- 調査結果サマリー
(1)今後チームリーダー等の役職に「就きたい」32%、「就きたくない」38%
(2)介護・福祉分野での勤務年数別「リーダー職への昇進意欲」
(3)リーダー職に「就いてよかった」83%、「就かなければ良かった」17%
(4)リーダー職に就いた理由・きっかけ 1位「リーダーとしてのスキル・経験をつけ成長するため」52%、2位「上司に勧められたから」44%
(5)フリーコメントより/リーダー職に就いて良かったこと・良くなかったこと
- 今後チームリーダー等の役職に「就きたい」32%、「就きたくない」38%
現在の役職が「一般職・スタッフ」の人のうち、今後チームリーダー等の役職に「就きたい」と回答した人は32%に留まりました。
就きたい理由(フリーコメントより抜粋)
・現場以上のキャリアを積みたい、現場の状況を少しでも変えたい、働きやすさや楽しみを作りたい(20代女性)
・介護の世界を明るいものに変えたいから。現場をよくしたいから。(20代男性)
・自分と相手、組織を成長に導けるポジションだと思うので(30代男性)
・良い職場を作ることが、良いサービス提供に繋がると考えているから。そこに面白みを感じると想像しているから。(30代女性)
就きたくない理由(フリーコメントより抜粋)
・現場の業務をこなすので精いっぱいであるから(20代女性)
・業務量や精神的ストレスの割に報酬が少ない(30代男性)
・責任と仕事が増え割に合わない(40代男性)
・自分が、というより、新しいリーダー、世代が育つことが大切だと思うから。その人たちが生き生きと働けるようにサポートすることが今の自分の役割かな、と思っています。(50代女性)
- 介護・福祉分野での勤務年数別「リーダー職への昇進意欲」
介護・福祉分野で働き始めてからの年数ごとにクロス集計を行ったところ、勤務年数5年未満においてリーダー職への昇進意欲が高いという結果が得られました。
- リーダー職に「就いてよかった」83%
一方で、現在の役職が「チームリーダー」の人のうち、リーダー職に「就いてよかった」と回答した人は83%に上りました。
- リーダー職に就いた理由・きっかけ 1位「リーダーとしてのスキル・経験をつけ成長するため」52%、2位「上司に勧められたから」44%
- フリーコメントより抜粋/リーダー職に就いて良かったこと・良くなかったこと
リーダー職に就いて良かったこと
・色んな方面から考えることができ、視野が広がった。やりたい介護の実現に向けて事業所として考えることができた。(20代男性)
・ヘルパーとして働いている時には見えていなかった多くの視点で物事を見られるようになったことです。対利用者様、対家族様、対他事業者、対地域、対職員、対会社など。自分自身が事業所のリーダーとして様々な人と関わる中で視野が広がったと感じます。(20代女性)
・上に意見をいいやすくなった(20代女性)
・業務の幅が増えたことで知識が身についた(20代女性)
・時間の自由が一般職に比べて増えた(30代男性)
・役職がある職員にだけ公開される最新の情報が知れる。上司から必要とされているのがより強く感じて自分に誇りを持てる(30代男性)
・給与が上がった。変則勤務ではなくなった。(30代男性)
・やりたい介護ができる。少なくともその方向性をもって示すことができる。(30代男性)
・目標を達成した時のスタッフとの達成感(40代女性)
・あらたな目標が見つかった(40代男性)
リーダー職に就いて良くなかったこと
・残業が多いことや、休日の電話対応等(20代女性)
・人間関係の悩みなど(20代女性)
・プライベートの時間に仕事の連絡がくる頻度が増えたこと。(20代女性)
・上から下からの圧(20代女性)
・負担が大きい。業務が全てリーダーに回ってくる。(30代男性)
・中間管理職として挟まれる。自分と同等の立場が少なく、時に理不尽な要求に自分一人で解決しなければならない。現場にいたときよりモチベーションを保ちにくい。(30代男性)
・人間関係に疲れてしまう。指示出しをする立場の為、普段は業務負担が少ないフロアが多い。急に業務負担が多いフロア担当になるとわからないことが多く不安になる。しかもリーダーの為プレッシャーに感じる。(30代男性)
・ある程度の孤独感はある(40代男性)
・なかなか皆が付いて来てくれないときは力のなさを感じる(40代男性)
- KAIGO LEADERS発起人 秋本可愛よりコメント
介護現場においてケアの質の観点や人材定着の観点など、あらゆる方面から「リーダー」が重要であることは知られています。しかし、リーダーになりたい人が少ないという声は非常に多く聞こえてきます。
今回の調査結果では、リーダー昇進に関して、一般職・スタッフのうちリーダー職に「就きたい」人は32%に留まったのに対し、リーダー職のうち「リーダー職に就いてよかった」と回答した人が83.3%と非常に高い結果となりました。リーダーになりたいとは思わない人たちの声を見ると、「リーダーは大変そうで割に合わない」と捉えている人が多く、一方でリーダーになってよかったと感じている人の声はあまり知られていない現状があることがわかります。
