HIROTSUバイオサイエンスが、Global Health Equity Fundと「N-NOSE®」海外展開に関する覚書を締結

この記事は約12分で読めます。
 株式会社HIROTSUバイオサイエンス(本社:東京都千代田区、代表取締役:広津崇亮、以下HIROTSUバイオサイエンス)は、このたび、世界の健康問題の解消にむけたインパクト創出支援を目的とするインパクトファンド「Global Health Equity Fund」と、医療体制が整っていない国々への「N-NOSE」の海外展開に関する覚書の署名を行いました。

 Global Health Equity Fund(以下GHEF)は、WHO FoundationおよびベンチャーキャピタルのOurCrowdの提携により設立され、主に医療機関が脆弱な低・中所得国および地域に暮らす人々の健康状態改善に向け画期的な技術を用いた新医療を浸透させ、地球規模で人類により健康な暮らしをもたらし収益獲得を目指すインパクト投資ファンドです。

 今回の署名式は、HIROTSUバイオサイエンスとGHEFとの間で2023年5月11日に実施された会議において合意された、「N-NOSE」の低・中所得国への海外展開についての覚書を締結したものです。

 署名式には、GHEFを代表し、OurCrowdのGeneral Partner兼GHEFの General PartnerであるMorris Laster氏、WHO FoundationからChief Executive OfficerのAnil Soni氏とChief Impact Investment OfficerのGeetha Tharmaratnam氏が来日しました。

また、「N-NOSE」の海外展開するために協力いただいている双日株式会社から、インフラ・ヘルスケア本部 ヘルスケア事業部部長 廣瀬正佳氏に立会人として同席いただきました。

  • 覚書概要

 安価・全身網羅的・高精度ながん検査という革新的な技術を誇るHIROTSUバイオサイエンスが開発・提供する「N-NOSE」について低・中所得国への海外展開をサポートし、世界の健康問題の解消を目指す。

1.  Advice on N-NOSE product improvement and cost optimization for new markets                    

2.  Identify promising markets for Lower Middle Income Countries (LMICs)  

3.  Provide guidance on regulatory pathways in target countries              

4.  Leverage the WHO Foundation’s network to provide third-party distributors in LMICs target countries.  Provide access and drive market entry and expansion

5.  Identify key regulatory stakeholders in target markets and LMICs                    

6.  Preparation of financial forecasts for various market entry scenarios               

7.  Establish pilot programs and local partnerships for early adoption                    

8.  Providing pricing strategies for diverse LMICs markets                       

9.  Leverage the relationship between GHEF and the WHO Foundation to increase credibility and awareness      

10. Response to local medical insurance systems         

11. Secure additional funding from local governments and NGOs

12.  Access to Global Key Opinion Leader (KOLs)           

1.  新市場に向けたN-NOSEの製品改良とコスト最適化に関するアドバイス

2.  LMICs(Lower Middle Income Countries:低・中所得国)の有望市場の特定

3.  対象国での規制経路に関するガイダンスの提供

4.  WHO Foundationのネットワークを活用し、対象国における第三者販売業者を提供、およびアクセスを提供し、市場参入と拡大を推進する

5.  ターゲット市場およびLMICsの主要な規制関係者を特定する

6.  様々な市場参入シナリオの財務予測の作成

7.  早期導入のためのパイロットプログラムおよび現地パートナーシップの確立

8.  多様なLMICs市場に対する価格戦略の提供

9.  GHEFとWHO Foundationの関係を活用し、信頼性と認知度を高める

10. 現地の医療保険制度への対応

11. 現地政府・NGOからの追加資金確保           

12. 世界のKOL(Key Opinion Leader)へのアクセス

  • 覚書署名式出席者のコメント

・HIROTSUバイオサイエンス 代表取締役 広津崇亮

 当社は、がんが怖くない未来の創造をビジョンとして掲げ、生物の能力を生かすことで「安価」「簡便」「高精度」を両立した世界初のがんの一次スクリーニング検査「N-NOSE」を開発し実用化しました。

