( いい湯だな イメージ )
本イベントは、どんなバックグラウンドを持つ人も、温泉に入る時は皆平等に付き合うように、「誰もが楽しめる音楽フェス」を開催することを目指しています。
きっかけは、あるテレビ番組への主催メンバーの出演でした。
様々な社会問題について、福祉の視点から深掘る番組出演をきっかけに、「主催する音楽イベントを耳の聞こえないろう者にも楽しんでもらうにはどうしたらよいか?」と考える日々が始まりました。
この番組出演で知ったのは、ろう者の音楽との付き合い方。それまで、音楽とは遠いところにいると勝手に決め付けていたろう者の人たちも、音楽を楽しんでいるということでした。
歌詞を楽しんだり、鳴り響く音の振動を感じたり、豪華な演出を視覚的に楽しんだりと、ろう者の音楽の楽しみ方を知った私たちは、「耳が聞こえないと音楽を楽しむことはできないだろう」という思い込みを考え直すことにし、複数の福祉関連団体、企業様にアプローチを行いました。
その中で、富士通株式会社が開発したOntenna(オンテナ)に出会いました。
Ontennaは、音の大きさを光と振動の強さに変換するデバイス。聞こえる・聞こえないに関わらず、音楽のリズムやパターンなどをからだで感じることができます。音楽フェスで使えば、みんなが音楽をもっと楽しめるはず。
そう考えました。
富士通のOntennaプロジェクトメンバーの方々と意見を交わしながら、Ontennaの貸出を始めとした対応を盛り込むことで、耳の聞こえない方も聞こえる方も関係なく、「1日の休日」として楽しめる音楽フェスの実現を目指して準備を進めています。
「温泉のようなイベント」を目指すと宣言した私たちがやるべきことは、立場の壁を取り壊して、多くの人が同じように「楽しかった」と感じてもらえる1日を作ること――それは、「デバイスを貸し出す」ことだけでは実現できません。
Ontennaのようなデバイスはあくまでもきっかけであり、大事にしたいのは、普段の生活ではなかなか出会えていなかった人たちも「そこにいるんだ」と気づくこと。そして共に過ごすことです。
一緒に番組に出演したろう者の男性と、食事に行った時に、彼が伝えてくれたのは、「ぼくたちは普通に時間を共に過ごせるし、友人としての関係を築くことができる」ということ。
「手話がわからないから」と、ろう者を遠い存在として見るのではなく、互いの言語や、感覚を尊重しながら、共に過ごすことで、徐々に理解することができる。
それは、慣れきった毎日よりも、少しだけ歩幅を変えて歩いてみたり、自宅への帰り道を、ちょっと違う道でも歩いてみようかなと思ったりすることに近いかもしれません。
温泉のように、一緒に入浴する人を尊重するような感覚。それが当たり前になれば、みんなが気持ちよく、その空間を楽しむことができると信じています。
誰もが平等に楽しめるイベントこそが、ぼくたちが作り上げる「おんせん都市型音楽祭『いい湯だな!』」の目指す姿です。
ダンスが下手だから踊ってはいけない決まりはないし、歌が下手だと音楽をしてはいけないルールもないし、ベストセラーを作れない人は小説を作ってはいけないわけではない。同じことなんじゃないかと少しだけ感じています。
今回のイベントに参加した人たちが、偶然にも同じ日に音楽や温泉というきっかけの中で集まる1日が、かけがえのない、もう2度と訪れないかもしれない特別な時間になりますように。そう願っています。
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今回の取り組みについて
Ontennaを活用した耳の聞こえない方も聞こえる方も共に楽しめる音楽イベントを目指す取り組みを、障害者団体、ろう者団体、富士通、Ontennaの製造・販売・イベント利用支援を担う加賀FEI株式会社などと共同して行います。
一部アーティストのステージにおいて、以下の対応を行う予定です。
・Ontennaを貸し出します(数に限りはありますが、耳の聞こえる方にも貸出予定です)
・ろう者優先エリアに設置のモニターで歌詞、MCの字幕が流れます
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Ontennaとは?
Ontenna(オンテナ)は、髪の毛や耳たぶ、えり元やそで口などに身に付け、振動と光によって音の特徴をからだで感じる全く新しいユーザインタフェースです。耳が聞こえない人も、音のリズムやパターン、大きさを知覚することが可能です。
ろう者と聴者が共に楽しむ未来を目指し、ろう者と協働で開発しました。
本体内部にマイクを搭載し、マイクが捉えた60~90デシベルの音を256段階の振動と光の強さに変換します。
Ontenna 公式サイト:https://ontenna.jp/
( Ontennaは髪の毛に付けることができます )
( 聞こえない人と聞こえる人が一緒に音楽を楽しんでいます )
( 手のひらに収まる大きさのクリップ型のデバイスです )
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▼イベント概要
開催日:2023年10月28日(土)
時間 :OPEN 10:30 / START 12:00(予定)
CLOSE 21:30~22:00
AFTER PARTY:23:00-28:00
開催場所:大分県別府市別府駅周辺(別府北浜)
▼ライブ開催会場
別府ブルーバード劇場
SUNLINE BEPPU
別府COPPER RAVENS
CREOLE CAFE
▼飲食ブース
やよい銀天街
▼チケット:発売中
前売り(大人)6,600円 / 当日(大人)7,700円
大学生(専門学生) 4.400円
大分県内在住中高生 無料 / 中高生(大分在住以外) 2,200円
※各チケット枚数制限あり
▼出演アーティスト
aldo van eyck / 井上杜和 / illmore / OKADA × MASUMURA(岡田拓郎、増村和彦) / くだらない1日 / DJ KRO / Subway Daydream / showmore / 鎮座DOPENESS / STB(satoshi fujise) / ツチヤナナミ / Deep Sea Diving Club / Tokimeki Records / baobab / Mahina Apple / young doughnut
優河 with 魔法トリオ / 浪漫革命 50音順
公式HP:https://iiyudana-beppu.com/
チケット販売サイト:https://iiyudana-beppu.peatix.com/
出演アーティストプレイリスト
Spotify
AppleMusic
企画運営:AKANEKO MUSIC
PA:dot.operation
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◎富士通
本社 東京都港区、代表取締役社長 時田 隆仁
◎Ontenna
公式サイト:https://ontenna.jp/
◎おんせん都市型音楽祭「いい湯だな!」
2023年から始まる音楽フェス。昭和ノスタルジック溢れる別府北浜を、
好きな、気になるアーティストの演奏を楽しみに巡る1日。
イベント中盤には、会場近隣の温泉に行く「ONESEN TIME」を採用。
また、聾者が参加できる仕組みづくりなど、幅広い人が楽しめる
環境づくりに力を入れる。
Instagram: https://www.instagram.com/akaneko_music/
X(旧Twitter):https://twitter.com/akaneko_music_
主催・AKANEKOについて
大分県内の特徴的な場所で、音楽LIVEを企画運営。これまでに、築90年の老舗旅館、別府湾を一望できる森の中のカフェ、歴史ある映画館、芝居小屋など、LIVEハウスではなく、その土地の特色を活かした会場でのLIVEの企画運営を得意とする。
過去3年で、Kan Sano、UQiYO、Monday Michiru、Alice Phoebe Lou、Yu-ri Tanaka(BLU-SWING)のLIVEを企画運営。