LLMを活用した社会シミュレータ事業開始のお知らせ

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心理学及び感情認識AIのサービス・プロダクトへの実装に豊富な経験を持つ、株式会社エモスタ(本社:東京都中央区、代表:小川 修平)がLLMを活用した社会シミュレータ事業を開始しました。スタンフォード大学とGoogle社の共同研究を土台とし、心理学の知見に基づく知見をもとにこれをチューンアップしていく予定です。当該技術の本格的な活用には産官学のさまざまな知見を統合する必要があり、広く協業パートナーを募集いたします。

サービスの概要および特徴

社会シミュレータは、LLMを用いて人間を模した複数のエージェントが自律的に生活し交流する様を観察、解析することを可能とするサービスです。

これにより、これまでは困難だった、組織・社会・心理学的分野において、容易に比較実験が可能となることが期待されます。

企業向けのアプリケーションとしては、都市計画、政策決定、建築デザイン、組織設計、オペレーション設計、などにおける活用を想定しており、 実際に、建設、デベロッパー、自治体をクライアントとするSIerなどの企業から初期的な関心が表明されております。

画像引用:Park, J. S., O’Brien, J. C., Cai, C. J., Morris, M. R., Liang, P., & Bernstein, M. S.(2023). Generative Agents: Interactive Simulacra of Human Behavior. Proceedings of theUIST ’23, https://doi.org/10.1145/3586183.3606763

都市計画・デザインのシミュレーション:

  • 新しい都市エリアやコミュニティの計画段階で住民の行動をシミュレートすることができます。

  • これにより、交通の流れ、公共施設の利用度、住民間の相互作用などを事前に評価し、最適な都市デザインを検討することが可能となります。

建築・不動産開発のプロトタイピング:

  • 新しい建物や住宅地のデザインにおける人々の動きや活動をシミュレートします。

  • 例えば、商業施設の場合、来店客の動線や滞在時間、利用パターンを予測して、効果的な店舗設計や広告配置を考えることができます。

政策策定:

  • 新しい政策や規則を導入する前に、その影響をシミュレートします。

  • 例えば、新しい交通ルールや公共サービスの導入時に、住民の反応や影響を予測し、問題点を事前に特定して改善策を検討することができます。

地域コミュニティの活性化:

  • 地域活性化のためのイベントやプログラムの効果をシミュレートします。

  • 地域住民の参加や交流を促進するための最適な活動やプログラムを事前に評価・検討することができます。

オフィス動線・配置の最適化:

  • オフィス内での従業員の動きや活動をシミュレートします。

  • 効率的な動線、コミュニケーションの最適化などを考慮した配置など、より効果的なオフィスレイアウトを計画することができます。

チーム形成・組織構造の最適化:

  • シミュレーションを通じて、異なるスキルセットや性格を持つエージェント間の相互作用を観察し、最も効果的なチームの組み合わせや組織構造を検討します。

新しい組織文化の導入のシミュレーション:

  • 新しい組織文化や方針の導入時の従業員の反応や影響を事前にシミュレートします。これにより、方針の導入や変更が組織に与える影響を評価し、必要なサポートやトレーニングを事前に計画することができます。

リーダーシップトレーニング:

  • 管理職やリーダー向けのトレーニングの一環として、シミュレーションを活用します。リーダーは、仮想的な組織内でのリーダーシップを取ることで、実際の組織運営に必要なスキルや対応策を学ぶことができます。

採用戦略の評価:

  • 新しい採用戦略や人材育成の方針が組織の成長や業績にどのような影響を与えるかをシミュレートします。これにより、最も効果的な人事戦略を事前に評価・検討することができます。

リリースに至った背景

2023年4月にスタンフォード大学とGoogle社の共同研究チームより「Generative Agents: Interactive Simulacra of Human Behavior」という論文が発表されました。人気ゲーム「The Sims」を彷彿とさせる、25人のエージェントが生活を営む様子をシミュレートし、それらエージェントの振る舞いが人間にとってリアリティのあるものとして感じられるかどうかを第三者の人間に評価させたところ、実際にそのように評価されたところが本研究のブレイクスルーであると弊社では評価しております。

ただ、他エージェントの意見などによって簡単に行動や意見を変えてしまうなど、まだ実際の人間の振る舞いとは乖離することも同時に指摘されており、どのようにリアリティを増すか、ひいては現実世界における社会/心理現象との対応関係をどう考えるかは引き続き課題となっています。

この状況を踏まえ、スタンフォード大学とGoogle社の共同研究チームの成果を土台とし、これまで弊社が培ってきた心理学やAIの知見、多様な企業との協働実績を活かして、組織・社会・心理学的分野において、容易に比較実験が可能となるプロダクトにこれをアップグレードすることが、弊社固有の強みを活かして社会に貢献することにつながるものと判断しました。

今後の展開

事業開始にあたり、社会シミュレータを実際に社会にとって有益なものにしていくための共同開発パートナーを募集します。年内には社会シミュレータを活用した実験や成果の概要を見定めた上で、2024年に実験の実施と成果の発表を目指していくことを考えております。

ご関心のある企業担当者の方は、下記までご連絡をいただけますと幸いです。

株式会社エモスタ

代表:小川 修平

連絡先:sogawa@emosta.com

株式会社エモスタについて
2017年創業、臨床心理士でもあるアレクサンダー・クリーグ氏が自身のカウンセリングの質をあげることを目指して「エモリーダー」を開発。義兄で現CEOの小川修平がプロジェクトに加わりプロダクト化。複数人同時計測と共感度計測をすることでコミュニケーションにおける深いインサイトに迫ることを可能とした。同ソフトウェアの開発のほか、感情データの統計解析を用いたコンサルティング、感情データを活用したサービス、心理学コンテンツの開発を通じて、人々が自分の価値観に沿った人生を歩む支援を行う。

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