海外での臨床研究も進んでおり、人種や食文化を問わないグローバルな技術であることが証明されています。

世界にはがん検査が普及していない、また、その習慣がない国や地域がたくさんあります。

今回のGHEFとの連携は、世界中からがんによって失われる命を減らす第一歩につながると考えています。

これからも「革新的技術の創造をもって人類の健やかな未来に貢献する」ことをミッションとして、みなさんと協力しながら、その実現に向けて邁進してまいります。

 

・WHO Foundation  Chief Executive Officer Anil Soni氏

 私自身の幼少期そして長年にわたるWHOでの働きにおいて、アジアの技術が疾病の困難な課題を解決する事例をいくつも見てきました。

世界を変えるのは欧米諸国だけではありません。科学、革新、医療は世界共通の価値です。

GHEFはN-NOSEのような革新的な技術を見つけ世界に広めることを目標として設立されました。

がんの早期発見を促進し人々がより長生きできるようになるこの技術を広める取り組みに参加できることを大変うれしく思います。

・WHO Foundation Chief Impact Investment Officer Geetha Tharmaratnam氏

 私たちが初めて広津社長にお会いした際、「この技術の恩恵を安価に、世界中で受けられるようにするのが当社のビジョンだ」とお話しされていました。

HIROTSUバイオサイエンスは、これまで検査の低コスト化と高感度化に熱心に取り組まれてきました。

今回、協業できることをうれしく思います。

N-NOSEを非侵襲のがんスクリーニング検査として広く使われるようになれば多くの命を救えます。

ビジョンを実現させる支援ができることを誇りに思います。

・OurCrowd General Partner 兼 GHEF General Partner Morris Laster氏

 私たちのファンドは世界中に健康を届けるとともに投資家に優れたビジネスへの投資をしてもらうことがミッションです。

HIROTSUバイオサイエンスが示されたビジョンは、私たちのミッションと同じ方向を向いています。

私は生物学の基礎研究から驚くべき安価ながんの早期発見技術が生まれたことに驚きました。

そして、HIROTSUバイオサイエンスがこれほど短期間で素晴らしい成果を残していることに感銘を受けました。

この技術を低・中所得国にできるだけ早く展開する取り組みに参画できることを楽しみにしております。

 

・双日株式会社 インフラ・ヘルスケア本部 ヘルスケア事業部部長 廣瀬正佳

「安価」「簡便」「高精度」を並立した世界初のがんの一次スクリーニング検査「N-NOSE」を開発したHIROTSUバイオサイエンス、世界中のネットワークを活かし保健課題の解決に取り組むWHO Foundation、投資先スタートアップの成長支援に強みを有するOurCrowdの3社による今回の提携は、低・中所得国へのN-NOSEの展開を進めるにあたり、非常に期待感のある取り組みです。双日は海外拠点や顧客ネットワークを活用したビジネス構築の側面から、協力を進めていきたいと考えています。

  • 各団体概要

・Global Health Equity Fund(GHEF)

 「WHO Foundation」と、400を超える投資先ベンチャー企業と40超のVCファンドを擁するグローバルベンチャー投資プラットフォーム「OurCrowd」が設立したインパクト投資ファンドです。

 日々拡大する基本的なヘルスケアや医療に関する国や地域間の格差の解消を取り組むべき課題とし、GHEFがもつソリューションを活用し、解決していくことを目的としています。医療に直接関連する技術に加えてアグリテック、フードテック、エネルギー移行技術も含めた、健康リスク軽減に寄与する技術への投資を通じ経済成長を促進、健康関連リソースへのアクセスを促進するプラットフォームを構築することが大きな目的です。

・WHO Foundation

WHO財団は、世界保健機構(WHO)により設立されたスイスの慈善団体であり、独立した財団として、世界中のすべての人に、より健康かつ公平な未来を提供するというWHOの使命をサポートしています。

この財団は、今日と明日の最も差し迫った世界的な健康課題に対処することを重点に置いており、影響力の大きいイニシアチブに資金を提供し、グローバル規模での健康エコシステムの革新、有効性、および対応の迅速化に向けた各種戦略を実行しています。

