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注目の最先端研究「脳腸相関」を新たに導入・実施
近年、腸内細菌叢が脳の機能に関与していることが判明してきており、自律神経系やホルモンなどを介して、脳と腸が互いに影響を与え合う「脳腸相関」に注目が集まっています。この度ORKAは、2023年12月以降にローンチ予定の独自配合の腸内細菌および脳活動改善に向けた飲料プロダクトの試験を実施し、脳波、自律神経改善の兆候が見られる新たな研究結果が得られました。
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研究内容・方法
これまでの脳科学研究によると、Dominantアルファ波平均周波数( 以下、Dα)は、若年層が10.8Hzであるのに対して、6~70歳代では9.0Hz、80歳代では8.0Hzと、年齢が高くなるにつれて数値の減少傾向が顕著になったと報告*されています。しかし、活力ある高齢者では10.2Hzと高いことも判明*しており、ORKAの研究でも活動的な成人男性のDαは先行研究と同じ数値を示しています。
一方、活動的な成人男性であっても、腸内細菌の悪玉菌(フソバクテリウム属)が高い人のDαは8.5Hz、低い人は10.5Hzと明らかな相関が認められていました。(*参考:大友(1974)、亀井ら(1990))
【実施内容】
Dαが平均値よりも低い成人男性(40代後半)に腸内細菌プロダクトを1週間服用。
服用前と服用後に脳波測定器やフィットネストラッカーを用いた心拍数等の各種データを測定しました。
【データ結果】
a.覚醒時
・脳波(Dominantアルファ波平均周波数):9.23Hz→10.95Hz
b.睡眠時
・心拍数(HR):57.1回/分→54.3回/分
・心拍変動(心臓の拍動時間間隔に見られるゆらぎ):73.3ms→82.1ms
【考察】
◇正常時脳波が20代と同等の脳波を示すことから、腸内細菌による神経伝達物質の分泌**により、脳活動が促進したと示唆される。
(**参考 : Villageliu, D., and Lyte, M.(2018)、Maini Rekdal, Vayu, et al.(2019))
◇心拍数の減少および心拍変動の延長から、副交感神経が優位に働いていると示唆される。
【今後の展望】
本試験の結果から、身体的および精神的健康の増進や健康寿命の延伸といった公衆衛生全般の改善に寄与できる可能性が示唆された。そのため、本研究が幅広く応用できるかどうか、追加で検証する必要があると考えられる。将来的に日本社会の健康問題に貢献できるようになると期待している。
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代表プロフィール 神谷 卓宏
ORKAホールディングス株式会社 代表取締役/生理学者・医科学研究所主任研究員
1990年群馬県桐生市生まれ。早稲田大学大院スポーツ科学研究科修了後、京都大学大学院人間・環境学研究科細胞生物学・生命科学研究室共同研究者として生理学研究に従事。
ヒトの脳波や内分泌系の応答、腸内細菌叢変化など「脳腸相関」を研究テーマにしている。
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会社概要
・会社名:ORKAホールディングス株式会社
・代表取締役:神谷卓宏
・設立:2014年5月
・所在地:東京都目黒区上目黒2-43-18NAKAME GALLERY STREET
・公式HP:http://orka-inc.com