海運業界における脱炭素化を達成するためには、海運会社のみならず、お客様、港湾事業会社、エネルギー供給事業者、政府機関などが一体となった取り組みが必要です。商船三井は、GCMDのインパクトパートナーとして、長年培ってきた海上輸送に関わる運航・技術的ノウハウを活かし、GCMDのプロジェクトへの参画を通じて、船舶・運航データ・知見の提供など様々な貢献・協力を行い、今後GCMDで予定されている代替燃料を用いた実証実験に貢献します。
商船三井は、世界の海運業界をリードする企業として、脱炭素化に向けた様々な議論を主導してきました。カーボンバジェットのコンセプトでは、2050年までに世界の気温上昇を1.5℃以下に抑えるため、世界全体で排出できる温室効果ガス (GHG)に上限があります。世界的に掲げられているネットゼロ目標に向けて、足元から排出削減に取り組むことが必要です。将来的にはGHGを全く排出しない船舶の導入が計画されていますが、現時点からできる排出削減策を講じていくことが重要です。商船三井は、LNGをはじめとした既に利用可能な低炭素燃料の使用、船舶への省エネルギー装置の導入などを進めており、これまで培ってきた豊富な知見と経験を活かし、GCMDや既に加盟しているパートナー企業とともに海運業界の脱炭素化を加速していきます。
GCMDのCEOであるLynn Loo教授は、「日本有数の船会社である商船三井がインパクトパートナーとして参加することを嬉しく思います。商船三井が持っている省エネルギー技術や実績を活用して、船舶の燃費向上につながる施策が海運業界へ普及するよう、視野を広げて取り組んでいきたいと考えています。」と述べました。
商船三井の代表取締役副社長執行役員 田中利明は、「最も重要な国際的団体の一つであるGCMDのパートナーとなることを非常に喜ばしく思います。商船三井は、GCMDおよびそのすべてのパートナーと共に、海運業界におけるネットゼロの未来に向けて貢献し、その進展を加速するために最大限努力します。」と述べました。
各者概要
Global Centre for Maritime Decarbonisation (GCMD)
2021年8月1日に非営利組織として設立され、戦略的パートナーとして、シンガポール海事港湾局 (MPA) 、BHP、BW Group、Eastern Pacific Shipping、Foundation Det Norske Veritas、Ocean Network Express、Seatrium、bp、Hapag-Lloyd、日本郵船が加盟しています。戦略的パートナー以外にも、各プロジェクトに関与する80以上のパートナーに加えて、GCMDの運営に携わる15のパートナーが加盟しています。
世界最大のバンカリングハブであり、世界第2位のコンテナ港であるシンガポールに戦略的に位置しているGCMDは、海事産業におけるGHG排出削減支援のため、次世代燃料の基準をつくり、実際にエンドツーエンドで低炭素ソリューションを実証し、先駆けとなるプロジェクトへの資金提供を通じ、セクター間の協力を促進します。詳細については、www.gcformd.orgをご覧ください。
株式会社商船三井(商船三井)
1884年に設立され、海運業を中心に様々な社会インフラ事業を展開しています。商船三井グループは、環境戦略を経営計画 「BLUE ACTION 2035」 の重点戦略の一つとして位置づけ、日本の海運業界で初めて2050年までにGHG排出量を実質ゼロにする目標を掲げました。2023年4月には、人・社会・地球のサスティナブルな発展を実現するための新たな道標として「商船三井グループ 環境ビジョン2.2 」を策定しました。商船三井は、マルチモーダル輸送の先駆者として、またグローバルな社会インフラグループとして、クリーンな代替燃料の利用とネガティブエミッションを広く適応することを推進し、目標の達成に全力を尽くします。詳細はhttps://www.mol.co.jp/をご覧ください。