また今回取扱いを開始する転換社債は、投資家が利息収入(インカムゲイン)と株式売却益(キャピタルゲイン)の双方を期待でき、エンジェル投資で出逢えなかった企業に投資できる機会となるサービスです。
特定投資家私募制度を活用した本サービスで、個性豊かな発行企業と他にはない投資機会を求める投資家の方々をつなぎ、当社はより一層、新しいスタートアップ投資市場の拡大に貢献いたします。
■転換社債の取扱いにより、アーリーステージのスタートアップにもベンチャーデット提供を開始
当社は、2023年7月27日付けで、日本証券業協会より特定投資家向け銘柄制度(J-Ships)における取扱協会員としての指定を受けました。これを受けて、プロ投資家(特定投資家)を対象とし、スタートアップの発行する転換社債(※1)の取扱いを新たに開始いたします。プロ投資家向けに非上場企業の転換社債の取扱いに積極的に取り組むと宣言した証券会社は、当社が初めてです。政府の「スタートアップ育成5か年計画」でもスタートアップへの資金供給強化施策のひとつとして挙げられている特定投資家私募制度を、当社は活用推進いたします。
発行企業として想定するのは、アーリーステージ以降のスタートアップ(時価総額数億円から数十億円程度)で、ベンチャーデット調達を希望する企業です。これまで当社が取扱ってきた社債発行支援サービスは、純粋なデット(負債性)調達手段のため、主にミドルステージ以降のスタートアップ向けでしたが、社債に新株予約権の性質が加わった転換社債の取扱いを始めることで、アーリーステージのスタートアップに対する資金調達サポートも行えるようになりました。
発行企業にとっては、従来のエンジェル投資家層とも親和性のある「プロ投資家」のみをターゲットとするため、比較的大口の投資家に限定されることが期待できます。また、株式や新株予約権のみによる調達と異なり、転換社債の場合は満期償還または権利行使を投資家が選択できるため、必ずしも株主が増加するわけではない点も、メリットのひとつです。
■「プロ投資家」へ、成長が期待できるスタートアップへの投資機会を提供
本サービス開始により当社は、金融リテラシーが高く保有資産等も十分な「プロ投資家」に対し、これまでは接点が限られていた、リスクは高いものの成長性に期待できるスタートアップへのオルタナティブな投資機会を提供できるようになりました。
投資家にとって転換社債は、これまで当社が扱ってきた社債と同様の社債利息収入(インカムゲイン)に加え、株式転換した場合の株式売却益(キャピタルゲイン)も期待できる商品です。また、エンジェル投資は一般的にシード期までのスタートアップが中心ですが、転換社債としてデットの要素を折り込むことで、純粋なエンジェル投資では出逢えなかったアーリーステージのスタートアップへの投資機会が得られるようになります。
今回の対象となる特定投資家について、当社では既に2022年11月より特定投資家への移行受付を開始(※2)し、続々とお申し込みをいただいております。
「転換社債投資」詳細ページ: https://siiibo.com/convertible_bond/
当社は、社債発行・購入プラットフォーム「Siiibo」の運営を通じ、スタートアップ・投資家双方のニーズを踏まえた社債発行条件の研究に邁進してきた知見を活かし、政策として進められているスタートアップ企業への支援強化に貢献することを目標としております。今後も個性豊かな発行企業と新たな投資機会を求める投資家の方をつなぎ、新しい投資市場の拡大に貢献することで、当社のミッションである「自由・透明・公正な直接金融を創造する」の実現を目指してまいります。
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【参考情報1】
新しいスタートアップの資金調達手段を提供する、特定投資家私募制度の見直し
特定投資家私募制度の見直しは、スタートアップの資金調達手段拡充に向けた施策のひとつです。特定投資家私募とは、いわゆる「プロ」の投資家である「特定投資家」のみを対象とする取得勧誘の方法です。個人の一般投資家であっても、一定の知識・経験・財産状況を満たすことで、「プロ成り」が可能となっています。2022年7月に日本証券業協会の規則(※3)が整備されたことにより、特定投資家は、スタートアップをはじめとする非上場企業の新株予約権付社債などを、証券会社を通じて購入できるようになりました。日本証券業協会が前述の規則に基づく業務を取り扱う証券会社を「取扱協会員」として指定し、公表しています(※4)。
また、同制度見直しの背景には、リスク管理能力とリスク許容度の高い「プロ」投資家がリスクテイクを行いやすい環境を整備していくべき、という議論がありました(※5)。ベンチャーキャピタルやPEファンドのみでなく、プロ要件を満たす個人・法人からもリスクマネー供給を促進し、成長資金を必要とするスタートアップへの投資機会を創出することで、イノベーションが生まれ、経済社会の発展に寄与することが目指されているといえます。
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【参考情報2】
スタートアップ育成5か年計画推進に貢献するベンチャーデット
特定投資家私募制度の見直しは、2022年11月に政府により発表された「スタートアップ育成5か年計画」(※6)において、スタートアップのための資金供給強化に向けた取り組みのひとつとされており、2023年6月に閣議決定された「新しい資本主義」実行計画改訂版(※7)にも盛り込まれています。特に2022年以降はスタートアップの資金調達環境が悪化し「スタートアップ冬の時代」とも呼ばれる中、これまでも当社は社債発行によるデット調達支援を推進してまいりましたが、転換社債を活用したベンチャーデット調達手段の提供により、一層スタートアップのニーズに応えた更なるサポートを行えるようになると考えております。
(※1)正式名称は、転換社債型新株予約権付社債。いわゆるCB(Convertible Bond)を指します。
(※2)Siiibo証券株式会社「Siiibo証券、特定投資家への移行(プロ成り)受付を開始」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000045441.html
(※3)日本証券業協会「店頭有価証券等の特定投資家に対する投資勧誘等に関する規則」https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/jishukisei/web-handbook/105_kabushiki/files/20230701_j-ships_kisoku.pdf
(※4)日本証券業協会「特定投資家向け銘柄制度(J-Ships)における取扱協会員」https://market.jsda.or.jp/shijyo/j-ships/toriatsukai/index.html
(※5)金融審議会市場制度ワーキング・グループ「第二次報告 ―コロナ後を見据えた魅力ある資本市場の構築に向けて―」https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20210618/houkoku.pdf
(※6)内閣官房「スタートアップ育成5か年計画」https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/sdfyplan2022.pdf
(※7)内閣官房「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版案」https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2023.pdf
■Siiibo(シーボ)証券株式会社について
「自由・透明・公正な直接金融を創造する」をミッションに掲げ、“社債”というシンプルな金融商品を世に広めることを目指しています。社債に特化した本邦唯一のネット証券(※)として、オンラインでの社債の発行・購入が可能なプラットフォーム「Siiibo」を運営しております。「Siiibo」では投資家向けに企業情報閲覧・社債購入管理サービスを、企業向けにIR掲載・社債発行サポートを提供しています。
社 名:Siiibo証券株式会社(英文表記: Siiibo Securities Co., Ltd.)
代表者:代表取締役 小村和輝
所在地:〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町8-1 FinGATE TERRACE 8F
設 立:2019年1月11日
資本金:10億9,473万円(資本準備金含む、2023年4月末時点)
URL :https://siiibo.com
(※) Siiibo証券調べ 2023年8月15日時点
■金融商品取引法に係る表示
商号等: Siiibo証券株式会社 第一種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3230号
加入協会: 日本証券業協会
【本件に関するお問い合わせ先】
Siiibo証券株式会社 広報担当
E-mail: pr@siiibo.com