【東京都足立区】千住の旧板垣家住宅主屋が国登録有形文化財に登録されます。

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令和4年7月22日(金)、国の文化審議会文化財分科会の審議・議決を経て、足立区千住の旧板垣家住宅主屋が国登録有形文化財(建造物)として、文部科学大臣に答申されました。官報告示を経て正式に登録される予定です。(令和4年度7月答申は全国で136件)

国登録有形文化財に登録予定の旧板垣家住宅は、江戸時代、千住宿として栄えた旧日光街道に面する洋館付和風住宅。昭和13年築の瀟洒なたたずまいを生かしながら、内部はリノベーションされ、日本料理店『和食板垣』として営業されています。

国の文化審議会は、「千住宿の日光・水戸街道分岐に位置する洋館付二階建て和風住宅。入母屋造りの玄関脇に設けた洋館は、切妻造りフランス瓦葺きで台形出窓が瀟洒。街道沿いの伝統的景観を形成し、現在、料理店として活用。」と評しています。

  • 板垣家の歴史など

江戸時代から千住に住んでいた旧家板垣家は、大正時代には農家として現在の荒川の中に位置していましたが(川田耕地)、大正2年、荒川放水路掘削にあたり、現在の千住五丁目に転居。その後は荒物屋を開業し、商売を営んでいました。現在の建物は、東京市議会議員を務めた板垣信春氏が昭和13年に住宅として建てたもので、旧日光街道と旧水戸街道が分岐する位置に現存します。板垣信春氏は、新道の建設に注力し実現に導いたことから、板垣家が面する道は地元では“板垣通り”と呼ばれています(新道の計画はのちに中断)。

大正期から昭和初期にかけて、和風住宅の一部に洋風の応接間のついた住宅が全国的に建てられましたが、旧板垣家住宅には、その典型的な建築様式が見られます。玄関の格天井や床の間の違い棚、欄間や建具等に繊細な細工がなされ、当時の当主と大工のこだわりが感じられます。

写真右側の青い屋根の部分が洋室部分。外観の出窓のほか、洋室部分は内部の意匠も洋風。この部屋は『和食板垣』で予約できる個室として使用されている写真右側の青い屋根の部分が洋室部分。外観の出窓のほか、洋室部分は内部の意匠も洋風。この部屋は『和食板垣』で予約できる個室として使用されている

  • 令和2年「和食板垣」としてスタート

令和2年、当時の当主・板垣稔氏が当家の相続にあたり、建物を残し活用してくれる方への売却を希望。幼少のころから板垣邸を見て育った、近藤温(あつ)思(し)さんが土地・建物を購入し、令和2年(2020年)11月より、「和食板垣」として営業しています。

時間を重ねた元の建物を生かしながら、現代風にリノベーションされた内装時間を重ねた元の建物を生かしながら、現代風にリノベーションされた内装

調度品や器も、新しい感覚でありつつ、和の空間になじむものが選ばれている調度品や器も、新しい感覚でありつつ、和の空間になじむものが選ばれている

  • 千住観光PRポスターにも登場

「和食板垣」は、かき氷のカフェ「TSUJI」も併設。(一財)足立区観光交流協会が制作する「北千住駅カラサンポ」シリーズの今夏のポスターにも登場しています。

 

JR北千住駅に貼られている(一財)足立区観光交流協会制作の「北千住駅カラサンポ」シリーズポスターJR北千住駅に貼られている(一財)足立区観光交流協会制作の「北千住駅カラサンポ」シリーズポスター

 

 

<北千住駅カラサンポ・シリーズポスター概要>
JR北千住駅と(一財)足立区観光交流協会が連携して、一大ターミナル駅である北千住駅から街へ出ようと呼びかけるシリーズポスター。令和4年(2022年)夏は「涼を感じる 千住、夏の日グルメ」をテーマに制作されている。

【夏テーマ】夏の日は千住(涼を感じる 千住、夏の日グルメ)
【展示場所】JR北千住駅ホーム 6か所
【展示期間】令和4年(2022年)7月中旬~9月頃
【備 考】同じ写真を使ったA2サイズのポスターを千住のまちの各所にも掲示している
 

  • 旧板垣家住宅主屋(「和食板垣」)概要

場 所:足立区千住5-6-7
7月22日、文部科学省の文化審議会が全国136件の国登録有形文化財(建造物)の登録について文部科学大臣に答申。そのうちの1件が「旧板垣家住宅主屋」で、区内では“昭和の家”と呼ばれている「平田家住宅主屋」(足立区西保木間)に続き2例目となります。

和食板垣
https://washoku-itagaki.com/

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