■背景
住宅建築に関わるサプライチェーン上で木材・建材・設備等の住宅資材を取り扱う建材流通事業者は、積算、見積、資材発注、工程管理、現場への資材配送等、重要な役割を担っています。見積作業は煩雑な上にメーカー、工務店等多くの事業者が関わるためデジタル化による生産性向上の余地が大きい業務の一つです。従来の見積作成は①建材流通事業者が取得する見積情報の形式が異なる、②見積作成手法のバラつきが大きい、③業務が属人化しやすい等の理由から、業務の効率化を阻害する要因となっています。これらの課題を解決し、建材流通事業者の生産性の向上と経営の合理化を実現するために業務フローの標準化とそれらを動かす仕組みが必要です。
■「JUCORE 見積」サービス特長
①業界特化型の見積書作成支援ソフト
一般的な見積書作成ソフトには含まれていない仕入原価や売価の掛け率入力はもちろん、端数丸め機能やセット商品の見積内訳表示等にも対応。
②クラウドシステム活用でスムーズなデータアクセスを実現
インターネットに接続できる環境とパソコン・タブレット・スマートフォンがあれば、場所を選ばず作業が可能。見積データをクラウド上で社内に共有でき、ペーパーレス化、業務の脱・属人化を実現。
③見やすい・使いやすい・運用しやすいシステム設計
見やすい・使いやすい・運用しやすい画面設計で、Excelシートのような一覧画面でデータ入力・編集ができる操作性を重視。
④見積共通フォーマットに対応
大手建材メーカー21社が既に導入している一般社団法人全国住宅産業地域活性化協議会※1の見積共通フォーマット※2に対応。見積共通フォーマットでデータを取り込みむことで、手入力による転記ミスや二重入力の無駄を削減。
※1.一般社団法人全国住宅産業地域活性化協議会(HP参照)。全国の工務店と、建材流通事業者により構成される、地域に根差した安心で優良な住まいづくりのを目指す全国組織。
※2.建材流通業界内における共通フォーマット化の推進を目的とし、メーカー、建材流通事業者等が自由に利用できるデータフォーマットです。(https://www.jyukatsukyo.or.jp/format/)
⑤データの可視化
案件ごとの進捗管理、集計・分析が可能で、営業活動上の意志決定、スピーディな経営判断を実現。
⑥コンサルティングサポート
「JUCORE 見積」導入後は建材流通事業者それぞれの課題に合わせた業務改善案を提案。「ソフトウエア提供」×「伴走型営業」で導入後の利用定着を促し、その先の新機能追加に伴うフォロー、分業体制の構築等、活用効果最大化に繋がるサポートを継続。
■今後の展開
更なる利便性向上のため建材流通事業者が利用する基幹システムやメーカー見積・受発注システム等とのデータ連携など新たな機能を継続的に開発していきます。来るべき労働力不足の業界課題に対して、業務生産性の向上に貢献できるサービスを拡充していきます。
住友林業グループは森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・中大規模木造建築の請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しています。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では住友林業のバリューチェーン「ウッドサイクル」を回すことで、森林のCO2吸収量を増やし、木造建築の普及で炭素を長期にわたり固定し、自社のみならず社会全体の脱炭素に貢献することを目指しています。今後も建築での木材・木材由来素材の利用と他材料から木への代替を促進し、脱炭素化を加速させます。
以上
(ご参考)
*「JUCORE見積」HP
https://sfc.jp/treecycle/value/jucore/quo.html