病気とたたかう子どもたちへ良質の音楽を 冨田勲氏の遺志を継いだ音楽イベントをこどもホスピスで開催

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小児がんや重い病気の子どもたちを支援する認定NPO法人シャイン・オン・キッズ(東京都中央区、理事長:キンバリ・フォーサイス)と、認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト(横浜市金沢区、代表理事:田川 尚登)は、5月5日こどもの日に、冨田勲研究会から寄贈された5.1チャンネルサラウンドシステムのお披露目を兼ねて、「うみとそらのおうちの小さなカーニバル〜音楽と映画Day!」を開催しました。

会場となった「うみとそらのおうち」の2階ホールには、5.1CHサラウンドシステムとプロジェクターが設置され、色とりどりのバルーンや、楽器、光るおもちゃなどが、子どもたちが手に取れるように配置されました。

午前の部は、オリジナル音楽あそびのワークショップを展開する夫婦デュオ、エリクオのパーカッションとギター、音響デザイナー津田賢吾氏のカシオトーンの演奏で始まりました。そしてスクリーンに映し出される映像とサラウンドシステムによる360度から聞こえる音楽で、雄大な自然の中にいるような、水や風の音を体感しました。

続いて、シャイン・オン!チャンネル(YouTube)の人気コンテンツ「ファシリティドッグと楽しむオンラインコンサート」(俳優の大和田美帆さん、大和田獏さん父娘が出演)の曲に合わせて、参加者全員で一緒に合奏しました。力が弱い、つかみにくい、などの不自由さがあっても持ちやすく工夫された楽器や、世界の民族楽器などを使い、子どもだけでなく、ご家族皆んなで合奏を楽しみました。


午後の部は、映画の上映会を行いました。臨場感のあるサラウンド音響で映画を楽しんだお子様は、「とても楽しかった」「臨場感あふれる音楽のおかげで、より感動できた気がする」などの感想をいただきました。

1階のフロアではポップコーンやチュロスなどのお店があり、輪投げなどゲームを楽しめるコーナーもあり、こどもたちの笑顔が溢れていました。

このプロジェクトは、世界的に活躍された音楽家の冨田勲氏の活動を継承するために設立された冨田勲研究会からの資金援助で実現しました。コロナ禍での闘病生活で、病気とたたかう子どもたちは楽しいことや外部との交流、学びの機会が少なくなっています。そんな子どもたちに少しでも良い体験や刺激に繋がって欲しいと、2021年よりシャイン・オン!キッズを通じてカシオトーンの寄贈を開始。昨年までに全国13箇所の小児病棟や、横浜こどもホスピス、TSURUMIこどもホスピスなどの医療関連施設に、合計23台のカシオトーンと付属機器を寄贈しています。

さらに、冨田勲氏が長年培ってこられた立体音響の技術と映像表現を子どもたちへの癒しや音楽療法を組み合わせたコンテンツ開発につなげたい、との思いから、横浜こどもホスピスへの5.1CHサラウンドシステムを設置いただき、そのお披露目を兼ねての開催となりました。

代表の妹尾理恵氏からコメントをいただきました。
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「子ども達へ良質の音楽を」という父の遺志を継いで、横浜こどもホスピス様にて皆さまの協力でサラウンド音響を活用したイベントを開催できました事を大変嬉しく思います。津田賢吾さんに新たに「森の中で遊ぼう」「海で遊ぼう」とまるで森や海にいるような癒しを感じてもらえるサラウンドコンテンツも作っていただきました。今後も亡き父が長年こだわっていた立体音響(サラウンド)を活用して子ども達に音楽を楽しんでいただけたらと思います。

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シャイン・オン!キッズでは今後も冨田勲研究会と共に、入院中の子どもたちのための良質なコンテンツ開発を検討しています。冨田勲氏が長年培ってこられた立体音響の技術や表現方法と、サラウンドシステムを活用して、楽しいだけでなく、癒し効果、音楽療法、発達にも一役買うようなプログラムの構築を視野に入れております。

