遠隔モニタリングシステム「クロスバイ」で入居者の様子を観察する職員の方
近年、日本において一層深刻化する高齢化を背景に、介護現場での人手不足は大きな社会問題となっています。 特に、高齢者の治療の場が病院から在宅へと置き換わる流れがみられる今日では、介護の領域においての医療依存度はますます高まってきたと言われています。これまで介護や在宅では不要だった医療的ニーズを利用者から求められるケースもある中、医師、看護師の全国的な人材不足から、十分な対応ができていないことが新たな課題となっています。例えば、高齢の入居者によくみられる多岐に渡る持病への日々の対応、介護施設で勤務する看護師特有の悩みである施設内相談の集中化によるストレス等、新たな課題が顕在化してきました。 このような状況は施設固有の問題ではなく、全国の介護の現場の共通課題として考えられています。
そこで、当社は遠隔ICUサポートサービスを通じて培ってきた知見と、当社が擁する専門性の高い医療従事者が持つ技術と経験を活かし、医療依存度の高い利用者のケアをコンサルテーションするサービスを、ユナイトの協力の下に始めました。 24時間、日常ケアから緊急時の対応まで経験豊富な看護師が現場看護師や介護職員と連携することで、入居者の多岐に渡る病状に対し質の高いケアが可能となりました。 また、特に施設内で人的リソースが少なくなる夜間帯の相談へも対応する事で、数少ない介護施設の看護師への時間外相談が減り、休息時間を確保することができるようになりました。 今後も継続して連携を図り、介護施設全体でケアに対する不安感の軽減により、職員の皆様が安心して働ける職場環境の構築へと寄与することを目指しています。
当社看護師が介護現場の様子を見学する機会も積極的に設けている。
食事シーンでは、食物残量・嚥下の評価方法について共有、食事摂取のスピード管理による誤嚥性肺炎の予防につなげるなど、医療知識が介護現場でも役立つ。
本プレスリリースへ、株式会社テンダーハート 西里様、成瀬様よりご寄稿頂きました。
株式会社テンダーハート取締役 理学療法士 西里 真由美 様
現在、弊社が解決しなければならない課題は、①医療依存度の高い利用者様に、１日でも、１人でも多く生活の場を提供する、②施設長の負担軽減・働き方改革、③日本中の医療介護人財不足の３つであると考えています。私たちの、コネクテッドワーカー、ワークシェアリング、メディカルデリバリー、バーチャルケアへのチャレンジは始まったばかりです。近い将来、自分のコミュニティーにいたまま専門医から指示を得たり、隣の県から応援のヘルパーが来たり、または施設長がお休みの日は完全にリフレッシュできたり、当たり前になります。施設長のみに責任が偏りがちなピラミッド組織自体なくなるかもしれません。そんな挑戦の真っ只中、本田さんとUnite＝協業できました。「雲外蒼天」です。株式会社Vitaarsは、カメラ屋さんではありません。最先端の医療につながるヒト、モノ、知識のデリバリーを創造します。そして弊社は、今後も様々な企業様とUniteし続け、可能性を追求し続けていきたいと考えます。
株式会社テンダーハート 住宅型有料老人ホーム Unite 施設長・看護師 成瀬 真由美 様
サービス導入の結果、現在、施設長として私はとても余裕ができています。私は、あまり人前に出たり、広く発信することが苦手です。とても臆病で自信のない私が、今こうして立ち続けていられるのは、現場で働く職員一人ひとりの仲間が、「自分は介護で生きていく」と決め、勇気をもって働き続けているからです。その仲間たちの勇気の根源の一つに、株式会社Vitaarsの存在があると深く感謝しています。早朝でも夜間でも、気を遣わず、言葉を選ばず、知識や経験が豊富なチームメンバーと、５秒でいつでも繋がることができることは、私たちに間違いなくエネルギーを与えてくれます。
