1000年以上の歴史を持つ、丸く締まった形状の吉川ナス
福井県鯖江市の旧吉川(よしかわ)村の辺りで栽培されていた吉川ナスは、1000年以上の歴史を持ち、賀茂ナスのルーツともいわれています。収穫時期は6月から10月。300gほどのソフトボールくらいの大きさの丸ナスです。皮が薄く、引き締まった肉質は火を通しても煮崩れしにくく、田楽などに適しています。油との相性も良く、甘くとろけるような味わいと親しまれてきました。
品種改良がされていない吉川ナスには葉・枝・ヘタに鋭い棘がある
昔のままの姿を留めている吉川ナスは、風が吹くとその棘に触れて、果実が傷ついてしまい、見映えが悪くなります。栽培が難しい上に、収穫量も多収型に比べると1/3以下と少ないため、栽培農家が激減してしまい、1990年前後には、栽培農家が1軒になったのです。
たったひとりの農家が栽培を続け、守り継いだ吉川ナス
「たくさんできるものではないので、あまり儲けもないが、待っている人がいるからね。うちだけだから」
と語った農家さんが亡くなった際、畑に残ったのは、3玉のナスだけでした。農家の妻より譲り受けた吉川ナスから採った種を守り、受け継いでいく覚悟をしたのが市の農政課員と地元の篤農家たちです。
2009年「鯖江市伝統野菜等栽培研究会」を結成し生産が途絶えかけた吉川ナスの再興に挑み、伝統を守り続けるため、定期的に栽培講習会を開催し、共通の栽培指針に基づく同じ品質のナスを出荷できるように努めています。
2016年7月、吉川ナスは国の地理的表示(GI)保護制度に登録
地理的表示(GI)保護制度は、地域の高品質な産品を国が登録・保護する制度です。
吉川ナスは北陸初のGI登録、また伝統野菜としては全国初の登録産品です。
吉川ナスの美味しい食べ方・農家さんのおすすめは?
ソフトボールくらいの大きさの丸ナスで、皮が薄く果肉が締まった吉川ナスは、加熱すると柔らかくなり、油を使った調理方法だと、とろけるように甘い味わいが楽しめます。田楽のように焼いたり、揚げたり煮ても美味しいです。和・洋問わず、中華やイタリアンにも活躍します。
鯖江の伝統野菜 吉川ナス よしかわなすについて、詳しくはwebの特集へ
https://www.tsukijiichiba.com/user/collection/1200
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