今回の調査結果から、介護現場におけるリーダーが大変そうなイメージばかりが先行してしまっている状況に対し、リーダーになると何が良いのかをリーダー層が実感を持って新人に伝えていく機会が必要だと感じます。職場内でのキャリア研修や対話の機会を増やしたり、職場の垣根を超えて手本となる先輩と繋がることのできる機会が必要ではないかと考えます。
また、今回の調査結果では、「勤続年数5年未満の昇進意欲が相対的に高い」という結果が出たことは興味深く感じています。若手を早期に育成し、意欲の高い人を積極的に登用していく仕組みが必要であると考えます。
一方で、「就かなければ良かった」と回答した人が16.7%であり、その理由は業務量の多さ、人間関係の悩み、自信のなさや孤独など様々な課題を抱えていることもわかりました。
今回の結果を踏まえて、KAIGO LEADERSでは、事業所や地域の垣根を越えて介護現場で活躍するリーダーをお招きし、学べる機会を作ります。リーダーになって取り組んだことや、大変だったことや乗り越え方も含めてリーダーになりたいと思えるきっかけや、今リーダーの人が課題解決のヒントも得られる機会となればと思っています。
秋本 可愛 あきもと・かあい
株式会社Blanket 代表取締役
KAIGO LEADERS 発起人
平成2年生まれ、山口県出身。大学時代に、介護現場でのアルバイトを通し「人生のおわりは必ずしも幸せではない」現状に課題意識を抱き、2013年(株)Join for Kaigo(現、(株)Blanket)設立。「全ての人が希望を語れる社会」を目指し介護・福祉事業者に特化した採用・育成支援事業「KAIGO HR」を運営。日本最大級の介護に志を持つ若者コミュニティ「KAIGO LEADERS」発起人。#ケアワーカーをケアしよう 発起人。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。2021年よりNHK中央放送番組審議会委員に就任。2022年より厚生労働省「介護のしごと魅力発信等事業:事業間連携等事業」企画委員就任。
【受賞歴】第10回若者力大賞受賞、Asia Pacific Eldercare Innovation Awards 2021」INNOVATION OF THE YEAR – CAREGIVER MODEL 部門にて最優秀賞受賞。
《調査概要》
・調査方法:インターネットリサーチ(無記名式)
・調査対象:全国20歳以上の介護・福祉従事者 219名
・調査期間:2022年6月24日 – 7月10日
※本リリースの引用の際は、必ず「KAIGO LEADERS LAB.調べ」とクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
※当リリースに関して、発起人 秋本へのインタビューのご要望があれば広報までご連絡ください。
- イベントのご案内
今回の調査テーマである「介護現場のリーダー」について、介護現場で活躍するリーダーをお招きするイベントを開催します。第1回のゲストは、「現場が変わる介護リーダーのあり方」と題し、総合ケアセンター駒場苑 施設長の坂野悠己さんをゲストにお招きします。
坂野さんは、最期まで気持ち良く主体的でその人らしい生活を支えるための環境作りとして、おむつゼロ、機械浴ゼロ、拘束ゼロなどの「7つのゼロ」を掲げ、日々現場の改革に取り組まれています。
当日は、介護リーダーとしての仕事術や明日から実践できるリーダーのあり方について、学んでいきたいと思います。
開催日時:9月2日(金)20:00~21:30
実施方法:オンライン(Zoom)
申し込み:https://workhacks01.peatix.com/(参加無料)
- KAIGO LEADERS LAB.について
KAIGO LEADERS LAB.は、若手の目線で介護業界と社会をアップデートすることを目指しています。日本の介護の未来を担う若手の視点で、介護・福祉に関わるイノベーターと協働しながら、超高齢社会を創造的に生きるための介護業界と社会のビジョンを描き未来の景色を変えていきます。
<設立の背景>
高齢者人口がピークを迎える2040年、約69万人の介護人材が不足する見込みです。介護職の平均年齢は49.4歳で、40歳以上が7割を占めています。介護現場において多数派ではない世代が、一番大変な時期の中核で支えていかなければならない状況にありますが、「若手の声」は閉鎖的な現場の中では埋もれ、変革にはまだまだ活かされていません。変わらないまま大変さばかりが増えてしまうのではなく、欲しい未来に向けて「若手の声」から変化を起こすきっかけを様々なプレイヤーとともに仕掛けていきます。
https://heisei-kaigo-leaders.com/lab/
- 運営会社
社名 : 株式会社Blanket
代表者 : 代表取締役 秋本 可愛(あきもと かあい)
本社所在地 : 〒113-0033 東京都文京区本郷三丁目40番10号 三翔ビル本郷7F
電話番号 : 03-6801-5628
Webサイト :https://blan-ket.com/
すべての人が希望を語れる社会を目指して、介護・福祉をはじめとする様々な領域で挑戦を続ける人や、組織を応援する会社です。