2050年の人口減少のインパクトを市町村別に一瞬で視覚化する「未来カルテ」の最新版を公開

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千葉大学大学院社会科学研究院 倉阪秀史教授らは、2050年の人口減少のインパクトを市町村別に視覚化する「未来カルテ」と、2050年の脱炭素の可能性を市町村別に把握する「カーボンニュートラルシミュレーター」の最新版を公開しました。それぞれ、本研究プロジェクトのウェブサイト(https://opossum.jpn.org/)から、無料でExcel版をダウンロードすることができます。
  • 「未来カルテ」について

未来カルテ未来カルテ

「未来カルテ」とは、人口減少や高齢化に対して何も対策せず、現在の傾向が継続した場合の、産業構造、保育・教育や医療・介護の状況、公共施設・道路や農地などの維持管理可能性、住宅の供給可能性、再生可能エネルギーによる自給可能性などの分野について、将来の状況をシミュレートして数値で視覚化するプログラムです。

本研究プロジェクトのウェブサイト(http://opossum.jpn.org/)からダウンロードして市町村コードを入力すれば、誰でも指定した市町村の「未来カルテ」を入手することができるほか、その市町村が属する都道府県のデータや全国のデータとも比較が可能です。

「未来カルテ」最新版では、2020年の国勢調査を用いるなど統計データ類を更新するとともに、空き家発生可能性の予測、ごみ排出量の予測の項目を追加しました。ダウンロード版では、通常ケースに加えて、定年延長ケース、若者回帰ケース、出生率向上ケースの3つのケースを選択することができます。

「未来カルテ2050」に掲載されている情報「未来カルテ2050」に掲載されている情報

また、従来から提供しているExcelファイルをダウンロードする方法に加えて、Web上で動かすことができるようにしました。こちらも自由にお使いいただけます。

Web版未来カルテ http://ristex2014.sakura.ne.jp/karte/index.html

Web版未来カルテWeb版未来カルテ

  • 「カーボンニュートラルシミュレーター」について

カーボンニュートラルシミュレーターは、基礎自治体での脱炭素政策を検討するために作成されたツールです。自治体別に2050年の人口、世帯数、就業者人口などの予測をもとに、2050年に稼働する住宅、非住宅、自動車台数などを算出し、省エネ投資をどの規模で行うのかを検討します。そして、省エネに努めてもなお必要とされるエネルギー需要に対しては、それに相当する再生可能エネルギーが域内で生み出されるかどうかを検討し、生み出されていれば「カーボンニュートラル達成!」という表示が出ます。自治体によって、この表示を出す容易さが異なることを実感していただき、脱炭素政策の検討材料とすることができます。

どなたでも簡単に使えるようにExcelファイルで作成されており、無料でダウンロードしていただけます。
https://opossum.jpn.org/news/2021/09/30/805/

「カーボンニュートラルシミュレーター」最新版はデータファイルを切り離すことによって大幅な軽量化を実現しました。また、従来から提供しているExcelファイルをダウンロードする方法に加えて、Web版も公開しました。こちらも自由にお使いいただけます。

Web版カーボンニュートラルシミュレーター https://ristex2014.sakura.ne.jp/cns/

カーボンニュートラルシミュレーターのトップページカーボンニュートラルシミュレーターのトップページ

  • 「脱炭素・未来ワークショップ」について

倉阪研究室では、未来カルテとカーボンニュートラルシミュレーターを用いて、2050年を担う中高生や若手社会人に、2050年の地域の「未来首長」の立場から政策提言を考える「未来ワークショップ」「脱炭素未来ワークショップ」の取り組みも進めています。来年2月には、未来ワークショップを運営するノウハウを伝えるための「未来ワークショップファシリテーター養成講座」もオンラインで実施する予定です。

ワークショップについて https://opossum.jpn.org/work-shop/

  • 開発主体について

「未来カルテ」は、科学技術振興機構社会技術研究開発センター「多世代参加型ストックマネジメント手法の普及を通じた地方自治体での持続可能性の確保」(2014-2019:研究代表者倉阪秀史)において開発されました。また、「カーボンニュートラルシミュレーター」は、環境研究総合推進費2-1019「基礎自治体レベルでの低炭素化政策検討支援ツールの開発と社会実装に関する研究」(2019-2021:研究代表者倉阪秀史)において開発されました。これらの改訂作業は、JST共創の場支援プログラム(COI-NEXT)本格型「ビヨンド・“ゼロカーボン”を目指す“Co-JUNKAN”プラットフォーム」研究拠点(プロジェクトリーダー:菊池康紀東京大学未来ビジョン研究センター准教授)の一環として行いました。

  • 本件に関するお問い合わせ

千葉大学大学院社会科学研究院教授 倉阪 秀史
E-mail:kurasaka(アットマーク)chiba-u.jp

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