シップ・オブ・ザ・イヤーは技術的、芸術的、社会的に優れた船舶および海洋構造物の建造を促進するために1990年から公益社団法人 日本船舶海洋工学会が授賞しており、今回で33回目を迎えました。
当社グループ運航船が受賞するのは、2019年のLNG燃料タグボート”いしん”以来3年ぶり、大賞受賞は7度目となります。
“松風丸”は、ウインドチャレンジャー帆を搭載した100,000 DWT型ばら積船で、東北電力の専用船として主に豪州やインドネシア、北米からの石炭輸送に従事しています。風力を推進力として直接利用することで大幅なGHG排出量の削減を実現した点、帆を海洋気象状況に応じて最適な状態に全自動で維持する制御装置や、船員に最適航路を提案するWeather Routing Systemなどの付帯装置も開発し実装している点などが高く評価されました。
“さんふらわあ くれない”は、日本初のLNG燃料フェリーとして環境負荷低減とモーダルシフトを実現 、またカジュアルクルーズ(註3)を提供しています。とりわけ安定したLNG燃料運航を実現し、GHG削減のみならず沿岸・港海域での環境負荷低減にも貢献していること、さらに国内では実績が少ないLNGインフラ整備を実現したことなどが高い評価を受けました。また、大阪~別府間という身近でかつ歴史ある航路でLNG燃料化を実現したことは、一時的な影響のみならず、環境負荷低減に対する関心を高める役割を果たしていることも評価されました。
当社は、「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」( https://www.mol.co.jp/sustainability/environment/vision/pdf/vision22/mol_group_environmental_vision_2.2.pdf?v=230428 ) において、2050年までにグループ全体でのネットゼロ・エミッション達成を掲げ、風力活用やクリーン代替燃料の導入を始めとした様々な地球環境への負荷低減をグループ一丸となって進めています。
世界最大級の船社としてこれまでに培ってきた経験およびノウハウを生かし、海運を中心にさまざまな社会インフラ事業や技術・サービスを展開し、グループ全体で幅広いお客様のニーズに応えてまいります。グローバルな社会インフラ企業へと飛躍し、青い海から人々の毎日を支え、豊かな未来をひらき、全てのステークホルダーに新たな価値を届けます。
(註1)ウインドチャレンジャーに関する過去プレスリリースは以下をご参照ください。
2022年8月10日付プレスリリース 「ウインドチャレンジャー搭載船2隻目のばら積み船建造契約を締結 ~風を船の推進力に活用し、環境負荷を低減~」( https://www.mol.co.jp/pr/2022/22093.html )
2022年10月7日付プレスリリース 「世界初のウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)搭載 石炭輸送船「松風丸」の竣工について」( https://www.mol.co.jp/pr/2022/img/22112.pdf )
(註2) “さんふらわあ くれない”に関する過去プレスリリースは以下をご参照ください。
2022年12月22日付プレスリリース 「LNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」へのLNG燃料供給を開始 -日本初 スキッドを用いたTruck to Ship方式を採用-」( https://www.mol.co.jp/pr/2022/img/22146.pdf )
2023年1月16日付プレスリリース 「日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」が就航 ~ 環境負荷低減とモーダルシフトの実現 、カジュアルクルーズを提供~」( https://www.mol.co.jp/pr/2023/23004.html )
2023年4月17日付プレスリリース 「商船三井グループLNG燃料フェリー2番船「さんふらわあ むらさき」が就航 ~フェリー新会社で25年までに4隻を運航予定、LNG燃料船の拡大を着実に推進~ 」( https://www.mol.co.jp/pr/2023/23052.html )
(註3) 上質な船旅としてのクルーズを、定期航路を利用することで気軽に楽しんで頂く、当社グループフェリー事業の基本コンセプト