・カシオトーンの寄贈に際しては、カシオ計算機株式会社(CASIO)様にご協力いただきました。冨田勲氏が1970年代から80年代にかけ国内外にて開催した野外コンサート(サウンドクラウド)では、CASIO様がメインスポンサーとなり、技術面をサポートされました。
・サラウンドシステムの設置に際して、株式会社ヨドバシカメラ様にご協力いただきました。

・ご参加の皆様へのお飲み物、お菓子の提供に際して日仏貿易株式会社様にご協力いただきました。


◆TOMITA information Hub(冨田勲研究会)

音楽家・冨田勲氏の楽曲と立体音響作品の普及を目的として、FMラジオ「ミュージックバード SOUND OF OASIS~COOL SAKE~」「冨田勲研究会」ほか、様々な企画を行う。また冨田勲氏が作品を通じて表現したかった事を、様々な分野のアーティストと共に研究しながら、さらに豊かな発想を培う場として、その精神を未来へと繋げられるよう活動。2020年からはコロナ禍で今まで以上に制約された入院生活を送る子ども達に向けて、認定特定非営利活動法人シャイン・オン!キッズを通じてカシオトーンを寄付したり、サラウンド音響システムを整備して、冨田勲氏の築いた技術や精神を未来に繋げる活動も行う。長女の妹尾理恵が代表を務める。

◆erikuo(エリクオ)

2005年結成。マリンバ&グラスハープ大橋エリ、ギター後藤郁夫のデュオ。発想、創造、五感で楽しむオリジナル音楽あそびのワークショップを全国で展開。身近な楽器や素材、世界の民族楽器などを使った華やかな演奏、オリジナルのリズム遊び、からだ遊び、手作り楽器、音まねなど多彩なコンテンツを持つ。

2008〜2010年NHKスタジオパークライブにレギュラー出演。NHK「ひるまえほっと」「ムジカ・ピッコリーノ」日テレ「THE MUSIC DAY」「世界番付」他TV出演多数。幼児教材の出演、作編曲、多数。0〜100歳まで喜ばれる幅広い演奏を展開する。

◆津田賢吾(音楽家・音響デザイン) 

作編曲、オーケストレーション、立体音響デザインを冨田勲氏、映像音楽を坂田晃一氏、プログラミングを小高直樹氏に師事。これまでにTV、ラジオの番組BGM、CM音楽、映画音楽、業務用カラオケのプログラミング、ゲーム音楽、歌楽曲、コンサート等、各種音楽制作の他、音楽家・レコード会社のサポート、音楽大学・メーカーでのセミナー、専門学校非常勤講師、ソフトハウスやスタジオの運営など東京と名古屋を拠点に精力的に活動を続けている。

◾️認定特定非営利活動法人シャイン・オン・キッズ

小児がんや重い病気の子どもたちとそのご家族を心のケアのプログラムで支援。ファシリティドッグ・プログラム(動物介在療法)、ビーズ・オブ・カレッジ プログラム(アート介在療法)、キャンプカレッジ(小児がん経験者のコミュニティ運営)、シャイン・オン!コネクションズ(オンラインで心のケアや学習支援アクティビティを提供)、シャイン・オン!フレンズ(小児がん経験者のWEBコミュニティ)などを運営。2006年設立、2023年4月現在全国28病院にて活動中。http://sokids.org/ja/

【関連リンク】

横浜こどもホスピスプロジェクト

認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト
認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトは、重い病気とともにある子どもと家族が、家庭的な環境の中で豊かな時間を過ごし、喜びも悲しみも共に分かち合い支え続ける「こどもホスピス」の運営を目指し、こどもホスピスと小児緩和ケアの普及と人材育成を実践します。

TOMITA information Hub(冨田勲研究会)

冨田勲 | TOMITA information Hub
冨田勲に関心を持っていただきありがとうございます。「冨田勲研究会・ TOMITA information Hub」は、音楽家・冨田勲について関心をお持ちの方や初めて知る方が共に学び、楽しみ、冨田勲が音楽を通して表現したかった事を考える会です。父が亡くなり5年となりましたが、長女として父の仕事の事はまだまだ知らないことば...
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