私は知識も経験もまだまだ十分ではないと感じています。だからこそ私は、余裕をもって仲間たちを支え続けられる環境をこれからも追求していきます。その仲間たちが、今そして未来の入居者様を支え続けます。「施設長の働き方改革」は、施設長の休みを増やすことではありません。残業を減らしたい、休みがほしい、ということでもないと私は考えます。働き方を見直すことで時間や気持ちに余裕ができ、部下やお客様と向き合える時間が増える。それこそ、施設長の真の役割だと私は思います。Uniteは、まだ走り始めたばかりです。常識にとらわれず、パフォーマンス向上にむけて、まだまだチャレンジし続けます。
【本プロジェクト担当者よりコメント】
株式会社Vitaars 事業推進本部 国内事業部長 本田 隼人
当社の遠隔相談サービス「リリーヴ」、遠隔モニタリングシステム「クロスバイ」が介護施設に導入されたのは初めてのことです。介護現場で、医療ニーズを併せ持つ重度の要介護者や認知症高齢者の入所者数の増加を背景に、医療と介護の連携の必要性はこれまで以上に高まっていますが、遠隔相談による安心感、遠隔モニタリングによる見守りの2点は、介護職員だけでなく入所者へも大きなメリットを提供できると確信しています。
実際に、施設運営の観点からも
・インシデント発生時の動画,音声データでの振返りが出来る
・日常ケアのみならず救急搬送が必要かどうかの判断を相談出来るので、安心して医療介入度が高い入居者さんを受け入れられる
・夜間帯の介護職員からの相談をまずはT-ICUにすることで施設長の負担が軽減できる
・スタッフ教育の一環としてWeb勉強会ができる
等、予想以上の満足感を感じていただいています。
国が進める「医療と介護の一体的な改革」の中、今後もまだ満たされていないアンメットニーズの顕在化は進むと考えられます。介護現場との連携を強化しながら、当社のソリューションを通じて貢献できるよう尽力して参ります。
【企業情報】
株式会社テンダーハート 住宅型有料老人ホーム Unite（ユナイト）
「あらゆるヒト、モノ、業種の方々と融合し、新しい当たり前を創造していく」-ひとりの力ではかなわないことも、様々な専門家の力があわせることで無限の可能性が生まれる。Uniteすることで、皆さまの今、を追求しつづけます。
介護が必要になった時、入居者様自身の選択により、地域の訪問介護等のサービスを利用しながら生活を送ることができる住宅型有料老人ホーム。
所在地: 名古屋市北区北久手町47-1
URL: http://tenderheart.co.jp/service/unite/
株式会社Vitaars
2016年のT-ICU（旧社名）創業以来、遠隔ICUによる診療サポートサービスを中心に医療において幅広く事業を展開、2023年3月よりVitaarsに社名を変更致しました。集中治療科医・集中ケア認定看護師のチームを擁し、医療機関向けに専門性の高いサポートを提供する日本で唯一の事業会社として、「世界中の人々に、最高の医療をAnywhere, we care.」をミッションに、専門知識と経験で医療現場を支え、患者・医療従事者・関わる人々の願いがかなう環境を目指しています。
所在地:〒651-0085 兵庫県神戸市中央区八幡通3丁目2-5 IN東洋ビル605
URL: https://www.vitaars.co.jp/
事業内容: 遠隔による診療支援・医療情報提供サービス・医療コンサルティング等
代表取締役社長/医師/博士(医学) 中西 智之 経歴：
2001年 京都府立医科大学 医学部 卒業
2003年 熊本赤十字病院 心臓血管外科
2007年 大和市立病院 麻酔科
2009年 武蔵野赤十字病院 救急救命センター
2013年 守口生野記念病院 救急科
2019年 聖マリアンナ医科大学 非常勤講師（救急医学）
2021年 東京医科歯科大学 客員准教授
2021年 Marine City Medical College＆Hospital 国際客員准教授
認定：集中治療専門医・救急科専門医・麻酔科専門医 等
