ほくほくフィナンシャルグループと富士通、TCFD開示に向けた水害リスク算出業務効率化アルゴリズムを開発

この記事は約4分で読めます。
株式会社ほくほくフィナンシャルグループ(取締役社長 中澤 宏、以下 ほくほくFG)と富士通株式会社(代表取締役社長 時田 隆仁、以下 富士通)は、このたび、気候関連財務情報開示タスクフォースの提言に沿った情報開示(注1、以下TCFD開示)を支援するアルゴリズムを開発しました。
開発にあたり、両社は実証実験で、本アルゴリズムがTCFD開示準備の業務効率化に貢献することを確認しています。
本アルゴリズムは、取引先データと行政が発行しているハザードデータをひとつのマップ上に自動で配置し、水害発生時の取引先の物理リスクを算出するもので、分析結果は、2022年7月29日発行予定のほくほくFGの統合報告書において活用されます。
両社は今後、本アルゴリズムの有効性を取引先が膨大である金融業のお客さまをはじめ、他業種のお客さまへも展開できるようビジネス検証を進めていきます。

 

【 背景 】

気候変動は世界に経済的リスクをもたらす重要な問題であることから、TCFD開示への関心が高まっています。日本においても、2022年4月より東京証券取引所のプライム市場への上場企業はTCFD開示が義務付けられるようになり、気候関連リスクに対する企業への影響や戦略に注目が集まっています。
なお、気候変動に関する社会問題解決への取り組みは、上場企業に留まらず多くの関連企業を巻き込んだ流れへと加速しており、輸送を行う物流企業や気候変動の対策に融資を行う金融機関を含め業種を越えたクロスインダストリーでの対策が求められています。
このような中、気候関連リスクでも優先度が高い水害リスクの計測を正確かつ効率的に実施する取り組みを富士通とほくほくFGで実施しました。

【 実証実験の概要 】
実証実験は2021年11月~2022年3月に北陸銀行および北海道銀行の不動産担保を対象として、富士通のIT技術とほくほくFGのリスク管理実務の知見により、取引先の所在地をハザードマップへプロットする処理をシステム化したことにより、ほくほくFGにおける業務負担が約850時間削減され、TCFD開示の準備の効率化に繋がりました。また、水害リスクを計測するアルゴリズムが正しく機能することも確認しました。

図:取り組みの全体像図:取り組みの全体像

【 今後の展望 】
ほくほくFGは、「環境先進金融グループ」を目指し、幅広い顧客基盤を活かして、取引先のESG/SDGsおよび脱炭素への取り組みを支援する新たなサービスとしての展開を検討します。
富士通は、本アルゴリズムの適用効果が高い金融業でビジネス検証を継続します。他業種に向けて、水害により影響を受ける重要な社会インフラの1つである物流ネットワークに対しCO2排出量削減を目指す取り組みと合わせた検討も行います。
両社は今後も、地域経済・地域社会の持続的な発展に貢献する取り組みを進めていきます。

【 商標について 】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

 【 該当するSDGsの目標 】

8.働きがいも経済成長も8.働きがいも経済成長も

13.気候変動に具体的な対策を13.気候変動に具体的な対策を

17.パートナーシップで目標を達成しよう17.パートナーシップで目標を達成しよう

(注1)気候関連財務情報開示タスクフォースの提言に沿った情報開示(TCFD開示):TCFDとは、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するため設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」のこと。東証プライム上場企業にはTCFDの提言に沿った気候変動関連リスク、および機会に関する情報開示が義務付けられている。

タイトルとURLをコピーしました