【いのち会議】~いのち宣言をつなぐ「103のアクション」~ 第85回「世界の課題を身近な「食」から考えよう。食は気候変動や紛争とつながっています。食以外の課題についても、手を取り合って取り組もう」

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いのち会議は2025年10月11日に大阪・関西万博会場内にて「いのち宣言」および「アクションプラン集」を発表いたしました。本リリースは いのちを「しる」【宣言5-1】人間以外のいのちにも共感し環境問題を自分ごととして捉え行動を起こそうへのアクションプランの1つをご紹介するものです。ご興味ございましたら、ぜひお問い合わせください。

グローバルな課題を身近な「食」を通じて考えよう。「食」は、気候変動や紛争など世界の問題とつながっています。食以外の課題についても、手を取り合って取り組もう

昨今、日本における米問題に象徴されるように、身近に「あって当たり前」であるものが当たり前でなくなることがあります。気候変動、生物多様性の減少などの地球規模の課題と、私たちが日頃口にす る「食」は深くつながっています。

2023年時点、世界中で飢餓に苦しんでいる人びとの数は7億3千万人に増えました※1。地球上の11人に1人が食糧不足に苦しんでいる一方、年間10億トンのフードロスが生じています。日本では一人当たり年間38キロのフードロスが報告されています※2。「食」は人びとの栄養であり、健康にも関係し、いのちを形作る必須不可欠なものです。フードロスの問題は、身近であるが故に、内観してみると気づきがあるでしょう。

2022年に始まり、いまだ終わりの見えないロシア・ウクライナ戦争。そこで生活を続ける人びと。パンはウクライナ人にとって、大きな意味を持つ「食」です。毎年キリスト教のイースター(復活祭)では、特別なパンやケーキがつくられます。農業立国ウクライナでは、小麦、パンは文化、経済、アイデンティティの象徴で、国家の自立と繁栄を支える基盤です。ところが、戦争によって対人地雷や不発弾などが国中に拡散し、いまなお市民のいのちを脅します。国土の約3分の 1で地雷があると言われています。「国連開発計画(UNDP)」はウクライナの地雷除去を支援し、南部ヘルソン州では地雷を除去した土地で小麦が収穫され、経済復興や伝統文化の保護にも繋がっています。

いのちを守る「食」は、戦争、気候変動、生物多様性、消費文化など様々な理由で危険に晒されています。そんな今、皆ができるアクションは日常生活にもあります。グローバルな議論に参加する、研究をするなど様々な方法があります。「食」は、世界のすべて事象 に「つながっている」ので、わかりやすい例です。世界の諸問題が実は私たちが生活する日本ともつながっているというメッセージを UNDP 駐日代表事務所は発信しています。

大阪・関西万博で展示された「世界に隠された20の悲劇」 写真提供:UNDP Tokyo

国際協力という言葉は親しみにくい言葉かもしれません。日本と世界は双方向でつながっていて、グローバルな問題で出てくる言葉、たとえば気候変動、紛争、生物多様性などは、実は「食」という私たちの行動や生活と密接につながっていることを考えてみてください。 UNDP は太平洋諸国に日本の知見を生かしつつ、気候変動対 策やグリーントランスフォメーション(GX)の推進をしています。バヌアツ、サモア、パプアニューギニア、東ティモールの関係者が沖縄県を視察し、沖縄の離島での知恵、包摂的な意思決定の過程、気候変動対策や地方創生についても学びました。さらに第9回東京・アフリカ開発会議が2025年に横浜で開催されるにあたり、UNDPはアフリカと日本の若者を繋げて学生が「模擬アフリカ連合」で意見を交換する機会も設けました。駐日代表事務所の職員やインターンがアフリカをもっと知ってもらおう、と北海道から沖縄まで、全国各地で出前授業を行っています。海外と国内の問題が身近なものとして繋がっている、そういったメッセージを発信しています。

「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマの大阪・関西万博において、UNDP は「世界に隠された20の悲劇」というアートを展示しました。国際協力はもはや上から目線で途上国を支援するものではありません。一見、平和で幸せそうな社会の中に悲劇は存在し、分断や気候変動、紛争、旱魃、水不足、食糧危機、そして楽しそうに見える社会をすべて一つのアートにまとめ上げ、そのアートには答えは存在しない。それを展示し各地のこどもたちから高齢者の方々にも見ていただき、身近でできることは何かと問いかける、こうした取り組みを続けることをUNDP は計画しています。

いのち会議は、UNDP などの国際組織と連携し、食をはじめとした身近なことがグローバルな課題につながっていることを示し、一人ひとりが身近でできることは何かを考え、行動に移すよう、働きかけていきます。

【註】

※1 “The State of Food Security and Nutrition in the World Report” 国連食糧農業機関(2024)

The State of Food Security and Nutrition in the World 2024
Six years from 2030, hunger and food insecurity trends are not yet moving in the right direction to end hunger and food insecurity (SDG Target 2.1) by 2030. The...

※2 農林水産省(令和4年度推計)

https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/attach/pdf/240621-8.pdf

【参考資料】

・国連開発計画(UNDP)

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・大阪万博、映画監督河瀬直美さん、ココリコ田中直樹さん、UNDP 駐日代表との「世界に隠された20の悲劇の対話」関西ラジオ。

『世界に隠された20の悲劇』と向き合って…「涙の色は同じ」大阪・関西万博 映画監督・河瀬直美さん | ラジトピ ラジオ関西トピックス
「世界に隠された20の悲劇」。 ありきたりの日常生活、とても楽しそうな雰囲気なのに、目を凝らすと、とても悲しく、ショッキングなシーンが飛び込んでくる。

・自然共生社会 SATOYAMA イニシアティブ推進プログラム(アフリカ、トルコ、コスタリカから静岡へ)

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・Soul of Soil 2.0 ―ウクライナのイースターブレッドの価値とUNDPの地雷除去活動

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本記事に関する問い合わせ先

いのち会議 事務局、大阪大学 社会ソリューションイニシアティブ(SSI)
特任助教(常勤) 宮﨑 貴芳(みやざき たかよし)、教授 伊藤 武志(いとう たけし)
TEL: 06-6105-6183
E-mail: ssi2@ml.office.osaka-u.ac.jp
※取材の申し込みにつきましてはお気軽にご連絡ください。

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