、せっかくリサイクルした土が普段の陶土と同じ表情では、その魅力はユーザーに伝わらないのではないか。進んでリサイクル土を選んでいただくための価値が足りないのではないか。そんな想いから生まれたのが「crunch」という新しいシリーズ。リサイクル土特有の表情を探しに成土メーカーと話し合いを重ね、その魅力が伝わる土の配合から見直しました。
- Concept コンセプト
見つけた不均等で美しい配合
リサイクル土は、全てをその土で賄うことはできません。リサイクル土を通常の陶土に混ぜて使用します。今回はその混ぜ込むリサイクル土の粒子を調整することで、量産陶器の均等な仕上がりと違う「不均等な仕上がり」を作り出すことに成功しました。リサイクルする前の陶器の釉薬の色やテクスチャーがわかるギリギリの荒い粒子を使用しています。できたもの一つ一つがフォルムは同様ながらに放つアーティスティックな「作家性」は、通常量産で使われる陶土には醸すことのできない美しさとなりました。
量産の鋳込み技術から生まれた、量産にはない上部の表現
筒状のものや口がつぼんでいく形。量産を得意とする美濃焼では「ガバ鋳込み」という鋳込み技術で作られるケースが一般的な製法。通常は製法ガバ鋳込みにより完全に成形を完成させますが、今回のCrunch・vaseはアーティスティックな面を強調するため、あらかじめ大きな鋳込型を作り、型から取り出す職人がひとつひとつ自分の手でカットすることで揺らぎを表現しています。その一手間をかけることで直線ではないカット面が生まれ、シンプルで直線的な花瓶に一層の「作家性」を実際に埋め込みました。
- Products 製品概要
粗くすることで見えてくるもの
リサイクルする陶器をあえて粗く粉砕し混ぜることで、独特な新しい表情を生み出したクランチシリーズ。機能的でシンプルなフォルムが、よりその土の本質を浮かび上がらせてくれます。
vase S
ø50
H100mm ¥1,980-
H150mm ¥3,080-
H200mm ¥4,180-
※左から順に
vase M
ø80
H130mm ¥5,280-
H180mm ¥6,380-
H230mm ¥7,480-
※左から順に
vase L
ø110
H200mm ¥6,380-
H250mm ¥7,480-
H300mm ¥8,580-
※左から順に
【資料ダウンロード】
https://unknot.co.jp/press/crunch_press20220901.pdf
製品の詳細はこちらの資料からご確認ください。
- 開発チーム
株式会社アンノット プロダクトデザイナー・花澤啓太
1978年生まれ。大阪芸術大学で油絵を学んだ後、家具メーカーに就職。家具・雑貨のデザインから製造までに携わる。退職後に家具産地静岡から家具産地北海道に渡り、家具手加工2級技能士の資格を取得。帰郷後にプロダクトデザイナーとして独立。個人事務所マグデザインラボを経て、2021年株式会社アンノットを設立。
陶磁器メーカー 晋山窯ヤマツ株式会社
明治元年創業の美濃焼の産地・岐阜県土岐市にある陶磁器メーカー。「幸せになる、世話を焼く。」をコンセプトに、私たちの暮らしに彩りを与える陶磁器を提供しています。創業150年の培った経験と技術を駆使し、白磁土を使用した業務用の煎茶器を主力商品としながらも新しい価値を持った表現にも意欲的に挑戦しています。
- プロダクトブランド「knot」
静岡市にあるデザイン会社・アンノットが展開するオリジナルブランド「knot(ノット)」。代表のプロダクトデザイナー花澤啓太がデザインを手掛け、これまでにグッドデザイン賞やドイツのiF DESIGN AWARDなど数多くの賞を受賞しています。日本の豊かな歴史と風土、職人の技術と品質を結び、そのユニークなプロダクトは国内外問わずに注目されています。
knot オフィシャルサイト:https://knot.website
- 会社概要
株式会社アンノット
所在地:〒421-0122 静岡県静岡市用宗1-27-5
代表:花澤啓太
TEL&FAX:054-270-7226
E-mail:hello@unknot.co.jp
URL:https://unknot.co.jp
業務内容:オリジナルブランド「knot」の運営
家具・雑貨店舗「Timeless Gallery&Store」の運営
企画・プロダクトデザイン・空間デザイン・グラフィックデザイン・ウェブデザイン
ウェブサイト構築・プロデュース・アートディレクション
- お問い合わせ
株式会社アンノット〒421-0122 静岡県静岡市用宗1-27-5
TEL&FAX:054-270-7226
E-mail:hello@knot.website
担当:花澤