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調査サマリー
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まとめ
今回は、建設業の経営者104名を対象に「人材確保」や「2024年問題」、「建設資材の高騰」などについて建設業経営者の意識調査を実施しました。
まず、自身の経営する会社の「人手不足」を実感している人は約8割にのぼり、そのうち72.5%は「人材採用の難しさ」がその原因であると回答しました。また、働き方改革関連法案の時間外労働の上限規制の猶予期間が終了するいわゆる「2024年問題」の影響について、約6割が「2024年問題で人手不足・人材採用の状況が悪化する」と回答しており、人手不足や採用難の現状において、「2024年問題」によりさらに状況が悪化する危機感を持っていることが明らかになりました。それら人手不足への対策として、約半数が「従業員の給与アップ」を挙げており、従業員の待遇向上により人材の確保を目指していることが分かりました。
また、建設・土木関連の資材の高騰が続く中で、半数以上の企業が「価格転嫁できず利益を圧迫」「請負額と工事費の乖離」などの影響を受けており、4割以上の企業が「早期の仕様決定と発注」などの対策を講じていることが明らかになりました。
自社の経営課題については、48.1%が「建設/土木資材の価格高騰」、42.3%が「2024年問題(人材不足、採用難など)」を挙げています。建設業界の先行きについて質問したところ、約7割が「さらに厳しくなる」と予想しており、建設業界の厳しい先行きに対し「人材採用の強化」「受注活動の強化」などに注力したいと回答しました。
今回の調査で、建設業界の企業は「2024年問題」が目前に迫り人材の確保や採用の強化に加えて、資材価格の高騰への対策など様々な問題に直面する中、難しい経営のかじ取りを迫られている現状が明らかになりました。
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建設業界プロフェッショナルチーム リーダー 高橋 祐基 コメント
今回の調査で、建設業界が「2024年問題」や「資材価格の高騰」の影響を大きく受けていることが明らかになりました。
建設業界の各企業は、人手不足に悩む中、人材採用に課題を抱えています。2024年4月には、働き方改革関連法による労働時間の上限規制が建設業界でも適用される「2024年問題」を業界全体が抱えており、さらに状況は厳しくなると予想されます。また、地政学的なリスクの増大、円安、物価高などによる建設・土木資材価格の高騰は、人手不足による人件費や採用コストの増大に加えて、各企業の利益を圧迫している状況です。本調査でも約7割の経営者の皆様が「建設業界は今後さらに厳しくなる」と予想しており、先行きが不透明な中、今まで通りの収益性を維持することが難しくなってきています。
そういった厳しい経営環境にある建設業界では、様々な経営課題の解決や経営基盤のさらなる強化を目指し、M&Aが年々増加しています。調査でも今後強化したい経営戦略で「M&Aなどによるパートナー戦略」を選択した方が10.6%となりました。生き残りをかけた成長戦略M&Aや上場企業による再編も活発化しており、M&Aが増加する傾向が続いていくと予想されます。
M&Aによるパートナー戦略は、採用力強化や資材調達におけるスケールメリットの獲得など、昨今の建設業界における経営課題解決の選択肢の一つとなります。M&Aによって他社とパートナーシップ結ぶことも経営戦略の一つとして、情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
建設業界プロフェッショナルチーム リーダー
企業情報部 主任 高橋 祐基
生命保険会社を経て、独立系ブティックでアドバイザリー業務に従事。
当社参画後は、建設業界の大型M&Aや上場企業からのカーブアウト等、数々の成約実績を有する。
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調査概要
調査概要:建設業経営者の意識調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年9月1日〜同年9月4日
有効回答:建設業の経営者104名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「M&Aキャピタルパートナーズ株式会社」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
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主な調査結果
■約8割が、自身が経営する会社の「人手不足」を実感
「Q1.ご自身が経営する会社では、「人手不足」を感じていますか。」(n=104)と質問したところ、「非常に感じる」が39.4%、「やや感じる」が37.5%という回答となりました。
■人手不足の原因、「人材の採用が難しい」が72.5%で最多