・会社名:WHO Foundation

・設立:2021年

・所在地:ジュネーブ・スイス

・代表者:Mr. Anil Soni, Chief Executive Officer

・事業内容:世界保健機関(WHO)が設立した慈善団体。世界の健康保健に関する課題の解決に対して資金とネットワークを提供し、WHOの使命の実現を支援

・Webサイト:https://who.foundation/

・OurCrowd

 グローバルなベンチャー投資プラットフォームで、個人の認定投資家や機関投資家が新興テクノロジー企業に投資することを可能にしています。これまでに、21億ドル以上をコミットメントし、400以上のポートフォリオ企業と43のファンドに資本を投入しています。

・会社名:OurCrowd Management Limited

・設立:2013年

・所在地:イスラエル・エルサレム

・代表者:Mr. Jonathan Medved, Chief Executive Officer

・事業内容:ベンチャーキャピタル、資産運用

・Webサイト:https://www.ourcrowd.com/

 

・双日株式会社

 2022年2月に、HIROTSUバイオサイエンスと「N-NOSE」を相互協力のもと海外で事業展開するため資本業務提携契約を締結しました。

・会社名:双日株式会社

・設立:2003年4月

・所在地:東京都千代田区内幸町2-1-1

・代表者名:代表取締役社長 藤本 昌義

・事業内容:総合商社

・Webサイト:https://www.sojitz.com/

【HIROTSUバイオサイエンスについて】

 生物の能力を活かした独自の検査技術の研究開発と実用化を通じて「革新的技術の創造をもって人類の健やかな未来に貢献する」ことを目指しています。

2016年に設立し、研究者の豊かな発想とたゆまぬ努力で、N-NOSEが実用化されました。人生100年時代、健康寿命の延伸が重要視される一方で、2人に1人ががんに罹患すると言われています。

こうした社会的課題の解決に、人工機器にもかなわない嗅覚に優れた線虫の力を活用した「生物診断」という画期的な技術をもって、貢献いたします。

多くの方の健やかな未来のために、生物診断をより身近に、より発展的なものにするために、研究開発と実用化に邁進しています。

・会社名:株式会社HIROTSUバイオサイエンス

・設立:2016年8月

・所在地:東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート

・代表者名:代表取締役 広津崇亮

・事業内容:線虫および線虫嗅覚センサーを利用したがん検査の研究・開発・販売

・コーポレートサイト:https://hbio.jp/

・サービスサイト:https://lp.n-nose.com

  • 【参考】

■「N-NOSE」について

 嗅覚に非常に優れた線虫C.elegansが、人の尿中に含まれるがん特有の匂いを高精度に検知することを利用した、がんの一次スクリーニング検査。

尿を提出するだけで、簡便・安価・高精度・全身網羅的に早期がんを調べることが可能です。

線虫が反応することが確かめられているがん種は、胃がん/大腸がん/肺がん/乳がん/子宮がん/すい臓がん/肝臓がん/前立腺がん/食道がん/卵巣がん/胆管がん/胆のうがん/膀胱がん/腎臓がん/口腔・咽頭がんの15種類。

2020年 1月の実用化以降累計40万人以上が受検しており、法人での導入は1,500社を超えました(2023年5月現在)。

■「N-NOSE plus すい臓」について

N-NOSEの次世代型 “がん種特定検査”。当検査には、線虫C.elegansに遺伝子操作を加えて作製した、すい臓がんの匂いにのみ特異的な反応を示す “特殊線虫“を用います。

この“特殊線虫”は、すい臓がんとその他のがんを嗅ぎ分ける高い判別能を持ち、非侵襲(ひしんしゅう)な手法で早期すい臓がんの検知が可能です。

■「N-NOSE plus わんちゃん」について

N-NOSEの技術を応用した愛犬用がん検査。

これまで、自覚症状を訴えることができない犬が手軽に受けられるがん検査はありませんでしたが、当検査は尿を提出するだけという簡単な方法で、犬に多く見つかるリンパ腫・乳腺がん・皮膚がん等のリスクを調べることができます。

2023年5月から提供を開始いたしました。

タイトルとURLをコピーしました