Q1で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方に、「Q2.「人手不足」となっている原因は何ですか。(複数回答)」(n=80)と質問したところ、「人材の採用が難しい」が72.5%、「従業員の高齢化により、退職者が増加している」が36.2%、「採用した人材に十分な教育ができない」が28.7%という回答となりました。
■人手不足への対策、約半数が「従業員の給与アップ」
Q1で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方に、「Q3.「人手不足」に対して対策していること(検討していること)は何ですか。(複数回答)」(n=80)と質問したところ、「従業員の給与アップ」が48.8%、「知識や技能、資格取得に対する補助・手当」が41.2%、「労働時間の低減(長時間労働の是正)」が36.2%という回答となりました。また、「まだ対策できていない(検討できていない)」という回答が17.5%に上りました。
■約6割が「2024年問題で人手不足・人材採用の状況が悪化」と回答
「Q4.働き方改革関連法案の時間外労働の上限規制の猶予期間が終了するいわゆる「2024年問題」を2024年4月に控え、現在より「人手不足」や「人材採用」の状況が悪化すると考えていますか。」(n=104)と質問したところ、「はい」が58.7%、「いいえ」が11.5%という回答となりました。
■資材高騰について、半数以上が「価格転嫁できず利益を圧迫」「請負額と工事費の乖離」の影響を与える
「Q5.建築・建設もしくは土木資材の高騰が続くなかで、経営にどのような影響を与えていますか。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「価格転嫁できず、利益を圧迫(採算性の悪化)」が57.7%、「請負額と工事費の乖離」が54.8%、「資材確保難」が23.1%という回答となりました。
■資材高騰への対策、4割以上が「早期の仕様決定と発注」
「Q6.建築・建設もしくは土木資材の高騰に対し、どのような対策をされていますか。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「早期の仕様決定と発注」が40.4%、「資材調達先の多様化(見直し)」が28.8%、「スライド条項の適用」が13.5%という回答となりました。
■自社の経営課題、「建設/土木資材の価格高騰」「2024年問題」など
「Q7.現在のあなたが経営する企業における経営課題を教えてください。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「建設/土木資材の価格高騰」が48.1%、「2024年問題(人材不足、採用難など)」が42.3%、「従業員の高齢化による技術承継問題」が36.5%という回答となりました。
■「資材、労務費高騰に見合う工事金額の受注」や「若手の確保」などの課題も
Q7で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q7で回答した以外に、建設業における経営課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=94)と質問したところ、「資材、労務費高騰に見合う工事金額の受注」や「若手の確保が難しい」など44の回答を得ることができました。
■建設業界の先行き、約7割が「さらに厳しくなる」と予想
「Q9.今後の建設業界の先行きに対してどのように感じていますか。」(n=104)と質問したところ、「さらに厳しくなる」が67.3%、「現状維持」が23.1%という回答となりました。
■今後強化したい項目、50.0%が「人材採用の強化」、38.5%が「受注活動の強化」
「Q10.今後、特に強化していきたい項目を教えてください。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「人材採用の強化」が50.0%、「受注活動の強化」が38.5%、「建設原価の低減(資材調達の最適化)」が33.7%という回答となりました。「M&Aなどによるパートナー戦略」は10.6%となりました。
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M&A キャピタルパートナーズ 会社概要
M&Aキャピタルパートナーズは、中堅・中小企業の資本承継にお悩みの経営者様に寄り添いながら事業承継の選択肢の一つとしてM&A仲介サービスを提案し、実績を積み重ねてまいりました。
私たちが目指している”正しいM&A”とは、創業以来、お客さまのことを一番に考える“クライアントファーストのM&A”です。
「健全な日本経済の未来を実現するために“正しいM&A”をけん引していく」
これが私たちMACPの社会的存在意義、パーパスです。
社名: M&A キャピタルパートナーズ株式会社(東証プライム上場 証券コード 6080)
所在地: 東京都中央区八重洲二丁目2番 1号 東京ミッドタウン八重洲
八重洲セントラルタワー36階
代表者:代表取締役社長 中村 悟
設立: 2005 年 10 月
事業内容: M&A 仲介事業